「ひよっこ」第2回~私は少し、東京が嫌いです | 日々のダダ漏れ

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「ひよっこ」 第2回
第1週 「お父ちゃんが帰ってくる!」
私は少し、東京が嫌いです


おはようございます。
さっそくですがちょっと
振り返っておきましょうね。
今日からでも大丈夫ですよ。

ここは、茨城県の北部、
山あいの小さな村、奥茨城村。

みね子の家は、
農業を営む5人暮らし。

お父さんは出稼ぎで、
東京の建設現場で働いています。


男性) べっぴんさんだな~。
実) 長女のみね子です。今、高校3年生
 なんですけど。この時高校入学の時に
 写真館行って撮って、みんなかたくな
 っちゃって。

(笑い声)
実) これが、次女のちよ子で、
 こっちが長男の進です。
 こっちが、嫁で。


**********

みね子) まだがね~時子。
三男) さぁな。


高校3年生は、就職相談の真っ最中。
将来を決める大事な季節です。


みね子) 決まったんかな、就職先。
三男) さぁな。
みね子) 何? さぁな、さぁなって。
三男) そんなこど俺に聞かれでも

  わがんね。
みね子) 何怒ってんの?
三男) 別に怒ってねえ。
みね子) 東京行ぐんだねえ、時子。
三男) さぁな。
みね子) あんたはいいね、そうなったら。
   一緒に東京で。いがったねえ。
三男) 何言ってんだ、おめえ。
  俺は別に行きたくて行ぐわげじゃねえ。
  農家の三男坊は、生まれた時からいつ
  かは、うち出て働くこどに決まってんだ。
みね子) お米屋さんだよね。
   日本橋とかいうとごの。
三男) みね子、おめえはよ、東京さ行き

  てえとか、うち出てえと、思ったこど

  ねえのが?
みね子) ねえよ。ねえ。

   私、畑仕事大好きだし。農業を頑張ろ

   うと思ってるわけよ。うちのことも好

   きだし。まあそりゃ、東京どんなかち

   らっとはのぞいてはみてえけどさ。

   働きてえとか、暮らしてえとか、全然

   思わねえよ。奥茨城好きだし。
三男) へぇ。
みね子) ごめん…。
三男) 何で謝んだ?
みね子) さぁな。
三男) 何だこの…。
みね子) でもね、本当は私も中学出た時

   に、ほら、武雄とがと一緒にさ、集団

   就職で東京さ働きに行った方がいい

   んじゃねえかなって、お父ちゃんお母

   ちゃんに。そしたら、お父ちゃん出稼

   ぎ少なぐしたりして、畑やれっかなっ

   て思って。んでも、「心配すんな、高

   校は行っとけ」って。「楽しいぞ」っ

   て、お父ちゃん言ってくれたんだ。
三男) へぇ。んだったのか。
みね子) うん。大して頭もよぐないの

   にさ。ありがたいことだよ、本当に。
三男) その割には勉強してねえな。
みね子) お父ちゃんは高校は楽しいぞ

   って言ってくれたんだよ。勉強しろ

   とはとぐに言ってなかったよ。
三男) 何だよそれ、おめえ。

(笑い声)

**********

君子) どうもどうも! 

  お邪魔するよぉ!
美代子) 君子! どうしたの?
君子) 手伝いに来たんだ。
  うちは男手あっかんね。
  いいんだよ、ほっといても。
美代子) ありがとう。
茂) 手伝いに来たんだが、
 しゃべりに来たんだが。
君子) どっちもだ。じいちゃん!
  カボチャこさえてきたから、
  切りのいい時やって。
茂) おう、悪いな。
美代子) ありがとう。
君子) いいのよ。

  しゃべりに来たんだから。
茂) ほれみろ、やっぱしだ。
美代子) 時子ちゃん。
君子) ん?
美代子) 仕事決まったのけ?
君子) まだ。どうだかね? 

  決まんのかね。
美代子) 反対なの? あんたは。
君子) う~ん、わがんねえ。

  まあ、気持ちは、わかっけどさ。

  東京さ行って、女優になりてえ

  っていう? ほら、私も女学生の頃
  はこの辺りじゃ、一二を争う美人

  だったわげだしね。
美代子) いや、一二だよ。
君子) 何言ってんの? 一二。
美代子) 一二だ。
君子) 一二。

(一位を競う二人)
茂) うめえ。
君子) だっぺ~! いがった。でもよ、

  子供が東京に行ぐのがいいのが、

  亭主が東京に行ぐのがいいのが。

  何で東京に行かなくちゃいげねえ

  んだか。
美代子) だね。


**********

時子) 失礼します。
  ありがとうございました。
田神) ああ。頑張れよ、時子。
時子) はい。お待たせ。
みね子) どうだった? 時子。
時子) うん。決まったよ。

  何か、トランジスタラジオ

  つくってる工場だって。
みね子) へえ。いがったねえ。
時子) 工場の敷地の中に寮も

  あるし、工場が女ばっかしらしい。
  いい仕事だって先生言ってた。
みね子) そう。おめでとう!
三男) 帰りながら話さねえど
  バス乗り遅れっと。
みね子) んだな。


**********

(バスに乗っている3人)

お父さん、
東京はどんな所ですか?


**********

三男) 時子! う~ん!
  おめでとう! とう!

(おどけたポーズを決める三男)
時子) ありがとう!
三男) じゃあな!


私は少し、東京が嫌いです…。
私の好きな人は、
みんな東京に行ってしまう…。
何でみんな、ずっと奥茨城にいては、
いけないのでしょうか?


**********

時子) 仕事…決まった。
君子) あ…そうけ。
正二) お~お帰り。ど…どうした?


**********

きよ) どごで油売ってんだ、
  こんな時間まで!
征雄)さっさと手伝え。
三男) わがってるよ。
太郎) 何やってんだ、おめえ! 

  東京さ行ぐと思ってたるんで

  んじゃねえのが? あ?
三男) そんなこどねえよ。
太郎) 何だ兄貴に向がって
  その口の利き方は! 何だ!


**********

高校3年生たち。
みんなそれぞれ悩み多き青春ですね。


**********

みね子) ただいま! 遅くなりました。
テレビ) 港区赤坂にある、ビルの建設現場

  で、1階の天井が突然崩れ落ち、作業

  員の男性5人が下敷きになり、死亡し

  ました。
美代子) お父さん、これって…。
テレビ) 建設会社によりますと、事故現場

  で働いていたのは、主に、東北や、北

  関東からの、出稼ぎ労働者だと…。
美代子) 亡くなったの出稼ぎの人だって。
茂) どんだけいると思ってんだ、出稼ぎが。
 考えてもしゃんめえ。こんなもんがあっか
 ら、知んなくていいこどまで。

(テレビのスイッチを切る茂)
美代子) ごめんね。おなかすいたよね。
   遅くなっちゃったね。ごはん作るね。
みね子) お母ちゃん。
美代子) ん?
みね子) 電話借りに。電話借りに行こう。
美代子) え~?
   でも、こんなこどでいちいち…。
みね子) 行こうって!
   じいちゃん、ちょっと行ってくる。


**********

(懐中電灯を手に、道を行くみね子)
みね子) お母ちゃん! お母ちゃん、早ぐ!
美代子) 待って! 待って、みね子!


**********

(戸をたたく音)
美代子) はつえさん。
(戸をたたく音)

**********

交換台) はい、交換台です。
電・美代子) すいません。
     あの、赤坂局、5782番、
     特急で、お願いします。
交換台) 電話を切ってお待ち下さい。
電・美代子) はい。


この頃、奥茨城から東京への電話は、
30分待つのは当たり前。
電話が混み合うと、1時間以上
待たされることもありました。


**********

電・美代子) もしもし。
電・実) どうした?
電・美代子) ああ…。
電・実) どうした? 美代子か? ん?
電・美代子) はい…あの…。
    ごめんなさい、ごめんなさい…。
    電話なんかしてしまって…。
電・実) 構わねえけども…
   どうした? 泣いてんのか?
電・美代子) いがった…いがった…。
電・実) アハハ!
電・美代子) 実さん、ちょっと待って。
     ちょっと待って! みね子。
電・実) もしもし?
電・みね子) もしもし。みね子だよ…。
電・実) お~みね子か。
電・みね子) お父ちゃん…。
電・実) うん。
電・みね子) お父ちゃん!
電・実) どうした? こっちは心配ねえがら。
電・みね子) うん…。
電・実) おめえまで泣ぐこどねえよ。
   稲刈りには必ず帰っから。
   それまでしっかりやんだぞ。
   わがったか? ん?
電・みね子) わがった…。
電・実) うん。
電・みね子) わがったよ。


**********

美代子) 安心したらおなかすいたね。
みね子) ほんとだよ。ぺこぺこ、もう~。
美代子) ぺこぺこか。あっ、お父さん!
みね子) じいちゃん!
美代子) お騒がせして、すみませんでした。
   実さん、大丈夫でした。
   電話でちゃんと、話せました。
茂) んだから言ったっぺ、この。
美代子) すいません。
ちよ子) えっ?
   電話で、父ちゃんとしゃべったの?
みね子) うん。お姉ちゃんもね。
ちよ子) ずれえ!
進) ずれえ!
みね子) ずるぐねえ。ずりぃか。
ちよ子) ずりぃ。


**********

(畑を耕しているみね子)
(バイクの音)
宗男) みね子~! フォ~! フォ~!
  みね子~!


この人は、宗男さんといって、
みね子のお父ちゃんの弟、
叔父さんですね。
何だかおかしな人ですね。
「朝ドラ」には変なおじさんが
よく出てきますよね。
何ででしょうね。


**********

このドラマのナレーションの役割というか、立ち
位置は、フレンドリーでフレキシブル。視聴者と
一緒にツッコミを入れたり入れなかったり、なに
かと楽しくも、斬新なナレーションとなっている。
「変なおじさん」キャラの登場にさっそくツッコミ
を入れてくるあたり、今後もかなり期待できそう。

みね子と時子、そして三男の幼なじみ感。同じく、
その母親同士、美代子と君子の関係がさりげな
く感じられた回。みね子の、「大好きな人たち」の
人となりが、無理なく紹介されていく感じがいい。

そして何より、ある意味昭和の時代を象徴する、
電話事情が懐かしいというか…。二話目にして、
少し泣いてしまった。そう。昔は、携帯もないし、
メールも、SNSもない。電話があっても、気軽に
かけたりかけられたりするツールではなかった。

遠く離れていても、安否確認する方法は、手紙
だったり、時々の電話ぐらいしかなかった。でも、
簡単じゃなかったからこそ、今よりずっと、人を
思う時間はあったかもしれない。交換台からつ
ないでもらうまでの時間、30分、1時間を、当た
り前として、辛抱強く待てたし、それだけ待たさ
れても、電報より、声が聴ける事にどれだけ感
謝し、安堵したことか。みね子と美代子が泣い
てしまう気持ちが、分かり過ぎて、切なくなった。

ああ…そうだった。たくさんの、不安な時間が、
待つ時間が…あったっけ。ちゃんと会えるとい
うことは、互いに約束を守らなければいけない。
昔のドラマにはたくさんのすれ違いがあったし、
連絡ができないもどかしさ、切なさが山のよう
にあった。大好きな人に会える喜び、その声が
聴ける喜びを、今よりずっと感じていたかも…。

生まれた土地を愛し、そこにいる人たちを大切
に思うヒロインが、すでに大好きになっている。
よかったぁ…。1年ぶりに、朝ドラが帰ってきた。
やっと、一緒に泣いたり笑ったりする毎日が…。


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