敷金問題解決の為の法的根拠とは
国土交通省「ガイドライン」、賃貸住宅紛争防止条例「東京ルール」の理論的裏づけを検証
NPO法人日本住宅性能検査協会
ADRセンター「日本不動産仲裁機構」
はじめに
(1)前提として、①貸家(賃貸借)契約とは、どのような特性をもつ契約であり、
それに対し②民法や宅建業法などいかなる法令がどのように適用されるか、
さらに③敷金はいかなる性格のカネで、担保としてはその他どのような制度が
考えられるかにつき概観しましょう。
貸家契約は、貸主が借主にアパート等の建物を、居住させるため等で例えば2年間、
更新すればさらに2年間と貸し続ける賃貸借契約です。
このような継続的な契約関係であることが、そのとき限りの売買(売り逃げ)
契約と相違しています。
この貸家契約に対する主な法令の適用をみます。まず①賃料を授受する賃貸借契約
ですので民法601条以下が適用になります。
しかし、民法は貸主と借主を原則として対等の立場としています。そこで、
②借主保護の観点から、貸主の都合で借主に明渡しを求めるには、
6カ月前の予告と正当事由を要する(27・8条)といった(一方的)
強行規定をもつ借地借家法が制定されています。
このような民事法に対して、③都県等行政による取結法規として宅建業法があります。
しかし、宅建業法は、貸主は、アパート経営のように業として営もうと規制されて
いません(借主も同様規制外、同法2条2号)。
あくまで業法の規制は媒介(仲介)や代理を業として営む場合に限られます
(同法2条2号・12条1項)。
それも、入口の契約締結時の媒介や代理に止まるとして扱われています。
中間の契約の合意更新や本稿の敷金精算にかかわる出口の合意解約の媒介や代理には、
業法の規制は及んでいないとされています。
もっとも、中間や出口についての特約について、全く説明を、
しなかつたり誤った説明をして、媒介・代理業者が貸家契約を蹄結させたときは、
入り口の問題として業法の規制が及ぶとされています。
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http://www.geocities.jp/npo23122000/konkyo.doc