Tomorrow comes over(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

南とはそこで別れて


真太郎は北都の病室に入って行く。



彼に気付いて顔を向けた。



「ああ、そのままで。」



真太郎はにっこりほほ笑んだ。



「・・ベッドを、」


北都は不自由な左手でベッドを稼働させるリモコンを少し指した。



「起こして大丈夫ですか?」



真太郎は少しだけベッドを起こした。



「でも、顔色も良くなりましたね。 もう食事も採れるようになるから体力も回復してくるでしょうって先生も言ってましたよ、」



ここに来ると


自分のことを思い出そうとして父はいつも見たことがないような不安な表情を見せる。


もう無理に思いだそうとしなくてもいい、と言ったがやはり完璧主義者の彼の気持ちはそう簡単ではないのだろう。



「・・ひとつ・・訊きたいことがある、」



北都はポツリと言った。



「・・なんですか?」





「・・今。 幸せか?」




すごく言葉にすることを迷ったような素振りだったのに


彼が口にした言葉はあまりにも短く。


そして


深い質問だった。



真太郎は少しだけ驚いた顔をしてから何の無理もない笑顔を見せた。



「うん。 幸せだ。  ・・・幸せです。」



迷いのない答えを出した。



北都はまっすぐに真太郎の目を見た。



「・・・お父さんとお母さんの息子に生まれて。 今日まで幸せでした。 そして・・・お父さんがおれにくれた一番の幸せは。 ・・南とおれを引き合わせてくれたこと、」



「え・・・」



父の瞳が


みるみる透きとおっていくように。




「お父さんが。 おれと南を出会わせてくれたんですよ。」



真太郎は思わずぎゅっと父の手を握り締めた。




あ・・・



まるで


壊れたVTRがいきなり作動し始めたように。








南と二人で生きて行こうと・・・・決めました









北都の脳裏のどこかが動いた。




南と・・・




思わず真太郎の手をぎゅっと握り返した。



父の記憶が蘇る??? はたして・・・・


人気ブログランキングへ 左矢印 お気に召しましたらポチっ!わんわん お願いします!

人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ
My sweet home ~恋のカタチ。