訃報を胸にしまい込み、私は船旅に出る | 019|まる・いち・きゅう

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丸い地球をまわりながら考えていることの記録

明日から船。最後の追い込みだ!って意気込んでいた朝、届いた訃報。ちゃんと向き合ったら気持ちが全部そっちに持っていかれそうで、見なかったことにした。自分の気持ちに蓋をした。見なかったことにすれば、なかったことになるかのように。

夕方になって「中西さんが亡くなったの、実は結構こたえてるんです」って、大先輩である同僚にそれとなく言ってみたら、涙が溢れそうになったから、語尾を早口にしてパソコンのスクリーンに集中した。

夜、明日から船だからデスクを片付けていたら中西さんからの年賀状が出てきた。今年の1月のもの。こちらからの年賀状への返信だけど、さらに返信したくなって「要対応」のファイルに入れてたわけさ。ほんと私はものごとを後回しにするの、最悪だよほんと。遅いんだってば。

明日から船に乗って来週から地球一周の船旅に出る。最近はショートクルーズと部分乗船ばかりだったので、地球一周の船旅は中西巌さんと一緒に乗った63回クルーズ(2008年)ぶり。このタイミングってことは、中西さんが「存分に楽しんでこい、しっかり核廃絶を訴えてこいよ」って言ってるってことなのかもしれない。と、都合よく解釈するくらいしか私はこの訃報を消化する方法を知らない。