Once again(5) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

夏希は昼休みに会社から10分ほどのところにある高宮の入院する病院に出かけた。



身体が疲れきって眠ってばかりの高宮の横で、披露宴の招待客へのお詫びの手紙を書いていた。



田舎の友達に宛てた手紙を書いているときに、夕べ連絡した時の母の驚きようを思い出してしまった。







「そんなに悪いの?」


「ううん。 手術はしなくてもいいみたい。 とにかく過労とかもあるから・・・ゆっくり休まないと。 ほんと、ごめんね。」


夏希は母に謝った。



「それは・・いいけど。 大変なことになっちゃったね、」


「もう結婚式なんかどうでもいいから。 とにかく隆ちゃんには今は休んで欲しいし、」


母が落胆する声を聞くのが少し辛かった。





ノックの音がして


「ハイ、」


と、返事をする。



すると、真太郎が入ってきたので夏希は驚いた。



「・・専務、」


真太郎は高宮がよく寝ているのを見て、



「・・よく寝ているから。 そのままで・・・」


小さな声で言った。



夏希は真太郎が姿を消してから、初めて彼に会った。




「・・・結婚式が延期になってしまって。 本当に申し訳なかった・・」


真太郎は夏希にも本当に謝罪の気持ちがいっぱいで静かに頭を下げた。



「そ、そんな・・」


「高宮くんがこんなことになったのも。 全てぼくのせいです。  きみたちの大事な大事な結婚式までフイにしてしまった。」




「・・隆ちゃんは。 専務が戻ってくるって・・・信じてましたから。」


夏希はふっと笑った。



「それまで頑張るって・・・ずっと。 こうして寝ていても、きっと仕事のことが気になっていたと思うんです。 だけど専務が戻ってきてくださって、ようやくホッとできるんじゃないでしょうか、」



「ぼくが未熟で。 みんなに迷惑をかけました。 ・・・償いたいと思うけど・・どうしていいかわからない。  軽蔑されるかもしれないけれど・・・、」


真太郎はポケットから封筒を差し出した。




「え・・?」


夏希は目をぱちくりさせてそれを受け取ってしまった。



「・・こんなことで済ませる気はないけど。 頼むから受け取って欲しい。」


真太郎は真剣な眼差しで言った。



「?????」


夏希は何だか全くわからなかった。


そして、そっとその封筒を覗いてしまった。



中には『お見舞』と書かれた分厚い熨斗袋が入っていた。


「えっ! お金!?」


びっくりして大きな声を出してしまった。



真太郎はシーっと指で口を押さえた。


夏希は高宮が起きなかったことを確認して



「な、なんなんですか、これ・・・めっちゃ入っちゃってるんじゃないですか?」


声を押し殺して、それでも気持ち的には大声で言った。



「だから。 何か食べられるようになったら。 これで少しでも栄養をつけるようにして・・・。 今のぼくにはこれしかできないから、」


真太郎は真剣にそう言った。




真太郎は高宮と夏希の結婚式が延期になってしまったことにも責任を感じて・・


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