Tomorrow comes over(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

萌香は夕方には自分の部屋に連れてこられたわが子を手に抱き


もう幸せいっぱいな気持ちであった。



初めて母乳を飲ませると、小さな口を一生懸命に動かして


さっきまで自分のおなかのなかにいたなんて、とても信じられない。



大好きな彼との愛のカタチ。


もう本当に愛しくて愛しくてたまらない。



あの人の血を受け継ぐ子供が欲しくてたまらなかった。


女としての一番の幸せなのかもしれない。



母乳をあげたあとも、ずっと胸に抱いて寝顔を見ていた。




するとノックの音がする。



「・・はい、」



返事をすると、黙って母が入ってきた。



「・・お母さん、」


少し驚いた。



「あの・・専務さんの奥さんって人から・・・電話もらって。 今朝方産まれたって言うから。」


「うん・・。 今、おっぱいあげて。・・初めて、」


萌香はクスっと笑って、赤ちゃんを母に見せた。



母はおそるおそる赤ちゃんの顔を覗き込む。



「どっちに。 似てるんやろか、」



「鼻とか・・口元とか。 清四郎さんにソックリ。」

萌香は微笑んだ。



「・・そうか? あんたに似てると思うけど、」


母は穏やかに言った。



「抱いてやって。」


萌香は母に赤ちゃんを差し出す。



「え・・」


戸惑ってしまった。


そして、そっと手を差し出した。



その小さくて暖かなぬくもりに


母は思わず自分の頬を摺り寄せるように抱きしめた。



「・・お母さん・・」


「軽いんやなあ。 小さいんやなあ・・・。 こんなに小さかったんか、」


母は涙ぐんだ。



15で自分を産んだ時は


その赤ん坊の存在が、色んな意味で『重く』『大きく』感じたのかもしれない。


きっとその戸惑いを思い出しているのだろう。



その命の意味が


ようやくその小さな重みと共に胸に迫るようになった。




驚いたことに


母はその後1時間以上も赤ちゃんを胸に抱き、ずっと飽きもせずにその寝顔を見つめていた。



萌香はその母の優しい瞳を見るだけで


過去の母への憎悪が


ウソのように消えていくのがわかった。



もっと早く

この人の戸惑いがわかってあげられていたら。



ううん。


きっと今でなくてはわからなかった・・・




萌香は母になり、自分の母親の戸惑いや悩みがようやくわかるようになって・・


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