(4)大休止する
29分16秒。キロ6分を切っているじゃありませんか!
しかもこの間、強い向かい風でした。それでいてこのペースということは、実質的にはほとんどフルマラソン4時間ペースです。いくらなんでも速すぎます。
でも体感的にはそんなに速いはずがないのですが・・・。6分半か、アドレナリンが分泌されてちょっと速くなっているとしても6分20秒程度という感覚で走っていたのですが・・・。
距離表示が違っているか、あるいは体感速度の狂いか。後者ならばこのあと地獄の苦しみがやってくることが予想されます。
そういえば、まわりを見渡すと私よりもずっと速い人たちの顔もちらほら見えます。これはどうやら、一番やってはいけないと思っていたオーバーペースってやつでしょうか。頭の中は混乱したまま走り続けました。
最初のチェックポイントを過ぎて間もなく、公衆トイレが見えてきます。昨年はここで尿意を我慢できず最初のトイレストップとなりました。でも今年は通過できました。うん、順調です。
最初の5kmのタイムを見てペースをどうするか迷いましたが、けっして無理をして走っているわけではありません。自然体で走れているだけに、下手に抑えてリズムを崩すより、このまま楽に走り続けることにしました。この判断が吉と出るか凶と出るか・・・。
スタート時には青空が広がっていたのですが、スタートして間もなく雲が広がってきました。いつの間にか、利尻富士も雲の中に隠れています。今年こそは、レース中ずっと利尻富士を眺められると思ったのに・・・。最初から最後まで利尻富士を眺めながら走れた第6回大会を走れたことが、これほど幸運なことだったとは思いませんでした。
淡々としたペースで走りながら第2チェックポイントに到達します。ここでも水をいただきました。
10kmの通過タイムは59分34秒です。この間の5kmは30分をちょっと超えていますが、キロ6分ペースを継続しています。でも体には何も負担を感じていないので、このままいくことにしましょう。
10kmのチェックポイントを過ぎて間もなく公衆トイレの近くを通過します。そう、昨年はここで2度目のトイレタイムとなり、ここで気力が萎えてしまったのでした。トイレを出てきたとき、もうリタイアしちゃおうかという弱気になったことを覚えています。でも今年はまだまだ全然大丈夫です。
間もなく沓形に差しかかりました。ここまで小さな集落を通過しながらきましたが、大きな集落はスタートしてから初めてです。初めて参加した第6回大会のときは、この沓形の集落でも応援の人は数えるほどしかいませんでした。でも年々応援の人も増えていて、それぞれの家の前に住民の方々が出てきて応援してくれています。そんな皆さんに手を振りながら応えていきます。
沓形の市街地を抜けると上り坂が登場します。ここの道路表示板に、近年は「マラソン開催中」の情報が掲示されるようになりました。私が参加し始めた頃は、「ゆっくり走ろう利尻島」という表示が出ていて、「ゆっくり走っているわい!」とひとりでツッコミを入れていました。
ここまではカメラを持っていながらまったく写真を撮らずに走っていた私。バンクーバーマラソンのときとは大違いです。ちょっと気持ちに余裕がなかったのかもしれません。思い出したように写真を撮り始めます。
やがて利尻高校の横を通過し、第3チェックポイントの夢交流館に到着します。エイドの手前に15kmの表示があり、1時間29分22秒で通過しました。この間の5kmも30分をちょっと切っています。
私はエイドに寄る前に、夢交流館の中にまっすぐ向かいました。ここのトイレ、実は皆勤賞です(笑)。夢交流館の建物を見ると、トイレに寄りたくなってしまいます。すっかり条件反射となっています。
ゆっくりトイレを済ませて大休止とします。ちょっとオーバーペースのきらいもあるので、ここで少しペースを落とそうと思いました。そのため、ここでブログもちょっと書きました。そしてエイドで餅を食べてスポーツドリンクを飲んで8分程度の滞在時間となったのですが、後から考えてみれば体力的に余裕があるときにこうして長逗留をしても、あまり意味がなかった(というか、逆効果かも)ような気がします。
ゆっくり休んでさらに先を目指しました。(つづく)