東京には、特定の分野の商品を専門的に扱う店が集積している専門街があります。専門街は、以前はその道のプロや趣味を持った人が行く街もありましたが、そういった街も最近は観光の名所として一般の人や外国人旅行客も多く訪れるようになっています。

 

今回は、専門街として有名な書店街や道具街などを紹介します。

 

 

書店街(神田神保町)

神田神保町は多くの書店が集積している本の街であり、約170店と多くの古書店があるため古書店街とも言われています(新刊書店は約60店)。多くの古書店が専門分野を持っており、専門的かつ希少な本が在庫されているようです。

 

明治時代に、この近辺に法律学校(明治大学、中央大学、日本大学、専修大学)が相次いで創立され、その学生を対象にした法律書の書店が次々と開店したのが古書店街の始まりと言われています。このエリアは、スキー道具や登山道具を中心としたスポーツ用品店も多く集まっていますし、レトロな昔ながらの喫茶店も残っています。

 

 

楽器街(御茶ノ水)

JR御茶ノ水駅から靖国通りまでの間の明大通りは、約40店の楽器店が終結していて御茶ノ水楽器街と呼ばれています。様々な楽器だけでなくエフェクターやアンプ・録音機材なども販売されており、新品だけでなく中古も売られ、楽器の買い取りもする店もあります。

 

明治の終わり頃に楽器店が相次いで開店し、昭和に入ってから下倉楽器店やクロサワ楽器店などが次々とできて、御茶ノ水が楽器の街という印象が強くなりました。この楽器街は、周辺に大学が数多くあることから、安くてボリュームのある食事を出す店があり、特にカレーの店が集まっていてカレーグランプリが開催されるカレー激戦区になっています。

 

 

電気街(秋葉原)

秋葉原は、電気製品や部品などを販売する小売店が集中している電気街です。各地に家電量販店が多くできたことで、家電を扱う店は優位性を失い地盤沈下が進みましたが、最近はおたくグッズなどを扱う専門店が多く現れ、おたくの街として多くの人を集めており、多数の外国人旅行者が訪れています。国内には秋葉原以外にも、大阪の日本橋や名古屋の大須などにも電気街があります。

 

戦後に小川町近辺の闇市を追われたラジオの部品商が秋葉原の高架下に集まり、1960年代に電子部品やマイクロコンピュータの組み立てキットを取り扱う店が増えていき、1980年代は自作パーソナルコンピュータを作るための部品を扱う店が増え、2000年代はゲームの取り扱いが多くなりました。

 

 

食道具街(合羽橋)

かっぱ橋通りは、プロの料理人や飲食店関係者が使用する厨房道具・調理器具・食器・装飾品・インテリア品・食品サンプルなど、飲食にまつわる専門店が立ち並んでいます。最近は、外国人旅行者が多く訪れる観光名所にもなっています。

 

大正の初期に道具店や古物店が集まり出して、その後は東京でも有数の飲食関係の道具街になっていきました。地名である合羽(かっぱ)は、江戸時代に内職で雨合羽を作っていた武士が多くいて、天気が良い日に雨合羽をズラリと並べて外に干していたことに由来するようです。


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