Close your eyes(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ふっと


父の顔が微笑んだ気がした。



まだまだ覚醒しきれていないようで、そのまままた眠ってしまった。



「これで一安心でしょう。 血圧も安定してますし。」

医師は笑顔で言った。


「・・マヒのほうは、」

真太郎は心配そうに言った。



「それは・・まだわかりません。 これから、でしょう。」

一転して険しい顔になった彼に、まだまだ楽観はできない、と思うのだった。



「でも。 よかった・・・。 お義母さんの名前も呼んでたし。 わりとしっかりしてた、」

南も胸を押さえた。



「グランパ、なおったの? だいじょうぶなの?」

竜生が心配そうに言った。


「もう少し。 お休みしていれば、またよくなるわよ。」

絵梨沙もホッとして彼の頭を撫でた。



「あ~~~、ヤレヤレだな。」

真尋も伸びをして笑った。



大きな山は越えたかのように思えたが。





それから北都は少しずつ目を覚ましている時間が増えていく。



「んじゃあ。 おれも病院に行ってみます、」


志藤は病院に向かおうとする真太郎に言った。



「すみません、」


そばにいた高宮も


「じゃあ、ぼくも。 とりあえずお顔だけでも見ないと、」


と、慌てて支度をした。





「ほんとに。 オヤジが寝てるなんてどーゆーことだよ、」


真尋はベッド上の父に笑いかけた。


「本当。 お父さんが寝てる姿なんか。 何年ぶりに見るかな、」

真緒も来ていて笑った。



「・・・おまえこそ。 ・・・ウイーンじゃなかったのか、」


かすれた声で北都は言った。



「帰ってきたんだよ。 もう、オフクロがどーにかなっちゃうんじゃないかって心配で。」



北都は真緒を見て


「おまえも・・・パリから?」


と、言い出して真緒は真尋をぎょっとしながら見た。



真尋は笑い飛ばして、


「真緒はパリから出戻ってきたんだろ~~。」


と、明るく言った。



「・・・ああ・・そうか、」


北都の記憶はまだ整然としていない様子だった。




「・・・失礼します、」

真太郎と志藤と高宮がやって来た。



「また随分と来ちゃったな、」

真尋は言った。


「どうせ来るならまとまってのがええやろ。 社長もまだ人が来ると疲れるやろし、」

志藤は言った。



「・・志藤・・?」


北都はぼんやりとした口調で言った。


志藤はニッコリ笑い、


「・・もう観念してゆっくり休んでください、」

と言った。


「・・高宮・・・も。」


「仕事のことは心配しないで。 真太郎専務がいらっしゃいますから。」


と、高宮が真太郎の顔を見てふっと笑うと





「・・しんたろう・・・??」



北都は眉間に皺を寄せて、つぶやくように言った。



どうやら北都に異変が起きているようで・・・


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