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(や、やーさん真澄くんである。だ、ださい・・・しくしく、こんどちゅうにびょう的な服、スタイルにしよう)
その前の話
(1) (2) (3) (4)
「もうちょっとなのにな、この平凡な顔がいけないのだろうか?」
(普通に可愛いから、平凡ていうけど、昔のマヤちゃんは、それはもう、可愛かった)
マヤは、公園の噴水の自分の姿を映してみた。
一指し指でくるくる回す。
「つ、冷たい」
上を見上げる、空が茜色に染まる、様々な紅に、蒼に、紫に、西の方角に、フォーマルハットがきらりと輝いた。
「星が、好きなあなた」
目を閉じて好きな人を想う、ほうと息を吐いた、木枯らしが運んだ木葉が一枚、頬に張り付いた。
秋が終わろうとしていた夕暮れだった。
「マヤ」
振り返ると真澄がいた、マヤは、頬をつねった。
「痛い、ほ、本物?」
真澄は、優しい笑みを浮かべていた。
マヤは駈けた、その胸の中に。
他愛ないおしゃべり、真澄のからかう言葉に、小気味よくマヤは、切り返す。
いつのまにか、空に星が瞬いていた、澄み切った夜空に。
「どうしたらこの顔が、もう少し、大人びた、きれいな顔になるかと悩んでいるんです」
くすくすから、大口を開けて、真澄は笑う。
「相談するんじゃなかった」
マヤは口をとがらせて、頬をふくらます。
「簡単な方法はある」
「教えて下さい」
真澄は、マヤを胸の中に閉じ込めた、耳元で囁く甘い言葉。
先ほどの夕焼けのように赤くなる頬に口づけが降りてきた。
「君は、舞台の上では、絶世の美女になれるさ」
「化けるって、言いたいんですね」
「俺は、素の君も、舞台の君も、いつも美しいと思っている」
「速水さん・・・」
「遅くなった、送るよ」
「はい」
差し出された左手、結んだ手と手、伝わるぬくもり、暖かいと、マヤは思った。
つづく (6)
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(や、やーさん真澄くんである。だ、ださい・・・しくしく、こんどちゅうにびょう的な服、スタイルにしよう)
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「もうちょっとなのにな、この平凡な顔がいけないのだろうか?」
(普通に可愛いから、平凡ていうけど、昔のマヤちゃんは、それはもう、可愛かった)
マヤは、公園の噴水の自分の姿を映してみた。
一指し指でくるくる回す。
「つ、冷たい」
上を見上げる、空が茜色に染まる、様々な紅に、蒼に、紫に、西の方角に、フォーマルハットがきらりと輝いた。
「星が、好きなあなた」
目を閉じて好きな人を想う、ほうと息を吐いた、木枯らしが運んだ木葉が一枚、頬に張り付いた。
秋が終わろうとしていた夕暮れだった。
「マヤ」
振り返ると真澄がいた、マヤは、頬をつねった。
「痛い、ほ、本物?」
真澄は、優しい笑みを浮かべていた。
マヤは駈けた、その胸の中に。
他愛ないおしゃべり、真澄のからかう言葉に、小気味よくマヤは、切り返す。
いつのまにか、空に星が瞬いていた、澄み切った夜空に。
「どうしたらこの顔が、もう少し、大人びた、きれいな顔になるかと悩んでいるんです」
くすくすから、大口を開けて、真澄は笑う。
「相談するんじゃなかった」
マヤは口をとがらせて、頬をふくらます。
「簡単な方法はある」
「教えて下さい」
真澄は、マヤを胸の中に閉じ込めた、耳元で囁く甘い言葉。
先ほどの夕焼けのように赤くなる頬に口づけが降りてきた。
「君は、舞台の上では、絶世の美女になれるさ」
「化けるって、言いたいんですね」
「俺は、素の君も、舞台の君も、いつも美しいと思っている」
「速水さん・・・」
「遅くなった、送るよ」
「はい」
差し出された左手、結んだ手と手、伝わるぬくもり、暖かいと、マヤは思った。
つづく (6)