我が家は大工さんに手刻みしてもらいました。


一番の理由はプレカットでは渡り顎が出来ないからです。


渡り顎は木を組んだときにどうしても上の木と下の木の高さが違ってしまうので、プレカットでやろうとすると、


2階床や小屋梁の天端の高さに3次元の管理が必要になってしまいます。


また、小屋梁は丸太梁を使用する事が多いので1本1本寸法の違う材料の管理が大変になってしまいます。


加工自体はそれほど複雑ではないので、プレカットで出来るような気がするのですが、プレカット業者は、


渡り顎はできないとしか言いません。


渡り顎でなければ、出し桁もできません。


こんなにシンプルですばらしい仕口をプレカット業界はなぜ取り入れようとしないのか


不思議でしょうがありません。


逆に言えば、プレカット業界が渡り顎を取り入れられたら、手刻みの仕事が奪われてしまうと思います。

(渡り顎を取り入れてる人はそもそもプレカットを排除してたりして)


このままプレカットでは渡り顎が出来ないままの方が良いと思っています。


渡り顎:ひとつの木をもう1本の木に乗せるという日本古来の仕口方法で、木どうしに溝を作り、そこを互いにはめて組んでいく仕口 。

御代田町の名湯大谷地鉱泉で知り合いのガス工事屋のKさんが、以前こんな事を話していました。


給湯器のメンテナンスでお邪魔したお宅で、給湯器がちょっと点いちゃ止まっての繰り返しが何回も繰り返され、これじゃあ給湯器がかわいそうだ。 みたいな話をしていました。


台所で、シングルレバーの混合水栓の場合、お湯を出すつもりじゃなくてもレバーの位置が真ん中くらいにある場合は、水を出すと給湯器が点火してしまいます。


夏なんか、ほとんどお湯じゃなくても平気なのに、特にちょっと使う場合なんか、そのたんび給湯器が点火してしまいます。


その話を聞いてから、水だけで良い場合は、レバーの位置を水側に動かしてから使うようにと注意しておりましたが、この前TOTOのメールマガジンにエコ水栓というのがあって、まさに私の要望をTOTOの人が聞いてくれたんじゃないかと錯覚に陥るほどのドンピシャ感でした。


究極の水量を追求する便器とか、今回のエコ水栓をガラパゴス化と言うのであれば、ガラパゴス商品も、おおいに賛同したいと思います。(でもシンプルな防水携帯も作ってください)


うちの嫁さんには、水栓金具を交換するお金はありませんと、きっぱりと言われました。


伝統工法で建てる自宅のブログ-看板

ピアノ教室の看板を作りました。


写真は裏側ですので、文字が見えません。


笠木(一番上の横材)へのホゾ差しを地獄ホゾにしようと思いましたが、腐っても笠木だけ簡単に変えられるようにと、技術的に不安だったので、ただ差してあるだけです。


貫(下の横材)は最初通し貫(柱貫通)の掛け子掘りの予定でしたが、下げ鎌の楔打ちとしました。


こちらの方が耐久性は高いと思います。(耐震性は通し貫のが高いと思います)


なにしろ、手鋸と鑿だけで制作したもので、長い材料は幅を落とすのが大変です。


特に棟木のしのぎは角度がついていたので、とてもたいへんでした。


貫は幅を落とさず使ったので、ちょっとバランスが悪くなってしまいました。


金物を全く使わない工法は耐久性が高く傷んだ場合の交換も容易です。


そんな事を実感した看板制作でした。


※しのぎ:水切れを良くする為に∧型にすること