◎御休処◎ 文庫本づくり その1 | ねこバナ。

◎御休処◎ 文庫本づくり その1

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皆様こんにちは、佳(Kei)でございます。
北関東は晴れ上がっておりますが、きんきんと寒さが染み入るようになりました。

にもかかわらず、マルやんはお外に興味津々です。
北方の血が騒ぐのでしょうか?
(詳しくは「第八十六話 <随筆>暖を求む」を参照のこと)

皆様も、どうぞごゆるりとなすってください。

  *   *   *   *   *

さて本日は、昨日の予告通り、「なんちゃって文庫本」の作り方を、ご紹介したいと思います。

$ねこバナ。-てづくり工房

このへなちょこな工房、もといテーブルの上から、どんなぐあいで本が作られていたのでしょうか。

  *   *   *   *   *

【工程其の一 頁イメージの作成】

まずは、ブログに書いたおはなしを、文庫本スタイルにするための下準備から。
Wordなどのワープロソフトに、おはなしの文字データを流し、文庫本の見開きイメージを作っていきます。
文庫の大きさ(A6サイズ)を意識しつつ、文字の大きさや改行幅などに気を配ります。

ねこバナ。-本作り1

そして、全体の頁数(奥付を除く)が、必ず「8の倍数」になるよう調整します。
場合によっては改行を増減したり、行間を詰めたり、文字を足し引きしたりします。
なぜそんなことをするのかといいますと...。

今回は、A4の紙に表裏両面、計8ページを印刷し、それを折りたたんで裁断するという、ほんものの本作りに似た方法をとったからです。
この方法は、ページの割付が少々めんどくさいですが、ページを揃えやすいこと、流れ作業になれば量産がしやすいことなどから、今回採用しました。次で詳しくご説明いたます。

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【工程其の二 割付】

例えば、8ページの縦書き(頁が右から左へと進行する)小冊子を作ろうと思えば、

ねこバナ。-本作り3

表と裏に、このように頁を割付け、印刷します。
(番号がさかさまになっている箇所には、文字もさかさまにプリントしなければなりません)
そして、

ねこバナ。-本作り4

四つに折りたたんで、背になる部分の折り目で綴じ、点線部分を裁断すれば、みごと8頁の小冊子が出来るというわけです。
今回はこれを応用しました。

まず、こんなものを作ります。

ねこバナ。-本作り2

よくわかりませんね(;´Д`A ```
これは、A4の紙を四つ折りにして、見開きに入れ込むように重ね、文庫本を裁断する前の状態をイメージし、かつ頁の割付を決めるために作ったものです。

ねこバナ。-本作り5

例えば40頁の冊子を作る場合なら、四つ折りにした紙を5枚重ね、各頁に当たる部分に番号を振り、割付箇所を把握するのです。

開くとこんな感じです。

ねこバナ。-本作り6

これは一枚目(一番外側)の紙の、外側の面です。
全40頁の冊子の場合、この面には、1、4、37、40の各頁が割付けられます。
(ちなみに赤字は全32頁の場合、青字は全48頁の場合の割付頁番号です)

これに従って、各頁の文字を割付けていくのですが、これはIllustratorなどの、文字ブロックをまるごと逆さまにして配置できるドロー系のソフトを使う必要があります。
作業中の画面はこんな感じ。

ねこバナ。-本作り7

(下の部分が切れてしまいました。すみません<(_ _)>)
各紙の表裏に、割付箇所を間違わないように、文字を貼り付けていきます。
ここで、最終的な行の間隔、微妙な文字の調整などを行います。

実はこの作業が、いちばんしんどいです(;´Д`A ```

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【工程其の三 印刷・綴じ・裁断】

割付が終わったら、各面を印刷します。
うちのプリンタは両面自動印刷が出来ないので、じみーに手差しで行います。
ちなみに、今回使った紙は、「書籍用紙(共用紙)72.5k A4判」です。
少ロットで売ってくれる店が少なくて、苦労しました。


ねこバナ。-本作り8

印刷が終わったら、頁順が正しくなるよう折りたたんで、見開きに入れ込むようにして重ね合わせます。

ねこバナ。-本作り9

そして、丁寧に紙を揃えたら、大きめのクリップで頁を押さえ、目打ちなどで中綴じのための穴を開けます。今回は二箇所糸かがりするので、四つ穴を開けました。

ねこバナ。-本作り10

穴を開けたら、そこに糸を通します。
今回は、裁縫箱の中にあった綿のミシン糸を使いました。
ある程度の強度があれば、なんでもいいと思います。

ねこバナ。-本作り11

ねこバナ。-本作り12

通した糸を強めに締めて、固く結びます。残った糸は少し長めに残し、あとで糊で固めてしまいます。

ねこバナ。-本作り13


さて、次に裁断です。
今回は文庫本の下辺に折り目が来るように重ね合わせてあるので、そこを一気にすぱっと、カッターで切り落とします。
(あまりがさっと切り落とすと、文庫本が小さくなってしまいます(;´Д`A ```)

ねこバナ。-本作り14

この切る作業、なかなか気合いが要ります。
しかし、力を入れすぎると、失敗します。(T-T)
カッターの切れ味も重要な要素です。

...って、ほんとうは裁断機でやればいいんですが。家にそんなものありませんので~。

じょうずに切れると、

ねこバナ。-本作り15

はい、頁がばらばらになって、本らしくなりました!

  *   *   *   *   *

ここまでが一番肝心な作業です。次からはおまけみたいなもんです。

長くなりましたので、この記事はここまで。
のちほど続きをアップします!



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