第三十八話 猫街会議 猫のあるある(5歳 オス/1歳 メス/10歳 オス) | ねこバナ。

第三十八話 猫街会議 猫のあるある(5歳 オス/1歳 メス/10歳 オス)

※第十五話 猫街会議 ステレヲタイプ(5歳 オス/1歳 メス/10歳 オス)もどうぞ。

「にゃぁーむん」
「なーうん」
「....」

「さて、今日も集まったな」
「おう」
「あいっ」

「では、これより、第...何回やっけ?」
「忘れましたあ」
「前回もやったぞそれ」
「そうやったっけ...。まあええわ。猫街会議を始めます」
「ふにゃあーい」
「どんどんぱふぱふ」
「お、今回は鳴り物ありかい」
「いやこれは擬音語」
「さよか...ではまた、わたくしハチが議長をあい務めます。よろしゅうおたの申します~」
「こちゃらこそ~」
「はやくやろうぜ」

「では、今回の議題は、これ!」

猫のあるある

「あるある?」
「そうそう、あれや、猫やったら、これはあるやろ~、みたいなことを、どしどし挙げていくねや」
「会議というより、もはや大喜利だな」
「どっちでもええねん。集まって話すネタがあればええねん」
「どっかで聴いた歌みたいじゃの」
「そこはツッコまんでええの。ささ、なんかないか?」

「じゃあ俺いくわ」
「おおトシちゃん、いったって」
「ごほん。では...」

くさい足が、すきーー!

「あるある!」
「これはあるじゃろ」
「だろ? 俺なんか、部活から帰ってきた長男坊の足、がっつり嗅いじゃうもんね」
「ぐわああ~~、たまらんなそれ」
「なのに、そうやって嗅いでたらさ、くさいからやめろ!とかいって、引き剥がされるんだよな」
「そのくささが、たまらんのじゃろ。むふ」
「おお、マリモも好きなくちじゃな」
「そうそう、あんね、うちのとうちゃの足、仕事がえりの足、すきじゃわ~」
「そして、やっぱ靴下はいてないとダメだよな」
「そらそうや。あすこに臭いが染みこんで...ええ具合に発酵して...」
「うわ~、なんかすごそう」
「人間は、なんで嫌いなんだろうな、あの臭い」
「ほうじゃね、ほかの臭いもんは、いっぱい食うとるのに」
「味噌とかセロリとかな」
「あ...お、俺セロリは...ちょっと好きだな」
「うわー! またヘンタイが出おった!」
「かっぱに続いて、バッタ猫やな」
「う、うるせえっ! いいじゃねえか好きなんだから」
「まあそれはいいとして、これはみんな、◎ってことで、ええやろか?」
「おうっ」
「あーい」

「さあ次は、マリモ、なんかないか?」
「えっと、えっとね~」

じゃぐちのみずを、のませろーーー

「おお、あるある!」
「へえ、そうなんか?」
「あり、ハッちゃんはちがうん?」
「いやべつに...わしは、そう思たことないなあ」
「そうか。俺は好きだな、蛇口からじょろじょろ」
「じゃろ? うちのねえちゃが顔洗っとるときに、いっしょにせんめんだいに乗って、べろべろ~ってするの」
「それは怒られるやろ」
「えへへ、じつはそう」
「やめなさいよ~」
「俺は、あれだな、お母ちゃんが野菜洗ってるときに、ささっとシンクに飛び乗って、べろべろ~」
「んで、キュウリでも盗むんかいな」
「ひ、人聞きの悪い! 盗むんじゃねえよ、貰うんだよ!」
「へえ~」
「...ん、まあ、たまにはな、ささっと...」
「ほれみい」
「ちょ、話が違うだろ! なんでハッつぁんは蛇口に興味ねえんだ?」
「なんでやろなあ。うちな、あれ、なんとかファウンテンゆうて、水が飛び出てくる道具があるんよ」
「へええ~、はいてくじゃの」
「それを毎日べろべろしとるから...あ、その前は蛇口もなめてたか」
「ああ...ついに記憶が...年は取りたくねえな」
「失礼な!」
「じゃあ、これも、◎で、いいじゃろ?」
「むう、そ、そうやな」
「悔しそうだなあ、ハッつぁん」

「ああもう、ほかにないか?」
「ハッつぁん、なんかねえのかよ?」
「ああ、わし? そうやなあ」
「べしーっといってな、べしーっと」
「んー、ほなら、」

地震予知は、無理=!

「ってあたりまえだろ!」
「いやいやいやいや」
「なんだそのいやいやって」
「けっこう期待されとってな、わしん家では」
「まじかっ」
「じしんよちって、なんじゃ?」
「ああ、マリモはまだ地震知らんのんかい。地面がな、ぐらぐらぐらって揺れて、家や家具も揺れてまうんや」
「こないだ少し小さいのが来ただろ。ぐらぐらって」
「あー、かあちゃがあわててガス消しとった」
「そうそうそれ」
「べつにー、なんも感じんかったよ、あちし」
「怖くもなんともないよな」
「うん」
「まあもっとも、めっちゃでかいのが来たら、コワイで~」
「そうなのか?」
「わしがまだ小さかった時分にな、でっかい地震が来たことあってん。 上からいろんなもん降ってくるし、家のもんはみんな慌てるし、えらい事やったで」
「そうなんじゃ」
「俺ら若者にはわからんことだな」
「そ、そんな若さを武器にすなっ」
「へへ~ん」
「でも、じしんかあ...。ほんまに来たら、こわそうじゃねえ」
「そやで。マリモも気ぃつけえや」
「ふぁ~い」
「って、予知できねえんだって俺らは!」
「ああ、そうやった」
「まったくもう...じゃ、これは論外ってことで」
「あうぅ...」

  *   *   *   *   *

「ほんじゃ、今日の猫街会議はこれにて終了! 次回、誰かゲスト連れてきてくれんかな?」
「ゲスト?」
「なんじゃそれ?」
「ほら、三匹だけやと、少し煮詰まるやんか。新鮮な視点でこう、切り込んで欲しいわけや」
「ああ、そんなら、はす向かいのタゴサク呼んでこよう」
「おお、ええね。ほんじゃ次回もよろしく~」
「あ~い」
「おう」

「うみゃ~」
「なっ、うーん」
「....」


おしまい





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