嬉しかったこと | Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun! (ジャム タン)とは、プル族の言葉で「平和だけ」ってこと。
あらゆる挨拶をされてもこの「Jam Tun!」って答えればオッケー!
セネガルの大地で青年海外協力隊員として、どっぷりプル族と向き合いながら生きた日々の記録。

最後の最後にとても嬉しいことがありました。少し長いです。


クサナールには、様々な国の援助機関やNGOの支援プロジェクトが入っている。給水塔を建てたり、学校を建設したり、衛生指導したり、農村開発だったり。。。

ただ、プロジェクトの対象村選定は、地元の公共機関に任されている。それが私の配属先。

私の上司である公務員D氏(写真中央)と常駐NGO技官の2名で仕事を回している。かなり仕事はできるが、他地域出身者のため大半の村人が話すプラール語が話せず、村へ行く移動手段共有バイク1台のみ。そんな2人が半径40キロにある50以上の村の支援割り振りや、支援組織の受け入れを行っている。手が回るわけがない。

Jam Tun!  Jam Tun!

現実的に支援対象に選ばれる村には偏りが生じる。現状では、何故か複数の特定村に大半の援助が集中している。ウォロフ族の村が優先されてたり、フランス語を話せる人が多い村だったり、よく配属先にいろんな貢物を持ってくる村だったり、公務員の通訳をかってでてる人の出身村だったり、観光客向け村見学の対象村だったり。何が選定理由になるのか不透明なままいつもその複数村の中から援助対象村が選定される。そして配属先スタッフの業務はこの支援対象村ばかりに興味が行き、他の村は名前を聞いてもどこにあるのかも認識できないような状況もある。

プラール語が話せて、自由にバイクに乗れるボランティアという今のポジションを最大限に生かして、当初30村以上の村を回って会話して感じたこと。

「対象村選定には不公平が生じているし、それによって村人が抱えるストレスはでかい」ということだった。

超現場視点で知った国際協力の一面。


こんな思いから俺は、「援助非対象村でやる気のある村を支援する活動をしたい」との思いで、結果的に女性グループを対象にした野菜栽培の立ち上げを活動のメインとして合計10村で活動してきた。

Jam Tun!  Jam Tun!

自分の中で好き嫌いや居心地ではない明確な活動村選定基準を作って活動してきたつもり。

少なくとも俺は平等に接しようと思って。

そして定期的に私の活動や活動村の状況についてはD氏に説明してきた。そしてこの半年くらいで、D氏が私の活動村を見に行ってくれるようになり、その様子によって私を評価してくれるようになってきた。


そして今回、フランスの援助機関の支援で、新たな井戸掘りのプロジェクトが実施されることになり様々な検討が行われた結果、私の活動村の1つがそれに選ばれることになった。理由の1つが、野菜栽培を頑張っているから。まあ他にもいろんな理由があるんだろうけど。約50メートルの井戸が新たに掘られる。約300人で1つの井戸だったがそれが2つになる。


私にとってはめちゃくちゃ嬉しいことでした。援助が来ないことへの文句を言う村人をなだめ、やる気のある村人の背中を押す活動をやってきた結果、それが根付き、成果が評価されて、村に援助が来ることになった。援助を引っ張ってくることが目的ではないが、「自分たちで頑張ってきてよかった」と思ってもらえる結果に導けてよかったなと思う。

そして何よりも、我が配属先に、村人の頑張りを評価したうえでの新たな援助対象村選定を促せたことは、とても意味があることだったように思う。

Jam Tun!  Jam Tun!

そして先日、フランス人支援者も来て、村でそのプロジェクトの初めての会議が行われた。

それに私も招かれて参加してきた。

そしてその最後に女性リーダーから「ヨースケが毎週通って教えてくれたから、ここまで野菜栽培を続けることができた。そしてその成果のおかげで今回、新たな井戸を掘る支援を受けられることになった。ヨースケには本当に感謝している。ありがとう。」と言ってもらえてみんなに拍手もらえた。まさかその会議で私の名前が出てくるなんて思ってもみなかったから、最初は驚いたけど本当に嬉しかった。


きれいごとで物事が進まないのは百も承知。それでも自分なりの「思い」は変えずにやってきた結果、素敵な村人に恵まれ、いろんなチャンスが重なって、任期終了間際にこういう場面に立ち会うことができて、本当にラッキーです。

ちなみにこの村、以前にはこんなこともあった。

http://ameblo.jp/okuoku-okuoku/entry-10647945686.html

村人一人一人と向き合う中でいろんなことがあったから、余計に感慨深い。