『宗像教授異考録 第八集』 | 本だけ読んで暮らせたら

『宗像教授異考録 第八集』


『宗像教授異考録 (8)』  星野 之宣/著、 小学館ビッグコミックススペシャル(2008)


三作品が収録されている。


■第1話 「廃線」

日本の地方の衰退という社会問題とその地への郷愁を描いた小品。

わずか24ページの漫画だが良くできている。


■第2話 「九呂古志家の崩壊」

縄文時代以前から続くとされる新潟県の旧家、九呂古志(くろこし)家。

この家に伝わる“黒入道”の因縁を宗像教授が暴く。

新潟県を中心とする日本海側ではつい最近まで石油が産出された。日本書紀が書かれた頃から、この地方では石油が採れた事が判っている。こうした事実に、歴史・民俗学を絡めて創作されたストーリー。ラストのオチには古生物学まで絡んでいる。博学な星野さんならではの物語だナと思う。


■第3話 「失われた島」

大分県の別府湾にかつて存在したといわれる瓜生島。この島は1596年の地震・津波によって沈んだ、とルイス・フロイスがローマに報告している。

あたかもありそうな歴史的な地質変動に、大法螺(?)をミックスして捏ね上げたプチ・サスペンス作品。

地質学・地球物理学と民俗学・考古学・歴史学の垣根を宗像教授(=作者:星野氏)の想像が強引に飛び越える。




【 星野 之宣 作品 関連記事 】


■ 宗像教授異考録  第七集
宗像教授異考録  第六集

宗像教授異考録  第五集

宗像教授異考録  第四集
宗像教授異考録  第三集
宗像教授異考録  第二集
宗像教授異考録  第一集

宗像教授伝奇考

MIDWAY 歴史編

MIDWAY 宇宙編

ブルーホール その1

ブルーホール その2

巨人達の伝説