第百三十四話 猫街会議 冬の防寒対策 | ねこバナ。

第百三十四話 猫街会議 冬の防寒対策

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第十五話 猫街会議 ステレヲタイプ(5歳 オス/1歳 メス/10歳 オス)
 第三十八話 猫街会議 猫のあるある(5歳 オス/1歳 メス/10歳 オス)
 第六十一話 猫街会議 総選挙特集!猫が物申す!(5歳 オス/1歳 メス/10歳 オス/3歳 メス)
 第九十三話 猫街会議 猫もチェンジ?(5歳 オス/1歳 メス/10歳 オス/3歳 メス) もどうぞ。


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登場猫 ハチ:通称ハッつぁん。斑のオス。大阪弁。
    トシロー:通称トシちゃん。白黒はちわれのオス。べらんめえ調。
    マリモ:通称そのまま。茶トラのメス。広島弁。
    タゴサク:通称そのまま。メインクーンのメス。ゴージャスお姉系。


「にゃぁーむん」
「なーうん」
「....」
「みゅ~ん」

「さて、今日も集まったな」
「おう」
「あいっ」
「来たわよ」

「それにしてもごっつ寒いな~」
「おう。だからほら、うちの父ちゃんが段ボールハウス作ってくれたぞ」
「むふふ、ぬくぬくじゃの~」
「まあ、風除けにはなるわね」
「あー、また憎まれ口叩きよるこのおばはん」
「何よおばはんとは失礼ね」
「まあまあ止めなはれや二人とも。まあええわ。これより、猫街会議を始めます」
「みゃーい」
「ほいほいほいほい」
「トシちゃん今日は何やねんそれは」
「うちの招き猫のまね」
「さよか...では今回も、わたくしハチが議長をあい務めます。どうぞよろしゅうに~」
「こちゃらこそ~」
「さっさとやろうぜ」

「さて今回はどうしょ」
「やっぱり季節の話題がいいよな」
「そうねえ」
「あー、あちし、あるある」
「おおマリモ、お前もとうとう議題を出すようになったか」
「うれしいなあ...おっちゃんはほんまうれしいわ...ウルウル」
「ふん、まあやってごらんなさい」
「へんだ、べーー」
「まあまあ。んでマリモ、お題は何?」
「えへへ、じゃあ、いくじょー」

猫はこたつで丸くなる、だけじゃない! 冬の防寒対策

「おおー」
「まさに季節の話題だな」
「じゃろ? あちしら猫はやっぱし、ぬくいもんが好きじゃけえ」
「ふん、ま、まあ、いいんじゃないの」
「タゴサクよ、あんましライバル視し過ぎると、足下すくわれるぞ」
「そ、そうね。気を付けるわ」
「じゃあ、誰からいくねん」
「あ、じゃあ、あちし、いくー」
「じゃあマリモ、いったって~」
「えへん、あちしは、これじゃ!」

テレビの上が、すきー!

「おお、これはええな」
「じゃろ? テレビの上って、えっらいぬくいけえ、あちしの指定席じゃし」
「ああ...俺ん家もうそれできねえんだ」
「えー、なんでトシちゃん」
「うち、去年テレビ買い換えてさ。うっすいやつになっちまったんだよ。乗っかったらすぐぐらぐらするから、怒られてさ~」
「あら、私の家はもうとっくの昔に薄型テレビよっ。地デジ対応じゃなきゃあね、おほほほほ」
「ハッちゃん、ちでぢって、なんじゃ? きれぢとかといっしょ?」
「汚いなマリモ。ちゃうねん。テレビがな、新しくなんねん。んで、今までのは使えなくなんねん」
「え-! そんなのいやじゃー! あちしのしていせき....うわーん」
「ああもう泣き出しちまったよ」
「まだまだお子ちゃまね、ふふ」
「にゃにさー、うわーん」
「こらこらマリモ、泣かんでええがな。地デジに切り替わるのは来年やしな。それに、もっとあったかいとこいっぱいあるやないかい」
「ぐずっ、それは...そうじゃけど...」
「そうだよ。マリモ、こないだ電熱カーペット買ってもらったって言ってたじゃねえか」
「うん...ほうじゃねえ...それもええねえ...」
「せやろ? やから元気出しいや。まだいろいろ防寒対策はあるさかいな」
「うん...みんな、ありがと、うわーん」
「ああまた泣きよった...」

「ほんじゃ、次は?」
「じゃあ私」
「おうタゴサク、いけいけ」
「おほん、では...」

パパのわきの下が、最高!

「おお、こらまたゴージャスやな」
「そうよ。あのメタボなパパのわきの下が、最高の寝床よ」
「臭いもすごそうだな」
「まあそれは...ほどほどよ」
「案外ローテクなんじゃの」
「しっ失礼ね! 好きなもんは好きなのよ」
「この季節、やっぱり布団周りにわしらは集まるからな。わしは爺さまの布団の上に埋まって寝るのが好きなんやけど。トシちゃんとマリモはどうや?」
「ああ、俺は次男坊の枕占領するな」
「あちしはね~、とうちゃの股の間」
「そっちのほうが臭そうね...」
「ふんだ、べー」
「つーん」
「しかし、俺思うんだけどさ、タゴサク、そんな立派な毛皮着てて、暖房いらなくね?」
「ほうじゃほうじゃ。そのまんまであったかいじゃろ」
「はあ。駄目ねえあんたたち。いついかなる時でも己の欲望に正直であるべし! そしてとことん快楽を追求すべし! それが猫ってもんよ。人間みたいにやせ我慢なんてしないわっ」
「なるほど」
「でも、わきの下にずっといたら、暑くなるだろ絶対」
「まあね。そんな時はパパのおなかの上に乗って涼むのよ。これがまた気持ちいいの」
「それはアンミンボウガイじゃろ」
「股の下だってそうじゃない」
「こらこら、喧嘩すなよもう。まあなあ。わしらが好き勝手するから、人間はちょいと迷惑なこともあるようやけど」
「まあそれを可愛いとかいって、ブログのネタにしてるからなうちの母ちゃん」
「ぶろぐってなんじゃ」
「日記書いて、たくさんのひとに見てもらうねん。そういえばトシちゃん、寝顔がコンテストで優勝したらしいな」
「実はそうなんだ。えっへん」
「あー、あちしもブログ出たいわ~」
「私はとっくに出てるわよ」
「ぐっ、くやしい...。なんとかねえちゃに、ぶろぐはじめてもらわんと~」
「マリモ、そんなに対抗心燃やすなや...」

「さあさあ、次、何かないか」
「ハッちゃん、いけるじゃろ」
「わしか? うーん、ほな...」

昼間は畳に限る!

「ほぇ?」
「いや、うちの畳の部屋、この季節日差しがけっこう入ってくんねん。それで畳がええ具合にあったまって...」
「おお、それはシブイな。さすがハッつぁん」
「和猫ならではの好みね」
「ええなあ。あちしんとこはタタミないし~」
「俺んとこは畳の部屋あるけど、北向きなんだよな」
「さよか。うーん、みんなにも味わってもらいたいわ、あのい草のかほり! そしてじんわりと陽の光の温かさを楽しむゆったりした時間!」
「やはりこれは熟年の好みだなあ。俺もトシとったらそうなるのかな」
「何やトシちゃん、もうええ年なんやから教えたるで。いっぺんうちに遊びに来なはれや」
「ぐっ...なんだか、負けた気になるから、やめとくよ。もう少し経ったらにするわ」
「どうゆうことやねんそれは」
「うーん、うまく言えねえけど...人間だったら、まだモモヒキ履く年じゃねえ!みたいな」
「わかりづらいわね...」
「そうか?」
「えー、あちしは、ぬくぬくしてみたい~。ハッちゃん、あちし、遊びにいく~」
「マリモはあかん。もちっと大人になったらな」
「ぶーーーーーー」

「さてさて、最後にトシちゃん、いったって」
「おし、ほんじゃ...」

コンロの上で、じんわり~

「...って、危ないがなそれは!」
「キケンじゃ丸焼きトシちゃんじゃ」
「ちょ、こら、ちゃんと話を聞けよ。誰も直に乗るなんて言ってねえだろ」
「でもコンロなんだから、火を使うわけよね...まさか鍋とかの上に乗るわけ?」
「いくら猫鍋が昔流行ったからゆうて、煮られたらあかんと思うで」
「だから違うって! あのさ、俺が台所好きなもんで、母ちゃんがコンロの上にカバーを付けたんだよな。俺が飛び乗って火傷しねえように」
「ふうん」
「んで、そのカバーが、厚手の板みたいなので出来てるんだけど、コンロの熱がじんわり、そこに残るんだよ。誰も台所からいなくなったすきに、そこに登って...」
「じんわりあったまるんやな」
「そのとうり」
「えー、それはいかんじゃろ。怒られるじゃろ」
「まあ、いつも怒られてるんだけどさ。ついつい登って、あったまっちゃうんだよな~」
「トシちゃん、じんわりあったまってるうちはええけど、ほんまに火傷せんように、気ぃ付けぇや」
「そうよ。私達猫は火傷の感覚が鈍いと言われてるんだから」
「そ、そうだな、気を付けるよ」
「トシちゃん、なんでそんなに台所好きなん?」
「え? そりゃあだって...き、きゅうりが置いてあったりするから...」
「相変わらずかっぱ猫じゃの~」
「おなかも壊さんように、気ぃ付けぇや」
「お、おう...」

  *   *   *   *   *

「とゆうことで、今日の猫街会議、これにて終了! ほんじゃ、次回もよろしく~」
「あ~い」
「おう」
「じゃあね」

「うみゃ~」
「なっ、うーん」
「....」
「みゅ~」


おしまい






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