「あさが来た」第68回~皮肉な巡り合わせ。サトシは新次郎の幼なじみと判明 | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第68回
第12週 「大阪一のおとうさま
皮肉な巡り合わせ。サトシは新次郎の幼なじみと判明


亀助) 実は、納屋頭のサトシが、 
    炭坑から逃げてしもたんだす。
あさ) え? サトシさんが?
亀助) へぇ。
    雁助さんが、炭坑に着きはった日ぃに…。


(回想)
サトシ) きさん、誰な?
雁助) あんた、松造やな。


亀助) そのあと、2人で何べんも話し込んではって。
    それから何日かしたら、姿が見えへんようにな
    ったんだす。荷物も全部のうなってしもてて。
榮三郎) 納屋頭がおらへんようになってしもたら、
     えらい事だすな。
亀助) へぇ。
あさ) 何でだす? 何でサトシさん…。


**********

亀助) ほんまの事申しますと、
    炭坑の後始末の方は、だいぶ手間取ってます。
あさ) え?
亀助) 爆発した坑道は、岩盤が、もろなってしもてる
    さかい、そこを片付けながら、新しい坑道作る
    いうのは、下手したら、またすぐに落盤事故に
    なってしまいますし…。
あさ) せやなぁ。
    よっぽど気ぃ付けて作業せなあかんな。
亀助) へぇ。雁助さんが毎日、親分や、納屋頭と
    坑道入って、一つ一つ、厳しい取り締まって
    はりますけど。それでも、炭坑をもういっぺん
    やり直すには、かなり月日がかかる事になる
    思います。
榮三郎) 費用の方はどうや?
     雁助、どない言うてました?
亀助) それが、お金も、
    思てた以上にかさみそうで…。
榮三郎) そうか…。事故の後始末がついたら、
     あの炭坑はもう売りまひょ。
あさ) え? 炭坑を、売るて!?
榮三郎) それしかありまへんやろ。元戻すまで手ぇ
     かけてたら、今店にある蓄え全部切り崩した
     かて足りまへん! ここで手放すのが、一番
     や思います。
あさ) そやけど、今まであの炭坑のおかげで…。
榮三郎) 炭坑のおかげで、一時店が潤うてたんは
     確かだす。そやけど、雁助が言うてたとおり、
     両替商が畑違いの炭坑を営むやなんて、
     所詮無理な話やったんだす! そやからこな
     いな事になったんやありまへんか?
あさ) いいや…。うちは嫌だす。うちは櫛田様に、
    あの山を宝の山にする言うて約束して買うた
    んだす。それに石炭売ってお金ためへん限り、
    加野屋は銀行にかてなられしまへん。銀行に
    なられへんかったら、時代に取り残され…。
榮三郎) お姉さん!
     もう銀行どころやおまへんのや。
     加野屋は、一から出直しだす。
亀助) 若旦さん。

**********

あさ) 何でだす? 何でこないな事に…。

(回想)
友厚) ひょっとしたら、これはただの事故やのうて、
    誰かが作為的に計画した事なんかも分かり
    ませんな。

**********

そして、翌日から、
九州の炭坑に行った、
大番頭の雁助の代わりに、
番頭台には、亀助が座るようになりました。


亀助) 太政官札に、政府紙幣、政府金属貨幣に
    国立銀行券て…。どんだけお金が変わった
    ら落ち着くんやろか…。
榮三郎) 政府もどないしてええのか分からへんのだ
     すやろな。今の戦でも、えらい国のお金使て
     しもてるいうしなぁ。
あさ) はぁ…戦なんかにお金使て、
    ほんまもったいない事だす。
    ちょっと分けて欲しいぐらいだすわ!
亀助) ほんまだすなぁ。政府にも困ったもんだすわ。
    …というか、困ったのは、あのお二人や。店の
    中で、あない険悪な様子になってしもて…。
うめ) ほんまだすなぁ。あないなぶうたれた顔して。
    おあさ様があないな顔してる時は、ほんまに、
    折れはらへんのだす。
弥七) ほんまけったいな顔や。
    …で、今の戦って、何だす?
亀助) こら弥七! この店の手代やらしてもろてるく
    せにお前、そないな事も知らんのかいな!?
    今の戦いうたら、薩摩の西郷隆盛はんが、
    今の政府倒そとしてる戦いやがな!
弥七) ああ~あれだすか。
亀助) あれだすかやあれへんで! 本当にもう…。
あさ) そないな事いうたら、
    五代様も薩摩のお人だしたなぁ。

(鍋をたたく音)
亀助) 何や? 何や?
クマ) お昼~お昼だっせ!
亀助) ダッ、うるさいな! クマ!
    お前、店入ってきて、何してますのや?
クマ) 何て、今日は土曜日だす。お昼どきだっせ。
亀助) お昼?
クマ) 番頭さんは、ずっと炭坑に行ってはったさかい。
    土曜日や日曜日に店いてはるのは、
    久々だっただすなぁ。
亀助) そうだす。
    今日は、えらい、客も少ないみたいで…。
うめ) 去年官庁が日曜日は休み、土曜日は半休て、
    決めましたやろ。それからそないな店が、もう
    だいぶ増えてきたさかい、この加野屋もちょっ
    とまねしてやってはるんだす。
亀助) 日曜が休み!?
    はぁ…ちょっと前に暦が変わった思たら、
    いつの間にそないけったいな事に…。
弥七) (せきばらい) 番頭さん。
    そない立派な番頭台座ってはるくせに、
    そないな事も知りはれへんのだっか? プッ。
    (笑い声)
亀助) 何やと、こら! 弥七! ちょっ、こら!
    ちょちょ…待て、弥七!
    ちょっ、待たんか、こら! あ~あ~。
あさ) それにしても、ぎょうさんの書き出しや…。
    ん? どないしましたんや? ふゆ。
ふゆ) へぇ。それが、表に見た事のない男の人が
    いてて。じっとこっちを見てはるんだす。何や
    にらみつけてるみたいに。
あさ) へ?
亀助) へ!?

**********

うめ) ん? 誰もいてまへんけどなぁ。
ふゆ) すんまへん。
    うちの、心配し過ぎやったんやろか。
あさ) どないな男だした? 背の高さは?
うめ) 年の頃は? 格好は?
    何かこう、目立ったところあれへんかったか?
    何か姿格好とか、着物とか。
ふゆ) え~っと、ん~取り立てて目立つとこは…。
あさ) へ? 亀助さん!?

(駆けだしていく亀助)

**********

あさ) 待っとくなはれ、亀助さん。
うめ) はぁ~そうだす。
    こないな大きい道出てきてしもたら、
    もう誰がその男か分からしまへん。
亀助) へぇ。そやけど、気になるなぁ…。
あさ) 確かに。


**********

よの) おつむてんてん。
    ほら…いないいない、ばあ!
千代) (笑い声)
かの) 笑た、笑た。お~千代様。フフフ。


**********

それから、数日後の事。

うめ) へ? 九州の雁助さんから手紙だすか?
亀助) へぇ。大旦さんと、新次郎さん宛てに届いて
    ます。はれ? 新次郎さん、またどこ行きはっ
    たんやろか?

**********

手紙・雁助) 「大旦那様。大旦さんの言うてはったと
       おり、サトシという男は、あの松造だした。
       坑夫たちからも聞き出したところ、松造は、
       初めから、加野屋がこの炭坑を買うたこと
       を快う思てへんかったみたいで。
       坑道に爆薬を仕掛けたのも、松造の組の
       手下だった事が分かりました。松造を取り
       逃がした事、非情に無念であり、今すぐ山
       をかき分けてひっ捕まえてやりたいところ
       ではございますが、肝心の炭坑の復興に
       思いの外手間がかかり、身の空く時もない
       ため、この事は、ひとまず警察に任せてお
       こうと思います」。


**********

雁助) ほな、そういう事で、
    今日もよろしゅう頼んます。
    くれぐれも怪我のないように。
一同) へい!
宮部) うん。大番頭さんの言うとおり、
    くれぐれも、怪我のないように。
福太郎) 今日もバリバリ働くばい。


**********

手紙・雁助) 「また、この事故で一番痛い思いをした
       はずの親分さんからは、『どうか許してや
       って下さい。サトシは決して根は悪い男で
       はない』と何べんも言われています」。

**********

治郎作) こら! そ~っとせんか、そ~っと!
     くらすぞ、きさん!
カズ) またそげん口の悪い事言うてから!
福太郎) しゃあしいのも元気な証拠たい!


**********

手紙・雁助) 「こちらでまとめた修復にかかる費用と、
       工程の見積もりと、予定表を同封致します
       ので、若奥さんにお渡ししといとくなはれ。
       また…親分のおかみさんから、若奥さんに
       ややこを連れて炭坑に来るように伝えてほ
       しいとの事。わても、まだこっちの水は合い
       まへんが、どうにか店のお役に立つため、
       性根を入れて、頑張る所存です」。


**********

宮部) あ!
    大番頭さんのお茶、うんと濃くてよかけん。
    うんと濃くて苦くて飲めんくらいのこつ。
カズ) へぇ。

(おにぎりを食べる雁助)
雁助) おいしぃなあ、これ。

**********

手紙・雁助) 「それでは、遠く北九州の地より。
       加野屋の繁栄を
       心からお祈りしております。雁助」。

榮三郎) 何や雁助、案外なじんでるみたいだすなぁ。
あさ) ほんまだすなぁ。それにしても…。
    さすが雁助さんだす。えらいきっちりまとめてく
    れはって。炭坑の事なんか何一つ分かれへん   
    て言うてはったのに。…旦那様?
正吉) まさかと思うたけど…
    お前の言うてるとおりやったなぁ。
新次郎) へぇ…。
正吉) あの松造とこんなふうに出会うやなんてなぁ…。
    皮肉な巡り合わせや。
榮三郎) 松造? 松造て誰だす?


**********

新次郎) 今まで、何も言わんと悪かったな。
     松造いうのは、わての、幼なじみだす。
     前にいっぺん、話した事ありましたやろ?
あさ) へぇ。
新次郎) あの松造がまさか、今九州にいてて、炭坑
     で働いてるやて、思いもせぇへんかった。
     わてな、小ちゃい頃、同い年の幼なじみが
     いてましたんや。うちの店で働いてた大番頭
     の息子でな。わてとそいつが10の頃、そのお
     父ちゃんがのれん分けで。その幼なじみとお
     母ちゃんは、さんざん惨めな思いしたあげく、
     町出てってしもた。あの時、松造はわてに言
     うたんや。「人殺し」、てな。
あさ) え…?
新次郎) あんだけ、仲よかったのにな…。


**********

太政官札、政府紙幣、政府金属貨幣に国立銀行券と
明治のお金はコロコロ変わり、いまだ定まらずな様子。
そしてまた戦が…いわゆる「西南戦争」が起きている
らしい。九州にいた亀助には、西南戦争の話は大阪
よりずっと身近に伝わってきていただろうけど、大阪
の人たちにはあまりピンとこない戦争だったのかもw
庶民レベルでは、弥七のような反応が普通というか、
遠い戦争より、「日曜日は休み、土曜日は半休」とな
った事の方が実際の生活への影響が大きいだろうし。
髪型も服装も、生活様式もどんどん変わっていく明治
って本当に面白い時代なんだなって改めて思います。
面白い時代には面白い人物が出てくるんだなあって。

短いシーンながら、雁助の字を見つめる、うめの女心
に激萌え! うん。大人の恋だぁ。いいよ、友近。いい。
忍ぶれど色に出にけりわが恋は…って、にぶちんの
あさが気付くよう、燃え上がってしまえばいいのに~。

やり手の雁助さんからの手紙により、サトシ=松造と
判明。しかも、炭坑の事故の犯人も突き止めた模様。
こわもての顔と声で、炭坑夫を脅したのかしら~フフ。
もしかして、こっそり「新田くん(by 民王)」キャラが乗
り移って、コスプレ捜査をしたのかしら~(妄想です)。

サトシ=松造と聞いてから、ずっと青ざめた顔の新次
郎がようやくあさに語り出し…。サトシ、いや松造から
言われたという衝撃的な言葉…「人殺し」。いやいや、
殺してないし~。間接的にって意味だとしても言い過
ぎだし~。よっぽどひどい目に遭ったんだね…サトシ。
でも、新次郎のトラウマとなったのは、まさにこの言葉
「人殺し」と言われたことなんだろうなあって事は分か
った。仲の良かった幼なじみにそんな事を言われたら、
あの優しい新次郎にはどれだけショック、堪えた事か。
でもやっぱりそれ逆恨みだから。サトシ、出てこいや!


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