読了:運命の人(4)山崎豊子著 | まきむく通信(どうでもいいこと書いています!)

まきむく通信(どうでもいいこと書いています!)

ブログの話題として最近は登山記録が多いです。
読書記録とプラモデル、歴史など


Since 30.September.2012

読了:運命の人(4)山崎豊子著


山崎豊子著
文藝春秋文庫
2011年2月10日初版発行
初出 文藝春秋2005年1月号~



長く重い話が1巻~3巻までつづいてきたが。。。それは序章である。
この物語は、この第4巻のためにある。
沖縄の現状を知れ!という山崎豊子の遺言であろう。


<感想など>
主人公は再審で有罪となり、生きる気力をうしない放浪後、沖縄へたどりつく。そこで見た沖縄の現状と歴史をしり衝撃をうける。この物語を通じ読者は沖縄の現状と問題、そして沖縄戦の真実を主人公とともに知っていくことが出来るのである、主人公が苦悩し、国家権力と戦った沖縄密約問題についての事実が明らかに。。。明らかに、第4巻は、1~3巻とは趣きが変わる。これは、著者が仕組んだ仕掛けなのである。まさに、この沖縄の歴史、現状をしってもらうために準備された序章にすぎなかったことに気付く。そう!沖縄のことをもっと知る必要がある、沖縄が日本であるためにも、日本人はもっと沖縄を本気で考えなければならない。



鉄血勤皇隊
ひめゆり学徒隊

終戦まじか沖縄戦に備え、男子学生は鉄血勤皇隊に、女学生はひめゆり学徒隊に徴収された。徹底した皇民化教育によって十代の純粋な学生を、本土の日本人以上に日本人たれと鼓舞し、戦火の中を引きまわした挙句、米軍による艦砲弾60万発、地上砲弾176万発の猛烈な砲撃を3ヶ月以上浴びせられつづけ全島を破壊つくされた。。。それによって日本軍は戦闘能力を失い組織的戦闘を終結。そのとき軍に徴発された学生たちは、砲弾飛び交う最前線で解散命令を出して放り出された。



方言札


(ほうげんふだ:小学校で生徒が沖縄の方言をつかうと首に掛けさせられた)


沖縄占領 アメリカ軍による土地収用
強制収容された土地、多くの水田が埋め立てられ不毛な更地にされ、土地の借地代は、コカコーラ10本分に満たない金額だったことも



沖縄返還交渉にて、日本政府は軍用地復元補償費400万ドルを密約で、肩代わりを決め米側に400万ドルを支出したにも関わらず。。。実際に沖縄県民に支払われた合計金額は140万ドルほどであった。



米国による占領時代からつづく米兵による殺人、強姦、窃盗、轢き逃げなどほとんどの米兵は不問にされている。。。




日本での沖縄をめぐる政策提案、ニュースは米側が気に入らないと、日本政府に対し不快感が示され、日本政府が畏まる。。。ということが繰り返されている。


反戦地主




米国公文書館にある銅像の台座にある言葉。。。
STUDY THE PAST
過去から学べ
WHAT IS PAST IS PROLOGUE
過去とは序幕である



琉球王国
沖縄。。。琉球王国は、薩摩藩によって1609年征夷大将軍徳川家康の承認の下、琉球王国へ侵攻しこれを征服した。そして、琉球国王を薩摩藩主の臣下とする条約(掟十五条)を結ばせ、奄美群島を割譲させた。しかし幕府や薩摩藩は、琉球国王に対する明皇帝(明滅亡後は清に)からの冊封も認め受け続けさせたため、日中両属となった。また外交や軍事に薩摩の承認を得る以外は、大部分の主権を保ち徳川幕府滅亡後も存続した。明治維新後、明治政府は清朝との両属関係にあった琉球王国の関係を清算するために、軍を派遣して首里城を接収した。これにより琉球王国は名実共に廃止され、沖縄県が設置された。
だから、奄美までが鹿児島県なんだな。。。




沖縄を知れば知るほど、この国の歪みが見えてくる。。。それにもっと多くの本土の国民が気付き、声をあげなければならない。



<関連ブログ記事>
・運命の人(1)
・運命の人(2)
・運命の人(3)
・運命の人(4)


どうでも、いいこと毎日(平日)更新!
「まきむく通信」
(ブログの更新は土日祝はお休みすることになりました)