猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつ秘める私。  暴く俺。の、蓮さん視点なもの蔵形匿影の君。の続きとなっております。
なんだかややこしいね。

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恋愛に、彼女に、過度の期待は厳禁………けれども


押さえつけた震える身体、薔薇色に染まった頬と不安に揺れた縋るみたいな瞳。
純情乙女な彼女に強引に推し進めた昨夜の夜………それでも彼女は涙を流しても、最後まで俺を拒絶しなかった。



だから………彼女の手首から手のひらへと手を移して、指と指を絡ませて重ねる。
肌を合わせた彼女が、はじめての痛みの中でも縋るみたいに離さないでいてくれた俺の手。
彼女のものだと、そう主張してくれているようで嬉しかったんだ。



今まで臆病なほど慎重だったけど、もうそろそろヘタれた俺なんて捨てて勇気を持って一歩踏み込んでみてもいいだろう?



見下ろした愛しい彼女、その気持ちのままに
「キョーコ」
ずっと呼びたかった呼び方で彼女の名前を呼ぶ。
「キョーコ……キョーコ、キョーコ」
呼ぶほどに、赤く赤く色めくキョーコの頬が嬉しくて唇を止めることが出来ない。
だって、この声で呼んでも………おしおき、だなんてそう思わないからこその色だろ?
ぎゅうと目を瞑りいやいやと首を振って、必死に役を貼り付けようと無駄な抵抗をしている愛しいキョーコ。
甘い香りのする首すじに顔を埋めて、クスクスと笑いながら
「おや、つれないな。肌を合わせたのに呼び捨ても許さないんだ?………つめたいんだね。」
だなんてそんな事を耳朶に吹きこむ。
俺って……ほんと好きな子には意地が悪いよな。
「そんなにダメなんだ?………じゃぁ、最上さん?」
いつもの、いつも通りの呼び方。
だけど、この胸に深く根を張った致命的な病の持つ熱をたっぷりと乗せた声。



真っ赤に真っ赤に、たまらなくかわいく色付く愛しい愛しい彼女。
なかなかに白状してくれやしない彼女に焦れて、重ねた手を片方だけそっと離す。
寂しいと、そう雄弁に物語っている紅茶色の瞳が、俺をますます調子付かせて意地悪にしているって気付いてる?


へにゃっと眉を下げて、瞳を隠すように瞼を閉じて身を硬く震わせる………そんな小動物めいたかわいい彼女の鼻先にがぷりと歯を立てた。
びっくりして目をまるく開ける彼女に、ニヤリと笑って
「いつまで隠すつもりかな?がんばってるのもかわいいけど、そろそろもっとかわいい最上さんが見たいな………俺の事の好きなんでしょ?」
そう乞い願うように告げれば、愕然と見上げてくる瞳が俺の背中を押してくれる。
やっぱり、君は顔に出やすいね。
ほわっと胸に灯る喜びに、顔がゆるゆると弛んでいくのがわかるけどとめようもなかった。
「ねぇ、言って?言ってくれたら、べたべたに溶けるくらいに甘やかして大事にしてあげるから」
そう強請るのになかなかに諦め悪くも、はくはくと口を開閉させるだけで俺の望む言葉をくれない彼女。
「言ってくれるまで、キョーコって呼び続けようか?………それも、楽しそうだね?」
俺を見上げる愛しい彼女にそう宣告はしてみたものの………





そろそろ俺の方が名前を呼ぶだけなんかじゃ、我慢出来そうもないんだけど………
撫でまわす程度にいじめて吐かせてしまうなんて、それもまたいいかな?




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爬羅剔抉[はらてきけつ]…隠れた人材をあまねく求めて用いること。または、人の隠した秘密を暴きだすこと。


お試し逆視点第2弾。
リクエストしていただいてた残り1つ、四月馬鹿はあまりにも時期外れ故勘弁してやってくだされ。(´Д` )
逆視点は、楽しいと言ってくださる方もいるんですけれども、読み返しってのが羞恥プレイなんで他のを自主的に書いたりは、たぶんしないとですよ。
他に逆にして面白そうなのどれかわからないですし。


さて、今のところこの変な敦賀さんシリーズにいただいたネタも書き尽くしました。
皆様、楽しいネタをありがとうございました。
ので、新たにネタが降ってくるかやって来るかするまでこのシリーズの更新は止まると思われます。


たくさんの方に愛していただいておりますこのいろんな敦賀さんシリーズのネタは随時どなたからでもwelcomeしておりますので、何かふたりのはじめてのほにゃららな朝に敦賀さんがしでかしたら楽しそうなネタがございましたら、猫木にそっと教えてやってくださいましたなら嬉しゅうございます。


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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