サキ 第11話(最終話) 「悪女の最後」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

サキ

第11話(最終話) 「悪女の最後」
明かされる復讐の真相と、
悪女の最後



隼人) 母さんの最期の時、一緒にいたんだね。
サキ) いたよ。
隼人) 母さん苦しまなかった?
    最期に何か言ってた?
サキ) 隼人・・・。どうして隼人はお母さんを殺したと
    思ってるの? どうしてそう思うの?
隼人) 俺が・・・母さんの腎臓をもらったから。
    母さん、心臓が疾患があることを隠して、負担
    を考えたらやっちゃいけなかったのに。
    でも、俺のために手術を。
    だから・・・俺は姉ちゃんの大事な人を奪った。
    俺にとっても大事な人だったけど。
    何も知らなくて・・・
サキ) それで私が、君に復讐しようとしている。
    そう思ってるんだ? 座って。



サキ) 今日は、思い出を聞かせてほしくて。
    だから電話したの。隼人の、家族の思い出。
    あるでしょう? たくさん。たとえば・・・そうね、
    初めて補助なしの自転車に乗れるようにな
    った日。
デパートの屋上で遊んだこと。
    七五三へはお参りはどこへ行った?
    幼稚園の送り迎えはお母さんだった?
    夏休みは、毎年どこかへ行った?
    海? プール? 山登り?
    遠足のお弁当はおいしかった?
    楽しい思い出が、いっぱい?
    君のたくさんの思い出。たくさんの幸せ。それ
    は、全部私の不幸の上に成り立ってるのよ。
    今までも。これからも。ずーっと。
隼人) 姉ちゃん・・・
サキ) それを言いたくて、私は君に会った。
    お母さんは、最後の最後にあることを言った。
    でも・・・絶対に教えない。
    隼人は・・・ズルイのよ。



サキ) このワインね、どちらかを飲むと、死ぬの。

    お父さんとお母さんと一緒に過ごせる人生を、
    当たり前だと思ってたでしょ。
隼人) 姉ちゃん。
サキ) 選んでもないのに、生まれたときから簡単に
    手に入れて。だから、今度は隼人が選ぶの。
    どっちがいい?
隼人) 俺は・・・
    自分が特別に幸せだなんて思った事なかった。
    普通だと思ってた。でも間違ってた。
    俺は・・・
幸せだった。
    姉ちゃんの言うように、姉ちゃんの不幸の
上に、
    成り立ってた幸せだけど。
    でももし・・・もし人の幸せの分量が、
    一生の幸せの量が決まって
るんだとしたら。
    姉ちゃんだって。
これからの姉ちゃんだって・・・
    何も出来なくて、ゴメンね。



サキ) バカね。本気にするなんて。
    いい子ぶっちゃって。出てって。出てってよ!

**********

直美) サキさんから。一度も連絡ないの?
隼人) はい。
岩城) 病院も辞めてマンションも引き払って、静岡
    の実家にも一切連絡がないなんてなあ。
隼人) 俺は、母さんが亡くなって、姉ちゃんの存在
    を知ってからずっと会いたかったんです。
    だから、会えた時は嬉しかった。本当に嬉し
    かったんです。でも姉ちゃんは、あの人達の
    人生を狂わせた。警察には捕まらないかもし
    れないけど、あんなことをして・・・。俺はただ
    喜ぶばっかりで、姉ちゃんが何を抱えどう生
    きてきたのか、何も知らないバカでした。
直美) 彼女の罪は、彼女の罪なんだよ?
    姉弟だろうが関係ない。関係ないの。



隼人) でももう、姉ちゃんに会う前には戻れません。

    子供の頃のこと、父さんや母さんとの思い出。
    思い出したくもありません。
岩城) 新田・・・
直美) 新田さあ、入社する時、面接で言ってたじゃ
    ない。将来は、真実をみんなに伝えられるよ
    うなジャーナリストになりたいって。そう思った
    のはさあ、それまでの新田の歴史があった
    から。ね、何を見たら嬉しいと思う? 何を見
    たら悲しいと思う? 何に対して、許せない?
    感じ方も考え方も、全部これまでの自分が
    作ってきたの。出会った人や、別れた人、い
    ろんな人達との関わりの中でさ、自分の人
    生を作るのは、自分なんだよ。どんなに苦し
    くても、乗り越えるのは、簡単じゃないけど、
    一生懸命生きてる人達は、たくさんいるの。
    新田。自分の思い出はさ、自分のものなの。
    誰も取り上げることなんて出来ないんだよ。

**********

お母さんへ
私ね、隼人に会ったんだよ。肉じゃがを作ったよ!
私が好きで作った肉じゃがをね、
お母さんの味と同じだって、とっても喜んでくれた。
こうして、お母さんに手紙を書くのは、
楽しい会話をしてるみたい。

お母さんへ
隼人がね、お父さんとお母さんの写真をくれたよ。
隼人の高校の卒業式の写真。
お父さんもお母さんも笑顔だったね。
あんなに小っちゃかった隼人が、大人になったよね。
私もたくさん思い出を持ってた。
お父さんとお母さんとの、家族のこれまでのことを、
ずーっと考えてたから。
その分、たくさんの思い出があった。

お母さんへ
お母さん。2月28日です。
お母さんに会えた日です。

お母さんへ
私は・・・
私は・・・

隼人はズルイよ。
隼人はズルイ。
やっと会えたのに。

私は、やっと・・・
やっと会えたのに。

一度でいいから・・・
一度だけでも・・・
サキって呼んでほしかった。

目をつぶると、いつも同じ光景が浮かぶ。
お父さんがいて、お母さんがいて、
隼人がいて、私がいて。
そんな日常が、
私にとっての、大切な思い出。
だから、だから・・・
隼人、いつかまたね。
また、会う日を楽しみに。






復讐の理由は・・・恐ろしや~通りがかりの言いがかり。
だいだいそんなところだろうとは思っていたけれど、ほ
とんどがサキに会ってないし、覚えているはずもなく。
そもそも、恨むべきは両親だと思うんだけど。でも、子
供って、親を怨む以上に親を慕ってしまうというか、大
事にされてきた子供より、構われなかった子供の方が、
親を思う気持ちが強かったりすることは、よくあるお話。

「サキ」のお話は、つまりは「美しい隣人」をよく知る為
のお話なんですね。彼女が子供につけた名前は隼人。
隼人と名前をつけた、サキの思い入れを知れば、そし
てその大切な子供を亡くしたことを思えば、「美しい隣
人」でのサキの狂気も理解できないことも・・・ないと。

確かに不幸だとは思うけど・・・母親の救急車の顛末
は、あれはもうギャグとしか思えないほど、どんだけ
運が悪いっていうか運がないっていうか、神様がいる
としたら神様を恨むしかないレベルだし。あそこまで
運が悪かったら、もう笑っちゃうしかないような・・・。

美しい隣人のサキは、どうしてあんなにも逆恨みを
するのか・・・それは、もともとそうでした、ってお話?
男でも女でも、人たらしの手法・話術を知るのに、非
常に役に立つ、ハウツウドラマといえなくはないかも。


●「サキ」HP

「サキ」関連ブログ↓
サキ 第1話 「接近」
サキ 第2話 「タブーの正体」
サキ 第3話 「禁断へ導く女」
サキ 第4話 「タブーの結末」
サキ 第5話 「姉への疑惑」
サキ 第6話 「弱者の逆襲」
サキ 第7話 「母へ・・・」
サキ 第8話 「母のための復讐」
サキ 第9話 「疑惑の真珠」
サキ 第10話 「母を殺した最後の男」
サキ 第11話(最終話) 「悪女の最後」


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