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Kierkegaard

(目指せ少女マンガである、ち、違ったらごめんなさい、ネタはあみだで決めた)

『覚醒』

ちゅん、ちゅん、鳥が鳴いている、ここは、東京郊外にあるとある屋敷である。

表札には達筆な字で「速水」と書かれていた、ポストには、戸主である速水真澄とその下には、小さく聖唐人と北島マヤという名前が記されている。

とんとん二階を元気に駆け上がる少女が、主の部屋にノックをしてから入ると、ベッドで丸くなっている主を起しにかかった。

「先生、朝ですよ」

「マヤか、今朝の食事当番は、聖じゃなくて君なのか」

「何ですか、その嫌そうな顔は」

「君のごはんは、マズイ」

「し、失礼な」

「本当のことだろう」

真澄はけだるそうな微笑を浮かべマヤを見つめた、マヤは、その色気のある雰囲気にドギマギしてしまう。

「先生の嫌味虫、いーだ」

マヤは、どすどすと音を立てて主の部屋を辞去した。

「まだ、まだ子供だな」

真澄は、身支度を整え二人がまつ階下にある食堂に行くと、助手である聖が食卓で主を待っていた。

「おはようございます、真澄さま」

「おはよう」

「先生、おみおつけです」

「ありがとう、マヤ、学校から通知が来ていたが、進学でいいのだろう?」

「あ、えーと、その、先生、私高校を卒業したら、進学せずに働いて、この家を出て自活します」

「どうして、きみが二十歳になるまでは、私が後見人だ、君がずーといたいならこの家にいていいんだよ」

「だって血のつながりもないのに、これ以上ご迷惑を掛ける訳にはいきません」

「マヤ、私は亡くなった君の両親に約束したんだ、君が幸せになるまで見守ると」

「で、でも」

「それとも誰かに、うちのやかましい親族に何か言われたのか」

「・・・」

「図星のようだな、何を言われた」

「先生が結婚できないのは、私のせいだと・・・」

「ふ、マヤ、俺は好きで独身を通している、周りの言うことなど気にするな。君は中学の頃からここで暮らしてきた、私や聖が嫌いなら別だが・・」

「ううん、私、先生や聖さんのことが大好き、できればずっと一緒にいたい」

「ならこの話は終わりだ、聖、今日の講義の資料は準備できているか」

「はい」

この屋敷の主は、速水真澄 当年とって28歳、花の独身で、とある大学の准教授である。
聖唐人は24歳、真澄が教えている大学の博士課程1年である、将来は学者を目指している。(真澄の助手でもあるのだ)
北島マヤは17歳で、とある私立のお嬢様学校に通っている。
聖くんもマヤちゃんも両親がない、そのあと真澄氏が後見人として足長おじさんとして面倒をみているのである。

マヤは、朝食の片付けが終わると、軽く身支度を整え学校へ、真澄は聖が淹れた珈琲を飲み、数紙の新聞に目を遠し、いつもの時間に聖が運転する車で大学へ出勤した。

とぼとぼとマヤは、学校へ向かった。マヤはこのお嬢様学校が少しだけ憂鬱なのだ、根っからの庶民気質のマヤなのだ、「ごきげんよう」とか「おほほ」という雰囲気にいまひとつなじめないのだ、でも、真澄くんの趣味だから仕方ないのだ。(私が知っている女子高は、校門で「ごきげんよう」とあいさつしないといけなかった)

ふうと大きなため息をついて、マヤは空を見上げた。

「私は、先生や聖さんが大好き、だから卒業と同時にあの屋敷を離れたいのに・・・」

マヤちゃんは誤解している、真澄くんと聖くんは、そんな関係ではないのに・・・

つづく その2  へ

***


Kierkegaard
色塗りが下手なのは、主線が繋がっていないせいだろうな、ぺ、ペン画を練習しよう。