「ひよっこ」第12回~お帰りとただいま・・・だけど僕らはくじけない! | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第12回
第2週 「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」
お帰りとただいま・・・だけど僕らはくじけない!
 

 

美代子) 茨城の、奥茨城村で、生まれで育
     った、谷田部実という人間を捜して
     下さいと、お願いしてます! ちゃん
     と…ちゃんと名前があります!
     お願いします!

 

この頃、100万人を超える人が、

地方から大都市圏へと出稼ぎに来ていました。

一方で、行方がわからなくなる人も増え、

その数は1万人を上回ったそうです。

世間では、そんな人のことを

蒸発人間、などと呼んでいました。
何だか悲しい言葉ですね。

 

綿引) あの、すいません。

    突然お声がけして申し訳ありません。

    自分は、赤坂署管内の、五丁目派出所

    で、巡査をしております、綿引といいます。

    あっ、茨城です。高萩の生まれで。

美代子) あぁ…。

綿引) すいません! 今、上で捜索願を出さ

    れてんのを聞いてしまっていました。

    すいません! …で、私、ご主人のこど、

    できる限り捜したいと思うのですが。

美代子) え…?

綿引) 先ほどの担当官の許可はもらいました。

    「そう思うなら、非番の日にやんなら構わ

    ない」と言われました。ですから、大した

    こどはできないかもしれませんが。

美代子) でも…どうして?

綿引) 同じ茨城県人じゃないですか。

    「いばらぎ」じゃなくて。

 

**********

 

茂) 例の、聖火リレーが?

みね子) そう。ねえ、じいちゃん。

茂) え~?

みね子) 何人ぐらい見に来てくれっかね?

茂) さぁな。

みね子) 100人ぐらい来っかな?

茂) まっ、それぐらいなら、

  俺が声かげりゃ、集まっぺ。

みね子) お~? ハハハ! ありがとう。

茂) おう。

ちよ子) あんたそれ何描いてんの?

     全然違うでねえの。

     もっとかわいく描きなさい。

進) え~?

 

**********

 

(赤坂の街を一人歩いている美代子)

(ハンドバックからすずふり亭の

 マッチ箱を出す美代子)

 

**********

 

元治) ヒデ、重いだろう?

    きついだろ? 一人じゃ。

秀俊) はい。

元治) 頑張れ~。

高子) 頑張れ~ヒデ。

秀俊) はい…。

元治) 食べます?

高子) 食べる。

 

**********

 

省吾) はあ、お疲れさん。

鈴子) お疲れさん。今日は大入りだったね。

省吾) ありがたいね。

鈴子) これ、少ないけどあの子たちに。

    ボウリングでも行っといでって、

    あんたから。

省吾) おう。俺のはないんだ?
鈴子・省吾) フフフフ…。

省吾) 冗談だって。やっぱないんだ?

鈴子・省吾) アハハハハ!

省吾) 本当ないんだ?

鈴子) しつこいね。

(ドアベル)

美代子) あの~。

鈴子) はい。

美代子) お忙しい時間はもう

     終わりましたでしょうか?

鈴子) あ…。

省吾) 何でしょう?

美代子) 突然すみません。

     あの、私、谷田部と申します。

鈴子) 谷田部さん?

(頷く美代子)

鈴子) 茨城の、奥茨城の谷田部さん?

美代子) はい…あの、わがりますか?

     主人のこど。

鈴子) ええ、もちろんですとも。

    奥様でいらっしゃいますか?

美代子) あ…はい。

省吾) あぁ…。いつぞやは、おいしいおまん

    じゅう頂きまして、うまかったです。

    ありがとうございました。

鈴子) ありがとうございました。

美代子) いえ、そんな…。こちらこそ、あの…。

鈴子) どうされました?

美代子) いえ…すみません。

 

**********

 

鈴子) そうですか。大変でしたね、それは。

省吾) 失踪なんかじゃないですよ。絶対。

美代子) えっ?

鈴子) いやだって、最初にここにいらした時、

    ご家族の話、うれしそうにされてて…。

    ねえ、母さん?

鈴子) そうね。ご家族の話される時、

    幸せそうなお顔されてました。

    うちの料理召し上がって、「食わして

    やりてぇなぁ、みんなに」って。

美代子) そうでしたか…。

省吾) 絶対違いますよ。

美代子) ありがとうございます。

省吾) きっとあれですよ。急なお仕事でどこ

    か動かれて、忙しくて連絡が取れない

    とかそういうことですよ。

鈴子) そうね…。あっ、そうそう…。

(重箱を持って来る鈴子)

鈴子) これ、お預かりしてました。

    今度また寄るから、そん時までって。

美代子) そうでしたか…。

     ありがとうございました。

(重箱を膝に置き、見つめる美代子)

鈴子) お重…。まだ、お預かりしてても

    よろしいですか?

美代子) え…?

鈴子) ご主人、

    いつか取りにいらっしゃるって。
    だから、そん時まで、お預かりして

    てもよろしいですか? ね?

美代子) はい。お願い致します。

鈴子) 承知致しました。

    大切に、お預かりさせて頂きます。

美代子) ありがとうございます。

省吾) あっ、奥さん、

    夕ご飯召し上がりました?

美代子) えっ?

省吾) 何か召し上がりません? うちの料理。

鈴子) そうね。

美代子) あっ、いえ!

省吾) 遠慮なく。

美代子) あの…あの! 

     主人が、いつか、家族みんなで、

     こちらに、伺おうって言ってたので。

     それまでは、私…すみません。

省吾) いや、そんな…。

 

**********

 

(わらをなっている茂)

 

茂) どうした? 眠れねえのか?

みね子) うん。

茂) んだら、手伝え。

みね子) いいの? 私がやっていいの?

茂) 教えてやっから。座れ。

みね子) うん!

 

**********

 

(上野駅の待合所のベンチに

 一人座っている美代子)

 

省吾) あぁ、やっぱりいた。

鈴子) 私の勘が当たったね。

    始発まで駅にいるんじゃないかって。ね?

省吾) 「絶対いるから」って、「今から行く」って

    聞かなくて。この人一度言いだしたらもう

    引かないんですよ。

鈴子) うるさいね、もう! お夜食、食べましょ!

省吾) これ…。店のじゃないから、いいでしょ?

美代子) でも、どうして…?

鈴子) せっかくの、ご縁じゃないですか。

    ああ~! 何だか楽しい!

    おしゃべりしましょ、いろいろと。

省吾) 話長いですよ、この人。

鈴子) しつこいね、もう…この子は、もう!

    どうぞどうぞ、さっ、食べましょ!

    どうぞどうぞ。

 

**********

 

みね子) 早いねえ、じいちゃん。

     器用だねえ。

茂) 何言ってんだ。こんなものは毎日

  やってりゃ、できるようになんだ。

みね子) ハハハ、そうか。私ぶきっちょ

     だがら、細かいこど下手だ。

茂) 確かに。ちょっとな。

(笑い声)

茂) あ~父ちゃん似だな、みね子は。

みね子) そう?

茂) あぁ。

みね子) 開いで…。

茂・みね子) 開いで。

茂) 手のひらで、よる。

みね子) 開いで、よる。

 

**********

 

鈴子) 呉服屋の旦那さんね、東大出なの。

    それで、お店を継がなくちゃいけない

    ことになって。まぁ、商売のことは何も

    分からないし、まして着物のことも分

    からないし。それに、人と話すのが大

    嫌いでね…。

 

**********

 

みね子) ♪丸い地球の水平線に

     何かがきっと待っている

     苦しいこともあるだろさ

     悲しいこともあるだろさ

     だけど僕らはくじけない

     泣くのはいやだ 笑っちゃおう

     進めー

 

**********

 

(家に向かい自転車を漕ぐ

 制服姿のみね子)

 

**********

 

(畑に美代子を見つけるみね子)

(茂と一緒に農作業をしている美代子)

 

みね子) お母ちゃん!

(みね子に向かい走りだす美代子) 

(見つめ合うみね子と美代子)

美代子) お帰り。

みね子) ただいま、お帰り…。

美代子) ただいま。

(涙があふれる目で、

 みね子を見つめる美代子)

美代子) みね子…。

みね子) はい。

**********

蒸発人間…。忘れていたけれど、そういえば昔はよ

く、「蒸発した人」の話を聞いたような気がする。考え

てみれば、蒸発人間って…蒸発って、すごい言葉だ

よね。当時、1万人を超えたという蒸発した人たちは、

その後一体どんな人生を送ったのだろう。液体が気

化するように、本当に消えてしまう訳ではないし…。

 

丁寧に丁寧に、人の気持ちが描かれるドラマの心地

よさ! どうしてそうするのか、そうしたくなるのかが、

ちゃんと分かるように、物語がつながっている。美代

子に声をかけた警官は茨城の出身。役名は、「綿引

正義」。名前の通り、正義感あふれる彼が、同郷の

女性の力になってあげたいと思うのは自然なことだ。

 

自分の店で、生まれて初めての洋食を食べ、おいし

いとうれしそうに言ってくれた客は、妻の手作りのお

まんじゅうを持ってお礼にきてくれた。そんな人の妻

が、夫を捜しに東京に出てきて、店を訪ねてきてくれ

たら…。それは何かしてあげたくなるよ。何か食べさ

せてあげたくても、家族と一緒にくるまではなんて健

気なことを言われたら…。きっと宿に泊まる余裕もな

いだろうし、始発まで駅にいることが想像できただろ

う鈴子さんは、美代子の意志を尊重して、お店のも

のではない夜食を差し入れる。楽しそうに世間話を

しましょうと側に寄り添おうとするやさしさに泣けた。

 

できすぎかもしれない。都合のいい話かもしれない。

でもね、そういうやさしい人が、世の中にいないわけ

じゃない。そして、鈴子さんにはやさしくする理由が

ちゃんとある。物語の都合で動かされる人形ではな

い。私たちが見て来た実さん、美代子さんに会った

鈴子さんなら、そうするって、無理なく思えるから…。

見たいものを、ちゃんと見せてくれる。痒い所に、手

が届く。そうあってほしい、人の気持ちが描かれる。

泣かされるのではなく…泣けるのだ。ごく自然に…。

 

じいちゃんに、父ちゃん似だと言われてうれしそうな

顔をするみね子にキュンとした。いい子だなあって、

素直に思える。不安でいっぱいになりながら、だけ

ど僕らはくじけない~と歌って自分を励ますみね子。

 

最初に、「お帰り」と美代子。「ただいま」、そして「お

帰り」、と返すみね子。「ただいま」と答える美代子。

「お帰り」と言えること。帰ってくる人がいること。「た

だいま」と言えること。待っていてくれる人がそこに

いること。いいね。お帰りと、ただいまが言える世界。

 

♪苦しいこともあるだろさ
 悲しいこともあるだろさ
 だけど僕らはくじけない
 泣くのはいやだ 笑っちゃおう
 進めー


頑張っぺ、みね子!ヒロインを素直に応援できるっ

て、何て幸せなことだろう。ヒロインを愛せるって!

 

 

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