Es glitzert~きらめき(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

私だって


ピアノで生きて行くしかないって思ってる。


それには世界中からオファーをもらう一流ピアニストにならなくちゃって。


そうしたら世界の大きなコンクールに出て、優勝を狙って・・・・




そんな私の戸惑いに構わず



「別に。 おれは一番になんかならなくていい。 順番なんか誰かにつけられたくないし。 おれのピアノが聴きたい!って思うようになって欲しいだけだよ、」



彼は


またもガツガツと動物的な食事風景を繰り広げていた。




身体がブルッとふるえて



「・・・い、一番を目指さなくていったい何が得られるの??」



気がついたら大きな声でそう言っていた。



「は?」



「誰よりもうまくなりたいってそう思って私はピアノを弾いてきた。 ピアノで食べていければいいって言うけど、努力もしない人がどうして私と同じゴールにたどり着けるって言うの??」



いきなり彼に詰め寄った私に


父も少し驚いていた。


だけど


止められなかった。



「そんなに甘い世界じゃないわよ! やる気もないくせにウイーンまで来たの!?」



私が信じて突き進んできたことを


この人がダイナマイトを持って来ていきなり爆破をさせた気がした。



それが


許せなかった。



「・・・・それは。 おれと絵梨沙のレベルが違うだけだろ。  同じゴールじゃないよ。 それに。 おれがどんな気持ちでピアノを弾こうと勝手だろ。」



彼は冷めたようにそう言って。



「ごちそーさん。 うまかった。 んじゃ。 本選頑張ってね。」



嵐のように行ってしまった。



もう

悔しくて悔しくて



涙が出そうなほど。



何がそんなに悔しいのか、


その時はわけがわからなかったけど、たぶん私はそのときはもう


彼のピアノの才能に気づきはじめていたんだと思う。


だから



平常心でいられなかった。




「マサの言うとおり。 ピアニストと言っても道はたくさんある。 それは誰に強要されるわけでもなく、その人のスタンスでやっているんだから。 絵梨沙は絵梨沙の道を行けばいいんだよ、」


父は動揺する私にそう言った。



そして



「まあ・・・彼に限っては・・・もったいないかなあと思うけど。」



やっぱり残念そうにそう言った。



父の言いたいことは


わかっていたけど


でも。



このときの私は


まだまだ真尋の才能のほんの片鱗しか見えていなかった。





 真尋にイラついてつい怒ってしまった絵梨沙。それは彼の『才能』への嫉妬にも似た・・・



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