【書評】パフォーマンス・コーチング―会社が変わる・組織が活きる | 飯島法久の毎日がプロジェクトマネジメント!

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本日は、組織で働く人たちのパフォーマンスを最大化するための、コーチング理論について書かれたこの一冊をご紹介します。



まずは、いつものようにこの本と出会ったエピソードですが、2004年出版なので、ちょうど僕が20代の終わりを迎えようとしていた時ですね。


以前のブログでもご紹介しましたが、その頃の僕は、小売店舗のマネージャー職をやっておりました。

そして、この本を手に取ったきっかけは、
部下のマネジメントに悩んでいたことです。


その時の僕は、一言で言うと「鬼コーチ」のような感じでした(笑)

今の雰囲気からはあまり想像が出来ないでしょうが。。


とにかく、その頃は自分の任される仕事もたくさん増えたお陰で、たくさんの部下を動かさなければならなかった。


そして、その時の僕は、徹底的に「指示」することしか考えていなかった。

部下に妥協を許さず、「トップダウン」に従えない部下へは圧力をかける、典型的なパワーマネジメントだったと思います。


当然予想出来ると思いますが、次第に部下の気持ちが離れていくのを、日に日に感じるようになりました。

辞める人も増えていき、比較的生活に困っている辛抱強い人たちだけが残っていたように思います。


たぶん、賢明な読者の皆様はお分かりになると思いますが、こんなやり方をしていれば、当然私が見ていないところでは「サボる」ようになるんです。


一種の反動ですよね。
私が見ている時だけ、一生懸命やっているフリをするようになる。


結局、力で押さえつければ押さえつけるほど、言われたとおりにしかやらなくなり、部下は主体的に考えることを放棄する。

その方が楽だし、僕に怒られないから。


何でこんなやり方をしていたんだろう?って今なら思うけど、当時の僕は人間的にも未熟だった。

何となく間違っていることに気づいてはいたものの、時間が無いことを言い訳にして、なかなか自分と向き合うことをしませんでした。



そんな時、ふと書店で目に留まったのが、この赤い表紙でした。


コーチング?


当時の僕は不勉強だったせいもあり、初めて耳にする言葉でした。

その前の「会社が変わる組織が活きる」という言葉にも、鋭く反応しましたね(^_^)

だって、自分が最も悩んでいたことが書いてありそうだったから。


ワクワクしながら表紙をめくると、こう書いてあったのです。

「なぜ結果が出ないのか?」
あらゆるチーム、組織のパフォーマンスを上げるコーチング技術がわかる!




。。。
なんか、僕が欲しいヒントが載ってそうではないか!


そうして、僕はすぐにこの本を買って、業務の合間に、貪るように読んだ記憶があります。


少し、具体的な中味の説明へ移ります。

当時のことを覚えていらっしゃるか分かりませんが、
実はこの頃はコーチングブームでした。


何故かと言うと、バブルが弾けて10年経ち、企業が従来のマネジメント方法では対応出来ないことが、顕著に現れ始めていたからです。


安定雇用にも疑問符がつけられるようになり、組織への忠誠心が低下し始めていました。


僕だけでなく、多くのマネージャーが部下のマネジメントに悩んで、コーチングの本を手にしたのでしょう。


当時の米アマゾンサイトで「Performance coaching」で検索すると、何と1万冊がヒットしたそうです!


アメリカ人も、同じように悩んでいたのですね。
因に、コーチングのルーツは、こちらのようです。


英語が得意な方は、是非とも原書をお読み頂くことをオススメします。

私もまだ読んでいませんので、何れ読みたい本の一冊です。


これ以来、たくさんのコーチングについての本が出版され、日本でもコーチングという言葉は、一般的になりました。


コーチングとは一体どんな概念か?
それを以下でご説明します。



◎パフォーマンスコーチングはどんな人に効果があるのか

パフォーマンスコーチングとは、メンバーに責任感を促し、主体的に行動するためのマネジメント手法です。

ううっ、今聞いても少し心が痛みますね。。


有名なところでは、日産のゴーン社長の成功例が有名です。

彼がやったことは、「コミットメント」という概念を持ち込むことにより、自分で目標を立てそれを必ず達成する、責任感を社員に植え付けることにより、V字回復を実現しました。


今では、コミットメントという台詞も一般的になったと思います。

皆様の会社でも、一人はこの言葉を使う上司がいるのではないですか?


それまでは、昔の私がやっていたようなトップダウン型のマネジメントが主流で、「労働者がいかにサボらないか」を管理することに、マネジメントの主眼を置いていました。

要するに、「やらせる」から「自分からやる」に変えるための、行動規範ということですね。



◎人を活かす、動かす実践コーチング術

ある程度大きな組織を動かすためには、組織戦略が必要になります。

つまり、「根性論」のような精神的なものだけではなく、体系的かつ実践的なロジックも無くては多くの人間が属する組織を動かすことは容易ではないですよね。

この項目では、コーチング理論としてよく経営コンサルなどが提唱している、GROWモデルとか、ゼロベース思考といった概念も説明されていますが、少し専門的な知識になりますので、今回の書評では割愛します。


概念的にはとても重要なことですが、僕から言わせると、何のことは無い皆様にも馴染みのある事象を、わざわざ難しい言葉で表現しているに過ぎません。


ちょっと横道に逸れますが、コンサルタントという仕事は、ある程度こういった難しい言葉を使うことで「見栄え」を良くする必要がありますので、それはそれで結構なことだと思います。


それは、僕らIT業界に属する人間も同じ。

難解な横文字を混ぜることで、顧客を煙に巻いている場面が多々あります。

だから、個人的には「ITコンサル」なんて、胡散臭くて仕方ない表現だと思っています。

僕の普段やっていることも、一般的に見ればITコンサルにあたりますし、実際そういったスキルを保持していますが、当たり前のことを当たり前にやってるだけ、と認識しています。

因に、僕のコンサル観は、こちらの影響を強く受けています。参考までに読んで頂けると嬉しいです(^_^)


話を戻しますが、要点をまとめると、以下のような要素に分解出来ます。

①意識を高める
②理念を伝える
③オーナーシップを高める
④期待する
⑤フィードバック
⑥責任と協働意識を共有する
⑦キャリアプランを示す
⑧コミットメントを引き出す



実践の場で一番難しいと思われるのは、これを「組織として仕組みにする」ということではないかと思います。

でも、あくまで人間を動かすのは人間。
これを念頭に置いて理解を進めないと、「頭でっかち」なコーチング理論になってしまうでしょう。


他には、組織としてリーダーを育てる理論、戦略を定着させるための理論などが紹介されています。

図解などを使って、比較的平易に説明しているのでとても分かりやすいですが、要点を押さえておかないと、大学の授業のように「机上の理論」だけで終わってしまう恐れがあるなあ、と感じました。


今でこそ、僕は普通に読める内容ですが、ビジネスの基礎知識を身につけていないと、少しハードルが高いかも知れません。

確か、僕も当時はあまりよく分からなかったかも。。


現場である程度身につけた経験を体系的に整理したい方に、特にオススメ出来ると思います。

「理論」×「本質」で、相乗効果が期待出来ますので、どちらかというと「理論不足」を感じている方にはピッタリだと思いますね(^_^)











皆様との良きご縁に深く感謝申し上げます m - - m



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