「ひよっこ」第11回~谷田部実という人間を捜して下さい | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第11回
第2週 「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」
谷田部実という人間を捜して下さい
 

 

次郎) 6時39分の列車に乗るっつってたど。
    6時39分っつったら、上りだっぺ。
    な? 小太郎さん。
小太郎) んだ。
みね子) え…だって…。

 

お父さん…。
何でお母さんは、
私にうそをつくんですか?

 

お父さん…
お母さんは大丈夫でしょうか?
大丈夫ですよね?

 

**********


みね子) よし! ごめん、もう大丈夫。

時子) そう?

みね子) うん。さて、頑張らないとね、三男。
     (小声で)聖火リレー。

三男) お…おう…あっ!

    次の、青年団の会議の日程が

    決まったみたいみだいなんだ。

みね子・時子) えっ?

三男) 今度の日曜だ。

時子) そうなの?

みね子) すぐでねえの! 大変だっぺ。

     何で早ぐ言わないの? そんなこど!

三男) 何でって…お前が朝バスの中がら、

    沈んでだからだっぺ。

みね子) え…あぁ、そうか…。

     あぁ、でも、ごめん!

     今日私残れないんだよ。

     お母ちゃんいないからさ、

     帰ってうちのこどやんないと。

時子) うん。しかたないよ、それは。

三男) うん。今日は、俺と時子の、

    2人でやっとぐから、気にすんな。

みね子・時子) ん?

 

**********

 

美代子さんがたどりついたのは、

実さんのような出稼ぎの男たちが暮らす、

建設会社の宿舎です。

 

美代子) これ、つまんないもんなんですが。

管理人) すいません、悪いわねぇ。

美代子) あの…主人から連絡は?

管理人) あぁ、ないわねえ。

美代子) あ…何か、変わった様子とか…。

管理人) 悪いわね。どんな人だったかもよく

     覚えてないのよ。ここ人が多いから。

     置いてった荷物持っていきます?

美代子) はい。

 

**********

 

(管理人が持って来たカバンを見る美代子)

美代子) 主人のです。

管理人) 一応中確認してくれる?

(カバンを開ける美代子)

(みね子が出した手紙の束)

管理人) 大変なのよ、出稼ぎの人たち。

     朝から晩まで体使って働いてさ、

     何の楽しいこともせずに、

     金はみ~んなクニに送って。

     もう、嫌になってね、どっか行っち

     ゃう人、たくさんいるの。

 

**********

 

(部屋をノックする美代子)

(ドアを開け、部屋を見る美代子)

(敷きっ放しの布団で埋め尽くされた8畳間)

(天井から垂れ下がった裸電球と洗濯もの)

(タバコの吸い殻の残った灰皿と汚れた食器)

 

**********

 

みね子) じいちゃん、ただいま!

茂) おぉ。

(郵便箱をのぞき、家に向かうみね子)

 

**********

 

ちよ子) お姉ちゃん、カレー粉まだ?

みね子) はいはい、ただいま。

 

昭和30年代になると、

即席のルーが発売されて、

カレーライスは一気に庶民の

人気メニューになりました。

 

テレビCM) インド人もびっくり!

 

食品会社は、テレビコマーシャルで

カレールーの宣伝合戦をしていました。

でも、ここ奥茨城村では、なかなか

カレールーは手に入らないので、

谷田部家では、

小麦粉とカレー粉で作っています。

 

(鍋のカレーをゆっくりかき回すちよ子)

ちよ子) お母ちゃん今頃何してんだろね。

みね子) んだね。

ちよ子) 寂しいね、お母ちゃんいないと。

みね子) んだね。

     昨日宗男さん来たっぺ?

ちよ子) うん。

みね子) 何話してだか聞いた? あんた。

ちよ子) わがんね。進と外行ってろって

     言われだから。

みね子) ふ~ん…。

ちよ子) 何で?

みね子) ううん。何でもね…。

     あぁ、早ぐ明日になって

     お母ちゃん帰ってこないかな~。

ちよ子) んだね。

(味見をして、頷くちよ子)

みね子) フフフ! 

     あんた、大きくなってんだねぇ。

ちよ子) まぁね。

 

**********

 

(建築現場の事務所で、受け取りを見る美代子)

社員) この日が最後だったみたいだねえ。

    どっかうまそうな話にでも乗っかったん

    じゃねえのかね。まっ、うまい話っての

    は、危ないってことなんだけどね。

    多いんだよね、奥さんみたいな人。

 

**********

 

<赤坂警察署>

 

美代子) すみません。

女性) 何分子供が小さかもんですけん、

    困ってしもうて。こん子のほかにも

    2人、男の子がおっとです。

担当官) そういう話は、民生委員さんですね。

女性) よろしくお願いします。

    うちが苦労すっとは構わんとです。

    ばってんか、子供には幸せになって

    ほしかって思うて。

 

**********

 

茂) ん? どうした?

みね子) うん。もうすぐごはんになるよ。

茂) そうが。

みね子) ちよ子も頑張ったよ。

茂) そうが。

みね子) じいちゃん…。

茂) 何だ?

みね子) どうがした? 何かあったの?

茂) 何でだ?

みね子) 何か元気ねえ、じいちゃん。

茂) フッ…年寄りだかんな、こんでも。何だ?

みね子) 何かやだ。何か隠してるよ。

     私だってバカじゃねえがら

     それぐらいわがるよ。

茂) フッ…何のこど言ってんだが。

みね子) ひょっとして東京行ったの?

     お母ちゃん。そうなんでしょ?

     お父ちゃんのこど? 何かあったの?

     何で私にうそつくの? お母ちゃん。

     何でうそつくの?

茂) みね子。こっちさ来お。ん…。

(みね子に手を差し出す茂) 

茂) 座れ。親が、子供にうそなんか

  つきてえわげなかっぺ。

みね子) じゃ、何で?

茂) いいが? 

  親が子供にうそをつくとぎには、わげが

  あんだ。子供のこどを思って、うそつい

  でんだ。わがっか?

(小さく頷くみね子)

茂) なら、うそとわがっても、母ちゃんから

  話すまで、待ってやれ。わがったか?

みね子) (涙) わがった…。

茂) 心配すんな。心配すんな。

(みね子の肩を抱く茂)

 

お父さん…。

じいちゃんの言うことは、

よく分かりました。

でも…でも…

 

一同) いだだきます。

(カレーライスを食べる一同)

 

お父さん…。

一体何を私に言いたくないんだろうって

考えると…みね子は、怖いです。

 

進) あれやっぺ。あれやっぺ。あれやっぺ!

茂) ん?

ちよ子) はいはい、どうぞ。

進) インド人もびっくり! ん~まいっ!

(笑い声)

 

**********

 

担当官) 茨城ね…。

     茨城県、え~奥茨城村か。

     茨城も多いね、出稼ぎは。

     でもね、奥さん。見つかる思わない

     方がいいよ。出稼ぎで東京来て、

     しんどくてどっか消えてしまう失踪

     者がね、腐るほどいるんだよね。

     まっ、一応預かるけど、これは。

     本当にね、茨城(いばらぎ)から

     来てご苦労なんだけど。

美代子) 「いばらき」です。「いばらぎ」

     じゃなくて、「いばらき」です。

担当官) はぁ?

美代子) 谷田部、実といいます。私は…

     私は、出稼ぎ労働者を一人捜して

     くれと頼んでるんではありません。

     ちゃんと、名前があります!

     茨城の、奥茨城村で、生まれで育

     った、谷田部実という人間を捜して

     下さいと、お願いしてます! ちゃん

     と…ちゃんと名前があります!

     お願いします! あの人は、絶対に

     自分でいなぐなったりするような人

     ではありません! お願いします!

     お願いします! 捜して下さい!

     お願いします!

**********

8時ちょうどのあずさ2号(古いっ!)ではなくて…

6時39分発の列車は東京行きだといらぬ情報を

みね子にもたらす次郎。おかげでみね子の心は

乱されまくり。分かるよ、みね子。不安になるよね、

心配だよね。大人の仲間入りをさせてもらったと

思っていたのに、うそをつかれると悲しくなるよね。

我慢できず、じいちゃんに何でうそをつくのかと

聞くみね子。子供にうそをつきたい親はいないと

いうじいちゃん。(実際は、うそが平気な親もいる

けどそれは…違う次元のお話という事でスルー)

 

親が子供にうそをつくとぎには、わげがあんだ。

子供のこどを思って、うそついでんだ。

わがっか?


心配させたくない。できることなら子供が気がつ

かないうちに問題を解決したい。子供たちには、

ずっと変わらない笑顔でいてほしい親の気持ち。

 

分かるけど…分かるけど…言えないということ

は、それだけ何かつらいことが、悲しいことが起

こっているのかと、ますます不安になってしまう。

人は、分からないことが一番怖い。分からない

から、余計にどんどん想像して不安になるもの。

無駄に想像している時の不安のほうが、事実を

知った時の驚きより、大抵は大きいものだから。

(想像力が豊かなタイプは特に、その傾向が…)

 

美代子さんが知ることとなった出稼ぎ労働者の

現実は残酷で…。東京オリンピックの華やかさ

の陰には、搾取され、使い捨てられた名もなき

人たちがたくさんいたんだよね。実が住んでい

た部屋を見た美代子さんが、その劣悪な環境

に、どんなに心を痛めたか…。「出稼ぎ労働者」

がいなくなっても、「よくあること」と片づけられ

るばかりなのが、確かに本当によくあることだ

ったのだろうと想像できるだけに、本当に辛い。

 

「いばらぎ」、ではない。「いばらき」の奥茨城村

で生まれ育った、「谷田部実」という、谷田部美

代子の夫、谷田部みね子の父親を、名前がち

ゃんとある、一人の人間を捜して下さいとお願

いしているのだという、美代子の叫びが切ない。

絶対に自分でいなくなるような人じゃないよね。

視聴者もみんな、分かってる。分かってるから、

一緒に不安になってる。実さんが心配だよ~。

何だか毎日、ほっこりしたり涙ぐんでしまう私。

 

インド人もびっくり!と、場をなごませてくれた

進くんにならって、昔のカレーのCMをどうぞ♪

(2:20あたりが、「インド人もびっくり!」です)

 

 

いや~いろいろと懐かしくて、カレーが食べたく

なってしまった。今じゃなくて昔のカレーの味を。



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