生きた化石ゴキの活用 1 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

ゴキは嫌いではないが、格別好きと言うこともない。

他の動物や虫達と同じように接しているだけだ。

ヤモリやゴキやイエグモ、ハエトリグモは昔から人間の側で暮らし、家の中で同居してきた。

いかに毎日掃除して綺麗にしても、施錠殺菌しようがこれらは何処からともなく引っ越してくる。

青虫とキャベツ、コアラとユーカリのように、彼らは進化の過程でいつの頃からか人間と共生する道を選んだ。

植物も動物も同じ種であってもその環境次第で袂を分かち新たな道を行く。

人間から見ればはるかに知能が劣るように見えるがそうではない。

時間はかかっても確固たる意志と知恵と心を持ち、必ず成し遂げて行く。

生命力は本能であり、知恵と心のバランスがとれている。

人間は間違いを繰り返してきたが、すべての動植物には一切それが見られない。

ヤモリは家守り、クモは益虫とされ、古代からそれなりに人に大切にされて協生とも言えるだろうが、ゴキは近代化が進むほど嫌われて駆逐され、即刻退去をひたすら「強制」され続けている。

雑食性のゴキは食べ物のクズだけでなく、人が出すフケや垢や毛やホコリやダニの死骸など何でも食うのだから立派な協生だ。

それに、捕食性のヤモリやクモと違ってゴキは決して殺生をしない優しい掃除屋さんだ。

ゴキはその姿を変えず3億年を生き抜いた生きた化石

見方によっては貴重とも言えるその生きた化石が・・毎晩のように台所でラジオ体操して懸命にお掃除しているのだ。

あるブログで・・

スリッパで叩き潰される「生きた化石」と言うのはまあゴキだけでしょう・・と言うのは笑えたが、オウムガイやシーラカンスとは天地ほど待遇が違いあまりにも可哀そうだ。

限られた環境でひっそり生き延びる種と異なり、多彩な環境で虐げられても絶滅せずに堂々と繁栄を続けるゴキから、環境も健康もボロボロの人間は学ぶべきことはないのだろうか。

テーマ「種の陰謀」で書いたが、より長く生き抜いた古代の銀杏は深い知恵を持っている。

ゴキも同じで、他の虫達とは明らかに知能も心も異なる。

ここに来て日本のゴキ達は人間との協生の道を選んだことを悔やみ、新たな道を模索しているかも知れない。


続く・・