ご縁ハンター 第２回 「良縁は口に苦し」

土曜ドラマ
ご縁ハンター



第２回　「良縁は口に苦し」

利香（観月ありさ）は「婚活・仮面舞踏会」というパー
ティーに参加し、女子高教師・健介(丸山智己) に一
目惚れしてしまう。デートを重ねる利香と健介。しか
し健介が、別の婚活女性とも会っていることを利香
は知り、衝撃を受ける。

一方、栄吉は、結(寺脇康文）に言われた「千人声掛
けノック」に取り組む日々。そんな中、初めて女性か
らお誘いメールが届く。それは、利香の婚活仲間の
千帆(イモトアヤコ) からだった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

結）　じゃあ、聞くけど、それって、結婚してないから、
　　かな？ 結婚していても寂しい人はいます。女と
　　して自信が持てない人も。仕事で若い子に負け
　　てしまう人もいる。結婚していようがいまいが同
　　じ。今、人生の不幸の原因を、結婚してないせい
　　と思っている人は、結婚できても、いつか何か理
　　由をつけて、自分の不幸に言い訳しちゃう。

利香）　じゃあ、どうすれば？

結）　心の持ちようを変える。とはいえ、心は簡単に
　　は変えられない。なら、どうするか？ 先に表情
　　から変えるんです。笑顔を作れば、心も自然に
　　ついてくる。だから、まずは毎日、笑顔の練習を
　　してみてください。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

健介）　確かに怖いかもねえ。ネットで出会った男と
　　　　会うのって。メッセージのやりとりだけじゃ、
　　　　わからないもんね。ま、でも、女の人も実際
　　　　会うと、いろいろいるから。

利香）　へ～え。結構今までいろんな人と会った？

健介）　うん。７、８人かな。

利香）　ふ～ん。今も会ってたりして。

健介）　うん。

利香）　え？ 会ってるの？　他の人に？

健介）　うん。

利香）　私と、会ってるのに？

健介）　え？

利香）　え？って・・・
健介）　それが婚活でしょう？ 何人もと会って、比べ
　　　　て、一番いい結婚相手を探し出す。その為に
　　　　婚活サイトがあるんだよね？
利香）　でも・・・

健介）　だから利香さんも、俺に遠慮する事ないから。

利香）　他の男と会えってこと？

健介）　結婚と恋愛は違う。一生の相手を探すんだか
　　　　ら、そんな簡単に、この人だなんて思い込まな
　　　　いほうがいいと思う。いろんな人と会って、その
　　　　上で、俺を選んでほしい。あ、もう９時過ぎてる。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

利香）　おかしいと思う。こんなやり方。私は、無理。

　　　　今日はどんな人と会ってるんだろうとか、若
　　　　い人だろうかとか、毎晩考えるの。
　　　　私のことどう思ってるの？ 正直に聞かせて。

健介）　さっぱりしてて、いい人だと思う。話してても
　　　　楽しい。でも、家庭的じゃないかも。わからな
　　　　いんだ。すぐにこの人と結婚とかそんな風に
　　　　決められないし、決めたくない。

利香）　家庭的って、料理とかすればいい、って事？

健介）　失敗したくないんだ。

利香）　じゃあ、もっと柔らかいふわふわのスカート
　　　　はく？ 手作りのお弁当とか。

健介）　そんならしくないことしてもらっても。

利香）　じゃあ、どうすればいいのよ？

健介）　感情的になられても困るよ。

利香）　冷静に話せる話？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

結）　井上千帆さん、これはあなたの人生のタイム
　　ラインです。29歳の君が、今、その位置。ちょっ
　　と、過去に遡ってみようか。歩いて。ストップ。
　　君は今、就職する前に戻りました。

　　そのころの君は、どうしてた？

千帆）　短大に行ってました。東京の人達はみんな
　　　　オシャレで可愛くて、私なんか絶対に敵わな
　　　　いって。

結）　うん。もう少し遡ってみようか？
　　中学生、小学生。はい、ストップ。君は今、５歳
　　に戻った。そのころの君は？ どんな感じ？

千帆）　わからないけど、
　　　　歌が好きな子だったそうです。

結）　いいねえ。ほかには？

千帆）　いとこの結婚式で花嫁の介添え人を。いと
　　　　こがとっても綺麗で、私も、いつかああなり
　　　　たいなあって。

結）　じゃあ、とてもハッピーな５歳の君から、29歳
　　の君に何か言ってあげて。

千帆）　え？

結）　千帆ちゃん、こんにちは。今日は、千帆ちゃん
　　から、あそこにいるお姉さんに、アドバイスがほ
　　しくて。実はあのお姉さん、結婚できなくて落ち
　　込んでるんだ。何か言ってあげてくれるかな？

千帆）　大丈夫だよ。お姉ちゃんは、きっと、綺麗な
　　　　花嫁さんになれる。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

今回もかなりシビアな現実が描かれていて、利香
がひっかかったことは、好きになった側にとっては
当然思うことだし、まだ決められずにいる側にとっ
ては、その言い分もわかるというか。「婚活」という、
互いにたくさんの相手に出会って、そこから選ぼう
と思っている場合、避けられない問題なのかもと。
自分が選ぼうとしてるように、相手にも選ぶ権利
はあって、自分もまた「選ばれる対象」であること。
そしてそれは、恋愛とは違って、それぞれの条件、
結婚に望む条件によって吟味される、ということ。
男性は人柄よりも収入が重視されることがあるだ
ろうし、女性も、容姿より若さが重視されたりもす
るし。恋愛市場とは明らかに違う価値観で選ばれ、
ある意味かなりシビアに互いを値踏みすることに。

男も女も、恋愛をしてみたい理想の相手が、自分
に合う（無理をしないでいられる）相手とは限らな
いこと。結婚という、生活をベースにした長いスタ
ンスで考えた場合、好みだけでは決められなくな
るんじゃないかと思う。イケメンは浮気しそうだと
か、綺麗な子は浪費しそうだとか、結婚となると、
それも、条件が決め手となる見合いや婚活にな
ると、みんな結構シビアに慎重になるのかなあと。

とはいえ、自然な出会いもあるし、婚活への向き
不向きもあるし。縁は、求めていればきっとある。
まずは笑顔からっていうアドバイスは、恋愛に限
らず、幸せになれる身近な方法だと思いました。
普通に、笑顔の人の方が感じよく思えるものだし。

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第１回 「縁遠い女」
第２回 「良縁は口に苦し」
第３回 「縁は天下のまわりもの」

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