何百と 言わせてもらった ありがとう~第2回熊本城マラソン完走記第2部の2 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

(2)流れに乗った

 まもなくスタートセレモニーが始まります。でもBブロックの最後尾からは、どこで何が行われているのかまったくわかりません。それでもMCの声は聞こえますので、熊本城マラソンの2分前にスタートする金栗杯熊日30キロロードレースの招待選手である川内さんたちが紹介されると、待機しているランナーの中でも拍手が起こりました。

 スタート時刻が近づくにつれて前との間隔を詰めていきますが、日向に出ると日差しが暖かく感じます。やはりこれなら半袖が正解だ、と思いました。でも日陰に入ると空気はひんやりとします。なんとも微妙な気温です。ただ風がありませんから、昨年11月のフードバレーとかちマラソンと比べるとかなり暖かく感じました。

$Road to SAROMAN BLUE-スタート


$Road to SAROMAN BLUE-スタート2分前


 やがて午前9時が近づいてきます。はるか前方で号砲が鳴り響き、熊日30キロロードレースがスタートしました。

 続いて熊本城マラソンのスタートです。スタートまでの2分間を、筋肉が冷えないよう軽く足踏みをしながら過ごしました。

 カウントダウンが進み、2度目の号砲が鳴らされます。いよいよ第2回熊本城マラソンのスタートです。私たちは拍手でそのときを喜びました。

 レースはスタートしましたが、私たちはまだまだスタートしません。しばらくしてようやく歩き出しました。

 昨年9月から練習不足が続き、フルマラソンを満足に走れるような練習ができていません。だから今回はサブフォーを狙わず、4時間30分以内に走れればいいという目標をたてていました。

 ところが熊本入りしてから思いもよらぬ体調不良で、昨夜はそのピークに達していました。目標はさらに下方修正し、タイムは一切狙わないことにしました。ただ昨年の北海道マラソンではかなり歩いてしまいましたので、今回は最後まで歩かずに、そして無理せずに完走すること。そのことだけを目標としました。

 やがてスタートラインにたどり着きます。そのあたりから少しずつ走れるようになりました。走路の一番右側に位置した私は、沿道の大観衆に手を振りながらスタートラインを越えました。スタートロスは2分30秒でした。

 スタート直後の流れはけっしてよくはありません。しかし大集団となっていますから、最初は流れに乗って走らねばなりません。ゆっくりゆっくり走ります。

 ふと前を見ると、風船をつけたランナーがいます。ペースランナーです。4時間30分のペースランナーかと思って背中を見ると、4時間と書かれています。いまのところは無理なくついて行けそうなペースで走っていますが、この後ろにつけば今の私にはオーバーペースとなることが必至です。さらにペースを落とし、徐々に自分のペースを作っていきました。

 まもなくコースは右折しましたが、私はそのまま右端を走りました。そして沿道の右側で応援してくれる皆さんに応えながら走りました。時計を確認すると、スタートラインを越えてから7分以上が経っています。いくらなんでもキロ7分を超えるペースということはないと思います。きっと距離表示は左側にあって、私は見逃してしまったのでしょう。

 私は徐々に進路を変えていき、今度は一番左端を走るようにしました。やがて見えてきた2km地点は、15分22秒で通過しました。スタートロスを除くと、キロ6分26秒で走れています。混雑していてなかなかペースを上げられなかったことを考えると、まずまずのペースと言えるでしょう。

 まだまだ周囲はランナーに囲まれた状態です。自分の思うペースで、思うラインをとって走ることはできません。ときには前をふさがれてしまうこともあります。でも焦りません。焦る必要もありません。まだ40kmも残っています。今の一瞬のスパートにかける必要は何もありませんから。焦らず後ろについて、どこかに穴が空くのを待ちます。穴を発見したら進路変更をしてゆっくりと前に出ればいいだけのことです。

$Road to SAROMAN BLUE-2km過ぎ


 そんなことを繰り返しながら、3km地点を通過します。通過タイムは21分29秒。ラップタイムは6分07秒に上がりました。このくらいが限度です。今日の自分には5分台のラップは不要です。無駄な力を排除して、無理なく6分台のペースで最後まで走れれば上出来でしょう。そうは問屋がおろさないでしょうが・・・。

 市内中心部を走っているせいか、沿道には多くの人が応援に詰めかけています。そんな声援に「ありがとうございます」と答えながら走ります。今日はいつも以上に沿道からの応援で背中を押してもらわないと、ゴールにたどり着く自信もあまりありません。

 右手に琴平神社を見て、平成大通りへと左折します。ここからしばらく直進して最初の折り返しを迎えます。コース紹介の動画を何度も見ておいたおかげで、このあたりの景色はなんとなく見覚えがあります。

 今回はカメラを持って走っています。タイムを狙おうというときはなかなかできませんが、今回のようにタイムは二の次で完走を狙おうというときはカメランもできます。フルマラソンでカメランをするのは、国内では2010年の奈良マラソン以来です。でもこのときは、30km以降の写真がほとんどありません。それだけ後半は苦しい走りとなっていました。

Road to SAROMAN BLUE-3km過ぎ


Road to SAROMAN BLUE-3km過ぎ


 一方昨年のバンクーバーマラソンでは、最後までしっかり写真を撮りながら走っています。バンクーバーマラソンのように最後まで余裕を持って走りたいものです。

 4km地点を27分31秒で通過しました。この間のラップは6分02秒です。ここまではダメージもほとんど感じず軽く走れています。順調なすべり出しと言えるでしょう。(つづく)


(3)イーブンペース


(1)空気を読めない