Once again(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ホテルもキャンセルすることになっちゃって。 でも、幸いノースキャピタルだったから・・・ぼくからキャンセル料はそちらに迷惑がかからないようにするから、」


真太郎は尚も夏希に言った。



「や・・ほんとに、もう。」



あまりに真太郎に謝られてどうしていいかわからなくなってしまった。





そして受け取ってしまった封筒にハッとして、


「で、でも! これは・・受け取れないです。 ほんと。 ・・・きっと隆ちゃんもそう言うと思います、」


と、また真太郎に返そうとした。




「ううん。 こうでもしないと。 もうぼくの気が済まないから。  後は高宮くんをゆっくり休ませてあげるようにするだけだから。」



「どっ・・どーしよ・・」


夏希は手をひっこめることもできず、あたふたしてしまった。




真太郎はにっこり笑って、


「じゃあ、」


と、行ってしまった。






「え~~~~??? もー・・隆ちゃんに怒られそう、」


夏希はひとり言を言って、くるっと振り返ると





「・・もらっておいて、いいんだよ。」




寝ているはずの高宮が口だけ動かしてそう言った。




「は?? え、なに、今の腹話術・・・」


と、キョロキョロすると高宮がそっと目を開けた。





「・・腹話術って・・・」




ぜんぜん違うだろ・・


と思い笑ってしまった。



「起きてたの??」


「・・途中から、だけど。 またおれが起きると気を遣うからね。 あの人は、」


ふっと笑った。



「でも、いいの??」


夏希はその封筒を手にして言った。




「・・もうね。 そうするしか・・・専務の気持ちが済まないんだよ。 別に専務が悪いわけじゃない。 理由があったことだし、おれ、ほんっと一度も専務に腹立ったことなかったし。 あの人がどんだけ傷ついたかも、わかってた。 どういう経過で戻ってきたかはわかんないけど。 でも・・・きちんと決心したんだなあって。 おれに対しても、何もできないって思う反面、どうにかしなくちゃって気持ちだけはわかるから。 専務みたいな立場の人が、こうやってお金を包んできて、それを返されたら…立場ないでしょ。 ひっこめるわけにいかないよ。」



高宮はこんなに疲労困憊していても、きちんと真太郎の気持ちがわかっていた。



「・・専務にはおれからお礼をしておくから。」


「隆ちゃん、」


夏希は彼の思いにジンとした。



「ほんと。 よかった・・・・。 戻ってきてくれて。」



高宮はまたホッとしたように目を閉じた。




高宮は真太郎の想いをありがたく受け止めます・・・


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