《熱烈に愛された美女》小野小町 4 | 守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

守護神のさがし方|千柱の神様を知る神話ライター・上江洲規子が教える 

弱音を飲み込み、人に頼られるのが得意な長女タイプのあなたへ
ふとしんどさを感じたとき、気軽に愚痴を言える相手のような
自分だけの守護神をさがしてみませんか?

あまりにもしつこく言い寄ってくる深草少将に対し、ついに小野小町は根負けしてしまいます。

 

「わかりました。それでは百夜、私のところに通ってきてください。百夜目に、あなたの愛を受け入れましょう」

と、約束するんです。

 

深草少将は大喜び。

毎夜小町のいる窓辺に通っては、「僕です。きました」とささやき続けました。

 

そして九十九夜まで、少将は小町との約束を守り続けます。

 

……しかし、深草少将と小野小町の家は、どれぐらい離れていたのでしょうね?

小町としては断る口実に「百夜通ってみろ!」と言ったわけですから、相当遠かったのだろうと思います。

 

小町は「あてがはずれた」と思ったことでしょう。

 

伝説の結末には、さまざまなパターンがあります。

1.九十九夜目に深草少将は風邪をひいてしまい、そのまま命を落とした

2.少将が九十九回訪ねてきた後、小町は逃げ出した

3.百夜目になって、いきなり少将の恋が醒めた

などなど。

3番目のパターンでは、小町はおめかしをして待っていたとするものも多いみたい。

 

冷たい美女に対する、モテない男のひがみが爆発してる気がするわ(^^ゞ

 

でも、百夜目は通うのをやめたってのはあり得る話しにも思います。

深草少将は、怖かったんじゃないでしょうか。

 

憧れ、恋焦がれ、慕い抜いた女性と、実際にあ~だこ~だすると想像したら、嬉しさよりも怖さが先立つんじゃないかな。

 

いわば、女神が普通の女性になっちゃうわけですよ。

なんと無残な凋落ぶり。

 

忽然と、「こりゃ夢見てる方が楽しいな」と達観しちゃったのだとしても、不思議はない気がします。

 

 


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