Close your eyes(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・みんなに助けられて・・何とかやっています。 だから、」

真太郎も北都に微笑んだ。



「・・・・・・」



北都はじっと真太郎の顔を表情を変えずに見た。



「ま。 社長が真太郎さんにバトンを手渡す時のために、今まで少しずつ仕事も渡してましたし。 ほんと心配ないですから。」

志藤も明るく言った。



北都の表情は変わらなかった。



「・・どしたの?」


真緒が不思議そうに父に問いかけた。




北都はぼんやりと。



能面のように変わらない表情で




「・・・・だれ・・・だ?」




真太郎に向かって言った。




「は・・・」



その場にいた全員が凍りついた。




「な、なに言ってんだよ・・・。 真太郎じゃねーか。」

真尋がその沈黙を破るようにいつものようによく通る声で言った。



「も~~~、しょうがないわねえ。 お父さんってば、」

真緒もひきつって笑った。



しかし



「・・・しんたろう・・・」


北都は一生懸命に自分の記憶に問いかけているようだった。




「・・・お父さん・・・、」



真太郎の顔も見る見る血の気が引いていく。






「お父さん、あたしのこともまだ結婚してパリにいるって思い込んでたのよ。 まだ・・・記憶がきちんとしてないってゆーか、」

病室を出た後、真緒は真太郎を励ますように言った。


「なんてったって・・・すごい手術をしたんですから。 いくら社長でもまだぼうっとしてはるでしょう、」

志藤も言った。



それでも

真太郎は大ショックだった。



真尋も真緒も。


そして志藤や高宮のことはすぐにわかって名前を呼んで。



だけど



自分の名前だけは呼んでくれなかった。



それどころか。



彼の記憶には



自分がいなかった・・・・・。




なんと北都は真太郎のことだけを思い出せません。 色んなことで参っていた真太郎にとっては奈落の底に突き落とされたような気持ちで・・・



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