生きた化石ゴキの活用 2 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

ゴキの種類は多いが、家に住むゴキは人の心を読み、人に気を使いながら生きている。

代表種は「クロゴキブリ」で、一回り小さい茶色が「チャバネゴキブリ」だ。

明治時代までは御器(ごき、食器)をかぶる(かじる)「御器かぶり」と呼ばれていたのが、いつのまにか「」の字が抜けてごきぶりになった。

大事なタマが抜けたおかげで、古来より続いた由々しき名が、何となく汚らしい名に変わってしまった。

間違えたおばかな学者は罪なことをしたものだ。

好奇心が強い幼児期に母親が悲鳴上げて怖がらなければ子もそのように育つ。

新聞紙丸めて引っぱたけば、子もやがてそのようにするだろう。

恐怖と毛嫌いなどの感情、物事の判断さえも子孫に引き継がれてしまうものだ。

シャンプー、石鹸、歯磨き粉やうがいの習慣、野菜の見立てなど、常識の多くは道理もなく、そのようにして定着したものが多過ぎる。

「それが普通だ」と言葉で覚え、思い込んでしまうから疑うこともない。

「何で?」と聞かれ、理をもって説明出来ないものはそれに当たる。

点で捉えれば間違いではなくとも、立体的な生命の仕組みからは外れている。



「ゴキは明らかに人の言葉や意思がわかる」と、自らの体験から確信を持って調べているうちに野人ブログにたどり着いた若者もいて、詳細な質問メッセージが届いた。

腐敗物を掃除するウジも必要だから存在、忌み嫌われていたのだが今では化膿した傷の治療に役立っている。

ネズミも、新薬の開発に役立っていると言うが、その大半は意味もなく人間の欲望の犠牲になっている。

ゴキは・・人間の誤解から生じた紛争で、常に国を追われる難民のようなものだ。

ゴキが生き抜いた3億年の重みを評価する人はほとんどいないが、人類の数10倍もの歴史には人知を超えた生命の仕組みが存在するはずなのだ。

鶴は千年、亀は万年、しぶとく生き抜いた海の覇者サメの肝臓さえも重宝されている。

ゴキの評価は世界では二つに分かれ、食糧として養殖している国もあるのだ。

英語はコックローチと愛嬌があり、メキシコではラ・クカラチャと人にたとえて親しみがこもっている。



続く・・