Tomorrow comes over(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

しかし



動き出したと思ったその『記憶』は



また止まってしまった。




「・・お父さん?」



真太郎は自分の手を握り締めたまま


ものすごい険しい顔をしている父を怪訝そうに見た。





「・・すまない、」




北都はそう言ってぐったりとベッドにまた身体を預けた。





「そっか、」



志藤は南から電話を受けた。



「社長は。 真太郎にあたしでさえわからないくらい・・・めっちゃ愛情注いでたんやろなーって・・。 ほんま。 泣ける、」



志藤は『あの日』のことを思い出した。



「社長が倒れる・・・少し前。 少し話をしたんやけど。 ほんまにジュニアのこと心配してはるって。 そう思った。 『心配ですか?』っておれが訊いたら、『心配に決まってるだろう。』って。 あの自分の心のうちなんか見せない人が。 ちょっとびっくりした、」



「・・そう、」


南もそんな北都の姿を想像した。



「きっと。 倒れて・・生死の境を彷徨ってる間も・・・。 自分がいきなりこんなんなって真太郎はどないすんやろって・・心配したんかもしれへんなあ・・・  そんで、こんなことになってしまったんかもしれへん、」



南が言った言葉があまりにぴったりすぎて志藤は



「・・うん・・・うん、」



二度、頷いた。




「なんかもうすっかり秋だよね~。 空が高くなって、」


父を見舞った真緒は病室の窓に手を掛けてポツリと言った。


意識が戻ってから、もう1ヶ月と半分ほどが過ぎていた。




「・・ああ、」


北都はぼんやりと返事をした。


「来週から少しずつ身体を起こすリハビリ始めましょうかって。 先生が。 それだけ良くなったってことだよね、」


ニッコリ笑う真緒に



「・・真緒・・・、頼みがある。」



北都は彼女の方に顔を向けた。







「は・・・社長が?」


志藤は社長室で執務していたが、やってきた真緒を見上げるように少し驚いた口調で言った。



「うん・・。 志藤さんに、来て欲しいって。 話があるみたい、」


真緒も神妙な顔で言う。


「おれに? おれって言ったの?」


「・・・うん。 志藤さんだけ、みたい。」



志藤は彼女の言う意味を何だか深く考えてしまった。



いまだ記憶のはっきりしない北都は志藤を呼びます・・・


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