この包丁と肉切りバサミはじいさまの形見の品。
ハサミの柄は鹿の角でスプリングも凝っている。
包丁も変わった形で、「奈良一条院 作川上」と刻印がある。
一条院作ではなく、作川上と書いているので、おそらく一条院でじいさんが作ったものだろう。
これが保管されていたのはじいさまの別宅。
海外からのゲスト、国内の財界、芸能界のゲストを招き、じいさんが考案した「エピキュリアン料理」を振る舞う「迎賓館」のような役割を果たしていた。
ここで腕を振るった洋食の料理人はマリンビレッジの前料理長だった「猿の惑星人」で、必ず食後に呼ばれ、小言なりお誉めの言葉を賜っていた。
野人も幾度か呼ばれ・・・正座して・・お説教されていた。
じいさまは珍しい魚介や木の実や山菜などが好物だった。
高価なアワビや伊勢海老ではなく、「道端のこんなものがこんなに美味しく食べられる」・・これがエピキュリアン料理の真髄で、野人の食の思考の原点になっている。
じいさまは高価なものを求めてはいなかった、食の感動は身近なところにいくらでもあるのだ。
長年側にいた野人にはそれがよくわかったが、一般的な食材しか知らない料理人達は苦労していた。
そんな食材を探し出し料理人に提供するのは野人の役目、その度に「おお~~!」と目を輝かせていた。
ヤマハのリゾート事業からの撤退と共にこの料理も自然消滅、じいさんのエピキュリアン料理の心を引き継ぐのは野人だけになってしまった。
マリンビレッジで読者が食べた料理はさほど手は加えていないが、じいさまのエピキュリアン料理とも言える。
スズキの生ハムも、じいさまの食材調達人「野人」と、調理人「猿の惑星人」が数年かけて開発した傑作品で、三重県で優秀賞を受賞、賞金2百万もいただいた逸品で全国誌にも載った。
超美味なのにあまり売れていないのは・・
単に野人が商売下手だからだ。
是非一度食べてね・・じいさんの供養の為にも。
魚の常識が変わるくらいおいしいから・・・
スズキ生ハムの食べ方
http://ameblo.jp/muu8/entry-10733717852.html
希望者は左記マリンビレッジバナーで
東シナ海流47 野人の哲学
http://ameblo.jp/muu8/entry-10139306065.html
東シナ海流58 じいさんの毒味唇役をば・・
http://ameblo.jp/muu8/entry-10169174505.html
東シナ海流59 じいさんを石鯛釣りに案内
http://ameblo.jp/muu8/entry-10172202425.html
東シナ海流60 じいさんの「鮎の粕漬け」
http://ameblo.jp/muu8/entry-10176247927.html
猿の惑星人・・
http://ameblo.jp/muu8/entry-10823167399.html