前置きのストーリーがあります!まだ読んでない人は、どうぞ♪

■スピンオフ前置き■もーやめてー!元遍路の友人が元遍路の私に押し付ける絶対に要らない物!

■遍路スピンオフ■Noisyの影響を受けて遍路に行こうとしているグローバルな二人1/5

■遍路スピンオフ■泥沼にはまってこっそり泣く青年とお経が読めなくて泣く遍路2/5

■遍路スピンオフ■だめだー!諦めるのか!?スイス人自転車遍路の最大の危機!3/5

 

 

■Noisyの連続3周自転車野宿遍路スピンオフ■
※登場人物名は全て仮名です。全5話

 

― Noisyの影響を受けて遍路へ行ってしまった人達のドラマ―

 

私「自転車が壊れたなら、それをそこへ捨てて、そこから歩けばいいじゃん!ここまで帰ってくる金があって、万一ただで自転車が直って四国へ戻るなら、その交通費は持ってるって事だよね?」

マイケル「うん。」

私「それじゃあ、その金で安いバックパックを明日買いに行きなよ!で、自転車は思い出があって捨てられないなら、どうせ送り返すつもりだったんでしょ?東京に。」

マイケル「うん。東京へ送ろうと思ってた。」

私「それに今、高知市内でしょ?街まで近いでしょ?」

マイケル「近い。」

私「それじゃあ、明日、高知市内の町で安いバックパックを買って荷物をまとめ直して、自転車は送り返すんだよ。」

 

マイケルは、突然、何かの光が差し込んだかのように明るい興奮した声になる。

 

マイケル「そうかーー!Noisy!ありがとう!思いつかなかった!」

私「そうだよー!マイケルの身体が壊れたなら仕方ないけど、壊れたのは自転車じゃん!なんで諦めてるのか、さっぱり私にはわからないよ!自転車がダメなら、そこから歩くんだよ!」

マイケル「うわあああ~~!Noisy!ありがとう!確かにー!なんで、俺、諦めて落ち込んでたんだろう!わかった!それじゃあ、明日の宿の予約は、やっぱりキャンセルで!とにかく明日、バックパックを買いに行ってみる!」

私「うん!そうして!」

マイケル「いや~~!Noisyに電話してよかったよ!もう、俺、一巻の終わりって気分だったから!わかった!それじゃあ、やり遂げたら、もう一度連絡するから!その時に会おう!」

私「おう!待ってるぜーーー!グッドラック!」

 

また翌日、マイケルから電話があるかもしれないと思っていたのだが、そのまま電話もなく、2週間ほど過ぎたある日、宿の入り口にマイケルが入って来るのが見えた。

 

マイケル「Noisy!」

私「おお!マイケル!」

 

マイケルは、とても晴れ晴れとした顔で、凄く嬉しそうだ。

 

マイケル「Noisy!俺、結願したよ!」

私「おお!おめでとう!よかったじゃん!」

マイケル「Noisyのお蔭だ!ありがとう!」

私「いや、自分が頑張ったんだから、結願したんだよ!」

マイケル「いや、俺、あの時、Noisyに電話してなかったら、絶対に100%帰って来てたし、自転車の保証の事は、自分でも藁にも縋る思いだっただけで、無理だろうと思ってたし。だから、絶対、リタイヤだと思ってたのに!」

私「だって、マイケル、電話して来た時、声が凄い沈んでたもん。」

マイケル「だって、絶対無理だと思ったもん。でも、Noisyになんで自転車にこだわるんだ。できるようにやれって言われてなかったら、絶対にやってなかったと思うから。」

私「で、じゃあ、あの後バックパックを買いに行ったの?」

マイケル「うん。って言うか、いや、実際はバックパックを買ってないんだ。」

私「え?」

マイケル「僕は、翌日、Noisyに言われた通り、本当に歩こうと思って、高知市内へバックパックを買いに出かけたんだよ。それで、途中でお店がわからないし、通りかかったオジサンにかばん屋さんはあるかって聞いたら、なんと、そのおじさん、自転車屋さんだったんだ。」

私「おお!凄い偶然!」

マイケル「それで、そのおじさんに、何でその鞄がいるのかって聞かれて、自転車のフレームが真っ二つ割れて壊れたから、ここから歩こうと思ってるって話をしたら、突然、おじさんは自転車屋だって言い出して、直してやるから見せてみろって。」

私「おお!」

マイケル「そしたら、そのおじさんが、おじさんの自転車屋まで行こうと言い出して、おじさんの所で溶接してくれて、自転車のフレームを頑丈に直してくれたんだよ!しかも、ただで!」

私「って事は、そのまま自転車で回れたって事?」

マイケル「そうなんだよ!結局、最後まで自転車で回れたんだ!」

私「それは、よかったね!やっぱ、遍路は不思議でしょ?必ず、困った時に諦めていなければ、奇跡が起こるよね!」

マイケル「本当だよ!あれは、本当にミラクルだった!でも、Noisyに電話してなかったら、絶対に高知市内へバックパックを買いに行ってなかったはずだから、あのあじさんにも出会わなかったと思うし。だから、やっぱり思うんだよ。確かにミラクルは起こったんだけど、Noisyが諦めるな!って一言を言ってくれてなかったら、俺は完全に終わってたなって。だから、どうしてもありがとうを言いたかったよ!ずっと、遍路中!」

 

 

私「そう!マイケル!それは、よかった!一つの事がダメなら、頭を柔らかくして、他の可能性を探らないと!」

マイケル「そうだったね。ほんと。僕は、いい勉強をさせてもらったよ。ありがとう!」

 

マイケルは、そんな大きなことが途中で起こったにもかかわらず、最後までやり遂げられた達成感からか、心の底から満足して喜びに満ちた顔をしていた。

そんなマイケルもチェックアウトして行き、また楽しい日常をお客さん達と私は過ごしていた。

その間、ずっと、私に会いたいと思い、私と結ばれることを祈りながら、ひたすら足の豆と闘い歩き続けている遍路の青年がいる事など、私は考える事もなかった。

私は、宿でお客さんと話をしていると、玄関でスタッフの女の子が叫んでいるのが聞こえてくる。

 

スタッフ女「うわあ~~~~~!りょう!!!どした~~ん!成長したねーーー!格好よくなっとるよーー!なんでーー!?きゃああ~~~!何があったーーーん!?」

 

私は、あまりにも驚いて興奮しているスタッフの叫ぶ声に驚いて、玄関を見ると、山形出身のりょうちゃんが野宿遍路の格好で立っていた。

確かに、身体も細く、頼りなさそうだったりょうちゃんが、凛々しく男らしく大人へと成長したように見えた。

 

スタッフ女「ちょっとーーー!ほんまに、格好よくなっとるけど、どしたーーん!?遍路に行ったら、なるーーん!?きゃああーーー!ほんまに、凄いねーーー!この前来た人とは、別人になっとるじゃーーん!」

 

りょうちゃんの成長ぶりに、そのスタッフの子も信じられないと言った様子で興奮している。

 

りょうちゃん「久しぶりです!でも、僕、別に変ってないですよ?」

スタッフ女「いやーーー!!絶対、違うってーーー!ほんまに男らしくなって、なんか格好良くなっとるんじゃけどーー!」

りょうちゃん「いや、そんな事ないですって!」

 

余りの興奮に叫び続けているスタッフの女の子の前で、玄関にりょうちゃんはバックパックを背負ったまま立ち尽くしていた。

と、次の瞬間、そのスタッフの女の子はある事に気が付いたようだ。

 

スタッフ女「いやーー!マジ、びっくりしたけーー!人ってこの短期間でこんなに変わるんじゃー!やっぱり、遍路したら変わるんかねー!?ってか・・・・。」

 

彼女は、りょうちゃんの足元に目が行く。

 

スタッフ女「なんなん?そのダッサイ、オッサンサンダルは?」

りょうちゃん「ははは!途中でサンダルが壊れて、歩いて行ける範囲のお店に行ったら、こんなのしかなかったんですよー!僕もこれが欲しかったわけじゃないんですけど!」

スタッフ女「ははは!いやあ、折角、格好よくなったのに、そのダッサイおっさんサンダルだけは、ないけえ。」

 

私も話に入り込む。

 

私「確かに、なんかたくましくなったね!でも、そのサンダルは、100年の恋も冷めるわあ。入院中のオッサンが、ちょっと売店に買い出しに行く時のサンダルじゃん。」

スタッフ女「ほうじゃろ?あのサンダルはないじゃろ?ははは!!」

りょうちゃん「ははは!遍路中は、仕方なかったんですよ!歩きだから!」

私「まあね。行動範囲が限られるからね!」

 

りょうちゃんとは、こんな再会を果たした。

 

つづく・・・   

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