原人物語6 磯の食卓 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

潮が・・満ちとる・・

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めげずに精を出す
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女性にふるまう原人と地下足袋男
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湘南海岸は広大な砂浜だ。大磯の由縁は大きな磯があったから大磯だった。

その貴重な磯を破壊してその場所に漁港が出来てから潮の流れがすっかり変わってしまった。今では漁業は廃れ、釣り人たちが防波堤に群がっていた。


原人のお父さんは社会学者で、その昔、漁港建設反対運動を起こしたと言う。原人の家にはドア付きの書庫がいくつかあり、中には古書がぎっしり詰まっていた。

お仕置きで何度も子供の頃の原人が閉じ込められた書庫で、当時の航空写真を見せてもらった。

今では防波堤の外にはほんのわずかな磯しか残ってはいない。


その磯に着いてみれば満潮に近く、磯物観察どころではない。

しかし原人と地下足袋男は諦めきれず狩りに精を出した。

まず地下足袋男が海に突撃、そこは誰も食べないのかカサ貝の宝庫、全員で食べまくった。

海水で洗って食べる冬のカサガイは甘くて旨い。

地下足袋男の故郷は鳥羽で、野人も鳥羽で20年以上暮らした。しかし彼はカサガイを知らなかったようだ。鳥羽の海岸にはいくらでもあるので帰郷目的が出来たらしい。。

生えていた海藻も生食。磯に毒のあるものはなく、食べられないものなどないのだ。


食後の余興で、原人と地下足袋男が何やら怪しげな合気柔術のような舞いをおっ始めた。

これから数十分歩いて帰り、残りの土木工事が待っていると言うのに元気印だ。


帰ってから真っ暗になるまで農作業、これでほぼ9割は完成だ。

その日の夕食はお母さんの美味しい料理に収穫したクコにカサガイ、野人が持参した野菜にスズキの生ハム、白菜の外葉と和えたスズキの生ハムサラダは本当に旨かった!



出したくはないが・・おまけ

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地下足袋が・・空に舞う
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原人の食卓
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