Love destiny(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

志藤家・現在。 まだ、ふたりモメてます・・・・・。



13年前のそのことが。

ゆうこの脳裏に蘇ってきて




「どっ・・どーせ。 あたしは仕事できなかったし・・。 おっちょこちょいで、書類もミスが多いっていつも注意されてたし。 今思えばよくもまあ、社長秘書なんかしてたなって・・」



ゆうこは志藤から離れるようにして泣きながら言った。



「なんやねん、いきなり。」

志藤は昔のことを言い出した彼女に首をかしげた。




「あなたにもよくバカにされたし。 あたしのこと『家政婦』扱いだったし!!」



どんどん怒りがこみ上げてきた。



「は? 家政婦?」


「忘れたの!? あたしにそう言ったでしょ!」



ゆうこは思わず志藤の胸倉をひっつかんでしまった。



「おれが? ゆうこに?」

本当に記憶にないようだった。



「も~~~! ほんっとショックだったんですから! あの時は! あなたはまだ東京に来て3日目で! そんなことズケズケと言ってくるし!」




おれ

そんなん言ったかなあ?




志藤はうーんと考えた。




「ななみを妊娠してから体調が悪くて・・・仕事休みっぱなしになってしまって。 そしたら、幸太郎さんがもう仕事を辞めろって言って。 ほんっとはすっごく寂しかったけど・・。 でも、やっぱりひなたのことも心配だったし。 しょうがないかなって諦めたけど。 真太郎さんや南さんやあなたと一緒にずっと仕事をしていきたかったのに・・」

後悔の念まで口にされ



「それはさあ・・しゃーないやん。」




今さらそれを言われても




志藤はカンベンして欲しいと思っていた。


そして、彼女の手を取って


「おれは。 ゆうこがな、家庭で奥さんとお母さんしてるのが一番やって思ってたから。 たぶん、最初に会ったときからそう思ってたんやと思うで。 だから、そんなこと言ったのかもしれへん、」

と優しく言ったが、



「ほんっと・・すんごいイジワルばっかり言われたし、」

ゆうこの気持ちはあの頃にタイムスリップしてしまっているようだった。



「それは。 ほら~。 子供のころって好きな女の子のことわざといじめたりするやん。 それとおんなじやって。」

志藤は笑ったが、



「いいえ! 少なくともあの頃は・・あなたはあたしのことなんか好きじゃなかったし!!」

鼻息荒くそこを強調された。



「たのむ~~。 機嫌直してくれって、」




そもそも

何に怒ってたんか、忘れてるんちゃうか?




志藤は小さなため息をついた。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





志藤に言われたい放題言われたゆうこは給湯室で、号泣してしまった。




人の気持ち考えないであんなこと言うなんて!

ほんっと

信じられない!




そこに、



「・・白川さん・・??」



真太郎が通りかかってびっくりして覗き込まれた。



「し、真太郎さん!」



ゆうこは慌ててハンカチで顔を押さえた。


「どうしたんですか?」


尋常じゃない泣き方だったので、心配になった。



「・・しっ・・志藤さんが・・」


「志藤さん??」




志藤が秘書課を出て総務課に向かおうとした時、給湯室から声が聞こえてきた。




「も・・ほんっとひどいんです~~。 あたしのことただのお茶汲み女としか思ってないってゆーか、」



もう涙なのか鼻水なのかわからなくなるくらい泣いて真太郎にぶちまけてしまった。


「そんなに泣かないで下さい・・。 志藤さんがなんて言おうと、みんなそんなこと思っていませんから。 ぼくだって。」

真太郎はゆうこを宥めるのに必死だった。



「オケの会議にもいなくていいとか・・言うし・・」


「それも。 ぼくは白川さんが必要だと思っていますから。 だって、ずっとこの企画の立ち上げから頑張ってきたんじゃないですか。 白川さんが必要ないなんて、そんなことないです。」

真太郎は優しく言った。




彼にこうして慰められるだけで

さっきの怒りは消えていきそうではあった。




それをそっと盗み聞きをしていた志藤は

その前を通らずにUターンして戻ってしまった。





志藤とゆうこの出会いはサイアクなものでありました・・

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