Tomorrow comes over(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

もう涼しくなったというのに斯波は汗だくだった。


結局、新幹線に乗れたのが夜になり。


東京に戻って来れたのも夜10時過ぎだった。



もちろん病院の面会時間なんかとっくに終わっている。


ナースステーションが見えたので隠れるようにして、サッと萌香の病室に入って行った。



「・・清四郎さん、」


萌香は横のベビーベッドに赤ん坊をそっと横たえた。



「・・は~~~~、もう帰れないと思った・・」



病室に入ったとたん、ようやく安心して壁に背中をつけて宙を仰いだ。



「大変でしたね、おつかれさま・・」


と言われて



「・・萌のほうが・・・何十倍も大変だったじゃねーか、」



ポツリとそう言って、そっとベッドに近づいた。



初めて見る我が子の小ささに



「・・ちっちぇえ・・」



斯波はそう言いながら、顔の筋肉の全てが緩み


理屈なくこの愛しい存在を優しい眼差しで包み込んだ。



「さっき。 南さんと加瀬さんが来てくれて。 もう・・あなたにソックリって・・・」


萌香はそっと斯波に寄り添った。



「・・おれか?」


「うん・・。 でも、あたしはあなたにソックリな男の子が欲しかったから。 もう・・ずうっとずうっと眺めてても飽きないの。  いくら抱きしめても・・抱きしめたりないくらい、」


斯波はそんな彼女の横顔を見た。



子供を産んで


さらに美しくなった気がして。


子供を見る彼女の眼差しは、確かに母親になっていた。



「・・ありがとう、」


斯波はそう言って彼女の肩を抱き寄せた。



「ごめんな。 ついててやれなくて、」



「ううん・・・。 南さんが・・寝ないでずっとついててくれて。 専務もいてくださって。 本当に心強かった、」



静かに彼女にキスをして



「ありがとう、」


もう一度彼女に優しく言った。



「・・・抱っこ、してあげて。」


萌香はそっとベッドから赤ん坊を抱き上げた。



彼女から手渡された赤ん坊がちょっとだけモゴモゴと口を動かし、目を眩しそうに開けた。


黒いビー球みたいに何の穢れもないその瞳を見つめていると


胸がきゅんとなった。



おれの子かあ・・・。


おれ。


オヤジになったんだ。



感動が洪水のように溢れてくる。


自分にそんな気持ちがあることに少し戸惑い、そして嬉しかった。



斯波ちゃんもお父さんです。(^∇^)


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