「ばっかり食」をやめよう。 | Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun! (ジャム タン)とは、プル族の言葉で「平和だけ」ってこと。
あらゆる挨拶をされてもこの「Jam Tun!」って答えればオッケー!
セネガルの大地で青年海外協力隊員として、どっぷりプル族と向き合いながら生きた日々の記録。

多くの隊員によりセネガル全土で普及が進むカンクン(空芯菜)。

以前このブログでも紹介したとおり、私の活動村にも持ち込んだところ、グングン育ち、村で毎日の夕食で食べられる程になった。

これまではハーコウーロと呼ばれる雑草を食材として調理していた料理をカンクンに変えて調理したもの。

カンクンは健康に良いと決めつけて普及していた私にとって、毎日、食される程に普及できたことを当初は喜んだ。


ただ、よーく考えてみると、ここセネガルにある現生種を否定し、我々が持ち込んだ外来種に置き換えただけ。

しかも栄養士隊員に聞いたところ「食べないよりは食べた方がいいことは間違いないが、他の葉物をカンクンに変えたところで、それがいいとは言い切れない」とのこと。確かにこれまで食していたハーコウーロの栄養分析もしてないのに、カンクンに変えればOKというものではない。

 

これでいいのかな???と思っていた時、「戦後日本の生活改良普及員の活動」の資料を見た。それには「ばっかり食を改善する過程で新しい食べ物を普及させた」とのこと。これまで問題だったことはハーコウーロを食べていたことではなく、毎日同じ食材で調理された同じものを食べていたこと。その意味では、カンクンに変えたところで、何も栄養改善されていない可能性があることに気付いた。

日本の発展の歴史には、途上国援助に必要なヒントがたくさんあります。
Jam Tun!  Jam Tun!
どうせ同じ調理法なんだから、毎日違う葉物を使ったり、複数の葉物を混ぜて調理するように指導してみた。パタス(さつまいも)の葉。バンタラ(マニョック)の葉。フォッレレ(ビサップ)の葉。ニェベダイ(マレンガ)の葉。ハーコウーロ。カンクン(空芯菜)。そして今育てているキャベツ。結構使える葉物はある。

「全て栄養があるが、栄養成分が違うから、同じものを食べ続けるのがよくない。だから毎日違う種類を食べるか、複数の葉物を混ぜて調理しよう」というアプローチに変えてみた。

Jam Tun!  Jam Tun!

彼らがこれまで食べて来たものを尊重し、これまでやって来た調理法も尊重しつつ、新たな食材を普及させつつ、毎日少しずつ味が変わって、しかもそれが体にもいいですよ!って感じの提案を、日本の戦後の生改さんに学びながら村人に伝えること試みてます。