「あさが来た」第23回~「わろてね」・・・はつが井戸の底から見たものは | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第23回
第4週 「若奥さんの底力」
「わろてね」・・・はつが井戸の底から見たものは


あさ) 皆さん、うちは、この家の嫁の、あさと申します。
    当主の正吉は、具合悪うて、ふせっております。
男性) 寝てるやと? 商人は皆ずるいわ。
    自分に都合が悪なったら、
    うまい事言うて、逃げようとするからな!

(ざわめき)
あさ) うそはついておりまへん!
    そない疑いはんのやったら、奥へ行って、寝て
    るとこ見てきておくれやす! うちは両替屋。お
    金、やり取りする商いだす。お金いう大事なも
    ん扱うのに、お互いに信用せなんだら、どない
    なります? ちょっと、落ち着いとくれやす。それ
    に、加野屋は大坂でも一番といわれる両替屋。
    そないうそつき呼ばわりされたら、
    立つ瀬がございまへん!
男性) 女やと思て手加減すな!
男性) そや!
男性) そや!
女性) あんたも女やったら、ちょっとは考えてくれた 
    らどうなんや? こんななぁ、ただの紙切れかも
    分からへん手形つかまされて、年寄りやなぁ、
    子供にも食べさすもん、もうのうなってしもたん
    やで! あんた、一体、どないしてくれんのや?
あさ) そら、難儀な事だすなぁ。
    まだ、子供さんも小さいみたいやし。
男性) 若奥さん、あんたでええから、
    お金に引き換えてくれ!

(ざわめき)

**********

新次郎) ん? 何の用意してますのや?
あさ) へぇ。うち、お父様のお許しが出るんやったら、
    ほんまは、できるだけ引き換えたげなあかん、
    思うんだす。
雁助) へ? 今、引き換えたげる言わはりましたか?
新次郎) はぁ?
雁助) アホな。そんな事したら…。
正吉) あさちゃんの言うとおりにせえ!
    新政府もまあ、銀を使えんようにするやなんて、
    えらい事をしてくれはりましたわ! 困ったはる
    人には、さあ、換えたげなはれ。
雁助) 旦さん、それは困ります。新政府に有り金
    全部用意して、今蔵にあるのは最後の金銀
    だす。あれに手ぇつけたらもうどないもなりま
    へん。
正吉) かまへん! 出しなはれ!
    あさちゃん、これでよろしいのやな?
    わしが許す。新次郎。蔵開け! 早、開け!
新次郎) へぇへぇ。

**********

男性) 引き換えてもらわれへんかったら商い回りま
    へんねん。うちには病人もおって。どないして
    もお金が要るんだす。
あさ) 分かりました。お出ししまひょ。
女性) うちは、ちっちゃい商いだすけど、お給金も
    払てあげなあかんし、お願いします。
あさ) 分かりました。お出ししまひょ。


あさは、丁寧に一人一人の話を聞き、
結局、ほとんどのお客さんに、
金銀を払い戻してしまいました。

**********

あさ) 申し訳ござりまへん。
    うちのせいだす!
新次郎) まあまあ、このご時世で、
     みんな困ってはったさかいな。
よの) 何をひと事みたいに言うてはりますのや。商
    いの為の、お金がのうなってしもたゆうのやで。
正吉) まあ、借金をするというてもやなぁ…。うん…。
    一つだけ、貸してくれそうなところが
    あるんやけれども…。
あさ) 貸してくれそうなとこがあるんだすか!?
正吉) ああ、あの…。いや、昔な、私が、お金を都合
    してあげた、奈良の玉利さんちゅうお人なんや。
    寺の修繕やとか、まあ神社の修繕もなぁ、一手
    に引き受けて、一代で財を成さはったお人なん
    やけれども…。
あさ) ほんならちょっと、調べてみます!
正吉) ええ?
よの) へ? 今度は奈良行くつもりかいな?
    ちょっと…ちょっと待って!
    ちょっとあささん! 待ちなはれ!
正吉) なぁ、新次郎。
新次郎) へぇ。
正吉) 私なぁ、
    お前に礼を言わんならん事があるんや。
新次郎) はぁ? お父ちゃんがわてに礼て、
     そら珍しこっちゃなぁ。
正吉) そや、礼や。山王寺屋はんにもや。
    山王寺屋さんが、はつさんとあさちゃん取り替 
    えてくれ、言わはった時のことや。私は冗談や
    ない言うたんやけど、お前の、「あさちゃん好き
    や」のひと言で、あっさり決まってしもた。
新次郎) そないな事あったなぁ。
正吉) そやけどあれな、私が間違うてましたなぁ。
    あんたの嫁に…いやいや、この家の嫁に、
    あさちゃんが来てくれた事はほんまによかった。
    あの子は…金の卵だっせ。
新次郎) へ?
正吉) おまえはいつも、ふらふら~ふらふらして、
    ろくでもない息子やったけれども、人を見る
    目はありましたんやな。
新次郎) 褒めてるみたいで褒めてへんがな。   
 
(笑い声)
正吉) ええか? 卵というもんはな、誰ぞ温めてく
    れるもんがないと、かえらしまへんのやで。
    あさちゃんを守って助けてやるというのも、
    お前の役目やないかいな。
    新次郎、わしな、私やお前の代で、
    この加野屋を潰しとうないのや。
あさ) お父様…。
    あっ! お母様。
よの) いてましたわ。もうどこにも行かさしまへんで。
あさ) いいえ、お母様。うち、行かして頂きます!
よの) 何やて?
あさ) このお家のために、できる事をしたいんだす!

**********

はつ) このお家のために、うちにできる事、あらしま
    へんのやろか? 使用人もどんどんいてへん
    ようになってしもて。お家の中もお店も荒れ放
    題だす。旦那様も、用事や言うて出ていったき
    り、帰っておいでになりまへん。うちにも何か…。
菊) 琴なんか弾けても、
   何の役にも立たへんかったなぁ。(ため息)
   せや。あんたのお付きの、ふゆなぁ、もう
   今日限りで、出てってもらう事にしたさかい。
はつ) あっ…ふゆ?

**********

はつ) ふゆ~!
    もう嫌や…。(すすり泣き) もう嫌や…!

(井戸をのぞきこみ、落ちた布を見つけるはつ)
はつ) あっ…。
(棒で、布を拾い上げようとするはつ)
はつ) 届いた! あ~っ!
(井戸に落ちてしまうはつ)
ふゆ) おはつ様! おはつ様!
    誰か! おはつ様が!


**********

はつ) ああ…。はぁ…。あった。



「わろてね」。



はつ) フッ…。アハハ…。



はつ) 何やの? これ。どないにええ事
    書いてくれたんかと思たら…。

(笑い声)
はつ) アホらし。フフッ。



はつ) この家に来てから、
    声出して笑たん、初めてや。
惣兵衛の声) はつ!







はつ) 旦那様? ふゆ。
ふゆ) おはつ様!
惣兵衛) 大丈夫か!? 今、行ったるさかいな!



(井戸の底に降りていく惣兵衛)

はつ) 旦那様、お帰りだしたか。
惣兵衛) お帰りだしたかやあれへんわ!
     何してんのや!
はつ) すんまへん。その…。
    井の中の蛙いうか…。わっ。



惣兵衛) よかった…。死んだか思た…。
     よかった…!



はつ) 旦那様…。



はつ) はぁ…。ふぅ。おおきに。
    心配かけて、すんまへんだした。



惣兵衛) まさかと思うのやけど…
     さっき、一人で笑てへんかったか?
はつ) アハッ…フフフ。へぇ。笑ておりました。
    あ…。そないいうたらこれ、
    ちょっと旦那様に似てはるわ。フフッ。



惣兵衛) これか?



はつ) おおきに。あさ。



**********

1868年(明治元年) 9月

そして時代は、明治へと変わり、
あさは正吉の代理として、
奈良に借金を申し込みに向かっていました。

あさ) 早行かな日が暮れる。

**********

そのころ、はつは…

はつ) うちに御用とは、何でございましょ?
菊) 京都へ、行きなはれ。
はつ) 京都だすか?
菊) へぇ。あんたの実家の今井さんがうまい事やっ
  て、新政府御用達に、なりはったみたいやないか。
  そやからあんたら2人で、京都に行って、
  今井さんにお金貸してもろうてきなはれ。
栄達) はぁ? なんて事させますんや!
菊) あんたらにできる事は、
  それしかあらへんのやさかい。





**********

井戸に落ちたはつが、井戸の底から見たものは…。
あさからのメッセージ、へのへのもへじと「わろてね」
の文字。血相を変えてはつを心配する惣兵衛の顔。
暗くて狭い場所からも見える、外に繋がっている空。

井戸の中で、あさのメッセージを見つけ、助けられる
とは思っていたけれど、こんな風に魅せてくれるとは。
惣兵衛が本音を見せた、隠しきれないはつへの愛情
に、涙涙…。こんなところでこんなふうにデレさせるな
んて~! 脚本家は分かってるなあと。視聴者が見た
いものが分かってるなあと、何とも言えず心地よい涙
に、久しぶりに癒されました。今度の脚本家さんは信
頼できる。絶対に悪いようにはしない人だと、確信!

惣兵衛に抱き締められて、ポンポンするはつ。どんだ
け強く抱きしめてたんだってぐらい抱きしめられて苦し
そうなはつが、それもまた嬉しそうで。ツンツンな夫の
突然のデレ。それはかなり萌えるよね~。うふふふふ。
確かに、はつ同様に、よさそげな言葉が書いてあるか
と期待しちゃってたけど、あさのキャラを考えれば、も
のすご~く納得するメッセージ。あさの願いは、お姉ち
ゃんの笑顔だもんね。豪快な文字とへのへのもへじに
やられた~と思いました。ちゃんとキャラが生きている
んだなあと。アホらしさに思わず笑ってしまったはつの、
折れそうだった心に、しなやかな強さが蘇ってきて、井
土の底から見上げた笑顔の可愛らしい事といったら!
なんて絶妙なさじ加減なんでしょう。この姉と妹の対比。
出すぎることなく、はつのパートでも、ちゃんとあさの良
さが描かれているのが素晴らしい。そして、待ちに待っ
た惣兵衛さんの渾身のデレと、はつのかいらしい笑顔
に、気持ちよくノックアウトされました。幸せな朝だあ~。

しかも、あさイチのプレミアムトークのゲストが宮崎あ
おいさんということで、彼女のあまりの可愛さに、萌え
死にしそうでありました。このタイミングでの登場って、
うれしすぎるでしょう~! 惣兵衛の中の人発言により、
「はつに一目惚れ」していたつもりで演じていたとの事。
ふふふ。…だよね~。ちゃんとそう見えてましたよ~♪

あの子は…金の卵だっせ。
ええか? 卵というもんはな、
誰ぞ温めてくれるもんがないと、
かえらしまへんのやで。
あさちゃんを守って助けてやると
いうのも、お前の役目やないかいな。

そうそう、正吉さんのこちらのセリフも忘れてはいけま
せん! 金の卵じゃなくっても、普通の卵でも、誰かに
温めてもらわないと、大事に守ってもらわないと、かえ
ることができません! 大事に温めてもらえないと、卵
はずっと卵のまま。金の鳥が生まれるのか、はたまた
怪獣が生まれてくるのか、その楽しみもなくなっちゃう。

あさもはつも、まだまだハラハラさせられそうではあり
ますが、ある意味安心して観ていられそうです。役者、
演出の力はもちろん、ホント、脚本の力は大きいです。

そうそう…脚本といえば、山本耕史の土方のセリフは、
何と「新選組!」の脚本家、三谷幸喜さんの描きおろ
しだったそうです。「夕刊フジ」の記事によると、「初め
の台本では、以前演じたのとキャラクターが違ってい
たんです。僕がやるということは、あの
作品の土方を
求めているはずなので、プロデュー
サーに許可をも
らって三谷さんに台本を見せたら、
そのシーンの部分
だけ書き下ろしてくれたんです。
11年ぶりに演じました
が、当時のかつらと衣装をつ
けたら、体が覚えていま
した」。●ネタ元はこちら→
ちくわぶさんのツイート

なるほど、より、あの新選組の土方に見えた訳ですね。
やるなぁ~NHK! こういう遊び心は大歓迎~(*^。^*)


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●「あさが来た」HP


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