「スターマン・この星の恋」第７話～恋人は星の王子様新章始まる

「スターマン・この星の恋」

第７話

恋人は星の王子様新章始まる

重田）　宇宙人という言い方はやめていただきたい。
佐和子）　え？何で？

重田）　極めて自己中心的な呼び方だ、それは。この
　　　　宇宙に生きる生き物は、全て宇宙人だ。我々
　　　　から見たら、お前たちだって、立派な宇宙人だ。
佐和子）　えっ、あ、そうかあ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

佐和子）　そっかあ。

星男）　ん？

佐和子）　だから、君はいつも星を見てたんだね、いつ
　　　　　　も。星男って名前は、じゃあ、正解だったね。

星男）　そうだね。

佐和子）　まったく、いろいろ驚かせてくれるよ、ホント。
星男）　ゴメン。
佐和子）　実は・・・って展開さ、結構好きなんだよね。

　　　　　　ドラマとかでさ、なにか秘密があるんだよね、
　　　　　　男に。お互い好きになったあとで、男の顔が
　　　　　　くもるわけよ。で、実は・・・ってなるの。実は
　　　　　　俺は、君と兄弟なんだ。実は俺は、犯罪者
　　　　　　なんだ。実は俺は・・・。って、まあいろいろ
　　　　　　あるんだけどさ、そういうの好きだし、基本的
　　　　　　にＯＫなんだよね。私。いいじゃん！好きだ
　　　　　　ったらいいじゃん！って、思っちゃうほうだか
　　　　　　らさ。でもさ、そのドラマでね、実は俺は、未
　　　　　　来から来たんだ、過去から来たんだ、みた
　　　　　　いなのあるじゃん。うん、あるんだよね時々。
星男）　うん。
佐和子）　はぁ・・・ダメ。苦手。だって、ありえないから
　　　　　　さ、わかんないんだよねえ。

星男）　はぁ・・・。

佐和子）　もしさ、見てたドラマでさ、好きになった男が
　　　　　　さ、実は俺は宇宙から来たんだって言った
　　　　　　らさ・・・。

星男）　うん。

佐和子）　消すね。もう見ない。

星男）　えっ？

佐和子）　はぁ～でもさ～あるんだね～。ねっ。
星男）　ねっ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

佐和子）　あのね、星男。

星男）　うん。

佐和子）　星男はさ、帰るの？いつか迎えが来るの？
　　　　　　帰らなきゃいけないの？
星男）　ええ・・・
佐和子）　そういう映画はさ、大抵迎えが来るし。かぐ
　　　　　　や姫とか、そうじゃん。お別れとか、するじゃ
　　　　　　ん。そういう話は。星男？正直に言って。

　　　　　　ちゃんと知りたいんだ。それだけ。

　　　　　　もし、そうだったら、覚悟しときたいし。

星男）　うん。

佐和子）　そうなの？

星男）　わからない。

佐和子）　わからない？

星男）　うん。わからないんだ。どうすればいいのか。

　　　　自分がどうなるのか。僕も重田さんもそうなん
　　　　だけど、この星に来たのは、アクシデントなん
　　　　だ。つまり、迷子になってしまったようなもの。

　　　　で、こっちからは、連絡も取れない。

佐和子）　そっか。

星男）　うん。

佐和子）　わかった！

星男）　ごめん。

佐和子）　帰りたい？

星男）　えっ？

佐和子）　あっ、ごめん。そりゃそうだよね。自分の星
　　　　　　だもんね。帰りたいよね。でもさ、全然知ら
　　　　　　ない星に辿りついちゃって、大変だったね。

星男）　でも、出会ったのが佐和で良かった。

佐和子）　ふふっ。そうだよお。かなりラッキーだよ、
　　　　　　星男は。良かったねえ～。あたしがバカで。

星男）　えっ？

佐和子）　難しいこととかあるんだろうけどさ、考えな
　　　　　　いでいられるから。バカって楽。今まで通り
　　　　　　にするよ。あたし。うん、だって、同じなんで
　　　　　　しょ？私も星男も。同じ宇宙人なんでしょ？

星男）　うん。同じ。
佐和子）　うん。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

星男）　あの～佐和。

佐和子）　何ですか？

星男）　怒ってる？

佐和子）　えぇ～？何？何で怒るの？

　　　　　　えぇ～何で？何かしたの？

星男）　あ、いや、何か怒ってるように見えるけど・・・。
佐和子）　そうですか？
星男）　迎えが来たって勘違いしたのは、
　　　　悪かったと思ってる。

佐和子）　そこは怒ってません。
星男）　やっぱり怒ってるんだ。何を？
佐和子）　迷ったよね、星男。

星男）　えっ？

佐和子）　迷ったよね？お迎えが来たと思って、ほん
　　　　　の何秒かだけど、迷いましたよね？
星男）　え？
佐和子）　迷ったよねえ～？私の元に残るか、それと
　　　　　　も帰るか迷った上で、私とはお別れだという
　　　　　　答えを出した。そうでしょ？

星男）　いや、そんなこと。

佐和子）　わかるんです、女には。
　　　　　　地球の女にはそういうの！
　　　　　　まあね、仕方ない事だとは思います。ええ、
　　　　　　そりゃあ、生まれ故郷には帰りたいでしょう
　　　　　　し、ええ、仕方ない事です、はい。

美代）　そのしゃべり方、やめなさい。怖すぎる。

佐和子）　わかった。ごめん。またやっちゃった。こう
　　　　　　いう事言うから逃げられんだよね。いつも。

　　　　　　むちゃくちゃ言ってるよね、あたし。

星男）　佐和の言うとおりだよ。
佐和子）　え？
星男）　僕は迷った。迎えにきたんだと思ったときね。

佐和子）　うん。

星男）　でも、すごくつらかったし、すごく悲しかった。

　　　　帰るの、嫌だなって思った。迎えじゃないって
　　　　わかったとき、ホッとした。まだ、ここにいられ
　　　　るんだと思って。それは、本当だよ。
佐和子）　うん、わかった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

美代）　なんだか不思議ね。

星男）　えっ？

美代）　あなたは、あの空の向こうから来たのね。

星男）　ええ。

美代）　なんか面白い。

星男）　そうですか？

美代）　ええ。私にも現れないかしら星の王子様。

星男）　ええっ？

美代）　あっ・・・。佐和子をよろしくお願いします。

星男）　こちらこそ、よろしくお願いいたします。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

重田さんと古女房の関係に、泣かされた！星の

王子様というよりは、かぐや姫、かぐや王子的な

イメージで、古女房さんはずっと怯えていたのか

もしれないと思えば、女は幾つになっても可愛い。

そして佐和子も、ウザすぎだけど乙女で可愛い。
あ～やっちゃった、的な、相手を追い詰めてしま
う喋りも、女子にはよくあることで、確かに逃げ
出したくなるけど、根は乙女で愛情からな訳で。

でもね、わかったような顔して、大人のいい女の
フリで、裏で般若顔してるより100倍可愛いと思う
わけですよ。何だかんだ言っても、最後は、スキ
で解決してしまうような、可愛いバカが凄くいい。
頭が悪いとか、そういうんじゃなくて、男に対して、
バカになれる、バカでいられる女は可愛いと思う。
宇宙人星男も重田さんも、妙に素直で可愛いし。
好意っていうのは、素直になれば、宇宙共通で
通じるものかもしれない。なーんて、思いたいｗ

佐和子と一緒にいたいと思いながら、星を見て
涙を流す星男。それを見てしまう佐和子は・・・。
相変わらず、岡田さんの脚本は先が読めない。
彼の上質なファンタジーの結末が楽しみです。

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第２話「急展開！星男パパ元カノ襲来」
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第４話「失踪夫VS星男・・・遂に記憶戻る」
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第６話「遂に正体が！奇跡のはじまり」
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