風情ある小路を行く絵になる地下足袋男
コンクリートの隙間から出た逞しいクコ
畑は完成間近だったが、昼食後、レクレーションと野人講習を兼ねて山と磯遊びへ出かけた。
歩いて10分のところに原人の山があり、その活用案を兼ねて出かけたのだが20分以上は歩いた。原人の話は半分に聞いといたほうが良さそうだ。
着いてみればこれがまた人がまともに登れそうな山ではない。断崖に近く、転んだら滑り落ちて確実に死ぬ。原人も一度ずり落ちたと言う。一目見て却下した。
巨木が茂り夏は陽も当たりそうもなく、原生林のまま保存する方が良い。
やはり半分に聞いておけば良かった・・・アケビが木の頂上に届くまで20年はかかる。
途中の小路は風情があり、野人の植物セミナーでも話が弾んだ。
フキにツワブキ、ユキノシタにヤブニッケイ、ビワ、シイの木、山の非常薬食ヤブランにジャノヒゲなど退屈しなかったようだ。
磯に向かう街中の線路の土手はクコの宝庫で、まずは夕食の材料を調達した。
クコはかって不老長寿の薬草ではないかと言われたこともあり、その生命力は凄まじい。
クコの実は知っていても木や葉を見たのは初めてのようだ。
クコは身近な場所にいくらでも生えている。新芽はサラダでも旨く、ウコギ飯と並びクコ飯もよく食べられる。
そう言うと、当然のように全員がクコのでかい葉をムシャムシャ食い始めた。
これがまた結構濃厚で美味しいのだ。人目も気にせず山羊のように食っていた。
野人は、恥ずかしいから離れて見ていた。