Live for love(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ごめんね、斯波ちゃん。 あたし・・・萌ちゃんについてるから。 そっちが落ち着いたらすぐに戻ってきて、」


南は萌香や斯波に迷惑を掛けたことを償いたかった。



「南・・・」



「大丈夫。 きっと元気な赤ちゃん生まれるから。 あたしは・・・斯波ちゃんと萌ちゃんの赤ちゃんを一番に抱っこしたい、」



きっと電話の向こうの彼女は笑顔だろうと思った。



斯波は


萌香のことが心配で今すぐにでも帰りたかったが


南の気持ちを汲んで、少し安心した。




「斯波ちゃん、台風直撃で帰れなくなっちゃったみたいなの。 明日にはなんとか新幹線に乗れると思うけど、」


南は陣痛の痛みに苦しむ萌香のところに行って優しく言った。



「・・・だいじょうぶ、です。 ひょっとして・・ひとりで出産になるかもって・・覚悟してましたから・・。 でも、南さんがいてくれるから・・」


彼女の笑顔に思わず手を握り締めた。



「うん。 ずっと・・いるよ。 萌ちゃん、ほんまに斯波ちゃんの赤ちゃん・・・欲しかったんやもんな。 もうすぐやで。 もうすぐ・・会える。」



「はい・・」



少し汗をかいた彼女の額をハンカチで拭ってやった。





「・・初産だからまだまだかかりそうやって・・・。 真太郎は帰ったほうが、」


廊下で座って待っていた真太郎のところに行った。



「・・・南と話に来たんだ、」


真太郎は優しく彼女の下から見上げるように言った。



「え、」



「きっと・・・納得してもらえないだろうけど。 いや、納得してもらうまで何度でも話しに行くつもりだった、」



真太郎はスッと立ち上がった。




「もう。 オヤジが記憶を取り戻さなくてもいいって・・・おれは思ってる。」



南は彼の言葉にハッとした。



「おれの過去の記憶がなくなってしまったとしても。 もう仕方がないって思う。 ・・真尋に言われた。 仮にそうなったとしても、これからのおまえを見れば、おまえが息子でよかったって・・オヤジはきっとそう思うって。」



真太郎は優しい優しい微笑で南を見た。



「・・真太郎、」



「ほんと。 いつもはめちゃくちゃだけど、あいつのが色んな修羅場を乗り越えてきて、きちんと自分で解決して生きてるって。 そう思った。 おれはまだまだ・・甘えていたなって。 オヤジって存在に甘えて生きてきた。 真尋の気持ちが嬉しくて。 ああ、そうだったんだって。 初めて気がついた。」



なんだか


彼に近づくことができなかった。





微妙な距離を保っている南に



「弱いくせに。 南にだけはカッコ悪い姿見せたくないって見栄はって。 おれは南のために強い男になろうって・・決心したのに。」



言葉を投げかけた。




「・・・真太郎は・・頑張ったと思う。 出会った頃は、ほんまにおとなしくて無口で。 こんな子が将来あのホクトを支えていけるんやろかって・・・心配になったし。 でも、あたしのことをあっという間に追い越して、大人の男になったって・・・思うよ、」



南は真太郎の目を見ることができなかった。




萌香のおかげ(?)で二人は静かにゆったりと話をすることができました。


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