「あさが来た」第32回~柔らかい力こそが、絶対に欠かせん事だすのや | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「あさが来た」 第32回
第6週 「妻の決心、夫の決意」
柔らかい力こそが、絶対に欠かせん事だすのや


忠興) またお前のことやから、いらん口出しして、
    お家の皆さんを困らせてるんと違うか?
あさ) へぇ…。


あさの父、忠興は、
新政府に尽くした功績を買われ、
今や、日本経済の中心を担う、
実業家となっておりました。


正吉) ああ、どうも。いや~いやいやいや、
    お忙しい中、よう来てくれはりましたな。
    …で、こちらには、お仕事で?
忠興) いや、まあ、商用もあったんですが、じきに、
    東京に本居を移してしもたら、なかなか気軽
    にお目にかかる事もでけへん思て、寄せて
    頂きました。
よの) それはわざわざおおきに。
忠興) もうええ。
    …で、お前は近頃はどないしてるんや?
あさ) あっ、うちだすか? うちは、石炭採る山買う
    ために、九州へ行きたい思てますのや。
忠興) はぁ? 九州!?
あさ) 炭鉱いうて、石炭を掘り出す商いがあるんや
    そうだす。せや。お父はんから見て、石炭て
    どない思いはります?
忠興) なぁ、あさ。
あさ) へぇ。
忠興) お前が九州へ行ってしもたら、
    誰が新次郎さんのお世話をするんや?
あさ) ああ…それは…。
忠興) 旦那さんのお世話もせんと余計な事ばっ
    かり考えて、相変わらずのこのアホ娘が!
あさ) キャッ! 堪忍!
忠興) 待ちなはれ! おいどを出せ、おいどを!
よの) おいど!?
忠興) こら、あさ! 反省せい!

(叩く音と悲鳴)
新次郎) 痛い!
忠興) 反省せい、お前は!
新次郎) そんな叩いたら痛いがな。

**********

あさ) あ~イタタタタ。
うめ) そやけど、懐かしいお姿でしたなぁ。
あさ) あないに叩く事あれへんのに!
    うちもう大人やで。
新次郎) あさちゃん。おいどは、ご無事だすか?
うめ) (笑) あ~ら、行ってしまいはった。

(笑い声)

**********

忠興) あんな娘で、ほんまに、申し訳ございません。
正吉) なんのなんの。いやいや、私なぁ、あささん
    がここへ嫁に来てくれてほんまによかったと、
    思てますのやで。
忠興) ほんまですか? まさか…。
正吉) いやいや。今井さんとよう似て、
    えらい度胸と、商才のあるお嬢さんだっせ。
忠興) ほう…。
正吉) 今の時代の流れというものはもう、両替商な
    んて、そんな商い自体がもう成り行かんように
    なってきてますのや。そんな中で、この店を変
    えようとしてくれてはるのが、あささんだす。
    ハッハッハ。
忠興) あさが?
正吉) はいはい。いや私もなぁ…今井さんほどの
    年の頃やったらもうちょっと柔軟やったんだ
    すけどなぁ。年取ってしもたらもう頭が固う
    なってしもて。もう、さっぱりだすわ。ええ。 
    その上この、跡継ぎの榮三郎はまだ幼い。
    後見人の新次郎はええ年して…何やこう、
    しっかり育ってますなぁという、訳にもいかん
    ようなありさまでございましてなぁ。私の若い
    時とよう何か似とるような気がしますんやけ
    ど…。いや、その、新次郎でさえもがだっせ、
    何かあささんのおかげで少~しずつ変わっ
    てきてるような、そんな気がしますのや。
    あの、あささんのね、どんなことがあっても、
    「うわ! びっくりぽんや」言うて、ほうと受け
    止めはる。あの柔らかい力こそがこの今の、
    加野屋にはもう、絶対に欠かせん事だすの
    やなぁ。ハハハハ。
忠興) 皆が、加野屋はんのように思てくれてる訳
    ではございません。ほんま、おおきに!
正吉) いやいやいや…。
忠興) ええ所に、嫁がせて頂きました。
正吉) そんな…何をおっしゃいます。こっちこそ、
    ええお嬢さんを頂いて、おおきに!

**********

はつ) よいしょ。あっ…!
栄達) 気ぃ付けてや。
はつ) へぇ、すんまへん。
    足手まといになってしもて。
栄達) 足手まといやなんて…。あんたにはなぁ、
    末の望みが、懸かってますのやで。あんた
    のおかげで、今の生活にも張りが出来まし
    たんや。どないな時であれ、そのおなかの
    中の子は、大事な山王寺屋の跡取り。
    私が、ちゃんと育てますよってな。
はつ) おおきに。お父様。
栄達) ああ。それからな、これからは、
    お父ちゃんでええわ。
はつ) お父ちゃん…?
栄達) うん。おふゆさんもなぁ、旦那様やのうて、
    お父ちゃんでええな?
ふゆ) へぇ。ほな、そうさしてもらいます。
栄達) おう。
はつ) おおきに。お父ちゃん。

**********

うめ) おはつ様、生き生きしてられますなぁ。
あさ) ほんまに、会うていかはれへんのだすか?
忠興) ああ。

(忠興たちの姿に気づく栄達)
栄達) ああ…。
(頭を下げる忠興)
(頭を下げる栄達)

**********

あさ) うちとお姉ちゃん、おんなじように大阪に嫁い
    できたのに。まるで生き方が違てしもたなぁ思
    て。山王寺屋のお母様に言われたんだす。お
    家潰れたのが、自分やのうて、お姉ちゃんで
    よかった思てんのやろて。せやけど…何が幸
    せかなんて、分かれへん。
忠興) 何や、大人びた事言うて。
あさ) これでももうちょっとは大人だす。
うめ) (笑)
あさ) もう、うめ! 笑わんといて。
忠興) 炭鉱は、日本の国力を増す、意義のある
    事業や。京都でも、鉄道会社設立の動きが
    ある。これからの、石炭産業の発展は間違
    いないやろう。
あさ) やっぱり。
忠興) けど難しいなぁ。炭坑には、手に負えん
    荒くれ者も多いらしい。よっぽどしっかり
    した男が、棟りょうにならん事には…。
あさ) うちにでけしまへんやろか?
    その棟りょういうの。
うめ) おあさ様! 旦那様は、「しっかりした男」と
   言わはりましたんだっせ。
あさ) あ…堪忍。
忠興) 誰が考えても、女には無理や思うやろ。
    いっぺん立ちどまって、ほんまにできるか
    よう考えてみぃ。それでもできる思うんや
    ったら、助けはせんが、勝手に頑張れ。
あさ) え?
忠興) お前にとって、お家を守るいうんは、
    そういう事なんやろ。
あさ) おおきに。お父はん。

忠興の言葉は、あさにとって何よりの、
応援の言葉となりました。

**********

そのころ、東京では…

大久保) 大阪にある、面白かもんちゅとは、
     おなごじゃっどがな?
才助) さようでごわす! …と言えば、
    かっこよかとこじゃっどん、
    まあ、そいだけではごわはん。
大久保) では、達者でな。
     官と民、立場は変わっても、おいは、
     おはんがする事を、ず~っと見続けちょで。

**********

1870年(明治3年)

そして、年も明けて、
両替屋が時代に取り残される商いとなる中、
今日も、あさはお家のため、
炭坑へ行く事を考えていました。


あさ) ああ…何と言うても、先立つもんはお金やなぁ。
    あ~お金お金お金…お金お金…。


**********

亀助) 今日もまた、お金の心配してはりますなぁ。
よの) 何と色気のない事。


**********

うめ) 何見てはるんだすか?
あさ) うちが持ってきた、婚礼道具の目録や。
    え~たんすが21さお、長持ちが7つに、
    唐柩、厨子棚、琴…みんな売ったら、
    なんぼくらいになるやろか?
うめ) はい?
あさ) これ売ったお金と持参金、いつか、炭坑を
    買ういうことになったら、すぐ払えるように
    用意しておきますのや。
うめ) 何を言うてはりますのや! これらはみんな、
    今井の旦那様と奥様が、長い年月かけて、
    お支度してくれはったものだすがな!
    普通の娘さんやったら、一生にいっぺん買う
    てもらえるかどうかっていう品物やのに。
    もったいない!
あさ) お父はん、お母はん…。堪忍! よっしゃ。
うめ) 聞いてましたんか?

**********

新次郎) 何であっこまでできんねやろなぁ…。
美和) 珍し事。今夜はもう二人っきりだす。
新次郎) ん? ああ、ほんまやなぁ。
美和) どないだす? もうお酒はこれくらいにして…。
    まあ、冷たいお手やこと。


**********

あの、あささんのね、どんなことがあっても、
「うわ! びっくりぽんや」言うて、ほうと受け
止めはる。あの柔らかい力こそがこの今の、
加野屋にはもう、絶対に欠かせん事だすの
やなぁ。ハハハハ。

うんうん。あさの「びっくりぽん」にある、やらかい力。
正吉さんがうまいこと説明してくれました。ホント、親
切設計な脚本だと思うよ。結構、さりげなく説明する
セリフが忍ばせてあって、見る側の理解を手助けし
てくれていると思う。基本、余計なストレスを感じさせ
ないドラマ作りが、朝ドラには不可欠だと思うこの頃。
ネタばらしのさじ加減が、「あさが来た」は絶妙(*^^)v

正吉パパも、忠興パパも、栄達パパも、ええ人だ~。
あさもはつも愛されてるね。見守ってくれる人がいる。
最近姿が見えなくて心配だったふゆちゃんの姿も確
認できてよかった。ふゆにも「お父ちゃん」と呼ぶよう
にいう栄達さん。孫ができることで心に張りができた
栄達さんは、天王寺屋の、家族みんなのお父ちゃん
になる覚悟、生きる力が出てきたようです。はつの、
やらかい中にも強さが見える笑顔がいい。天王寺屋
には、はつといい、ふゆといい、野に咲く可憐な花の
ような娘さんが二人も。いや~ホント、癒やされます。
可愛い女衆、綺麗な女衆、カッコイイ男衆、面白い男
衆、いろいろな萌えがあってこそ、朝ドラは楽しくなる。

父、忠興のぶっきらぼうな応援にやる気満々なあさ。
そして、色っぽいお師匠さんと2人きりの夜。新次郎
の指先がエロすぎてヤバイ…w さあ、ドキドキハラハ
ラの種がまかれたその先に待ってる展開に期待大!


「あさが来た」関連ブログはこちらから↓
「あさが来た」関連ブログリスト

●「あさが来た」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


連続テレビ小説 あさが来た Part1 (NHKドラマ・ガイド)/NHK出版
¥1,188
Amazon.co.jp

NHK連続テレビ小説 あさが来た 上/NHK出版
¥1,404
Amazon.co.jp

広岡浅子 明治日本を切り開いた女性実業家 (星海社新書)/講談社
¥929
Amazon.co.jp

文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)/潮出版社
¥734
Amazon.co.jp