私のランチでの行動範囲の中に「神」という字が入る町が2つある。
神楽坂と神保町なのだが、町の空気は全く違う。
花柳界で栄えた神楽坂が大人の街なのに対し、神保町は古くからの大学生の街。
ランチで食べるお店も大きな違いがあるが、神保町の方は世代交代の時期で古くからなじみがある店が次々に姿を消しつつあるし、その予備軍も増えつつある。
「神保町イマカツ」さん。
去年までは「とんかついもや」という連日大行列のお店だった。
六本木や銀座で話題になり、ミシュランビブグルマンも獲得した「イマカツ」3店目の出店だが、店内の雰囲気は「いもや」の頃と同じままだ。
お客は5人ほどで空席が目立つ。
一番人気は「ささみカツ」
ささみカツ2本が1,100円。
ささみカツとカニクリームコロッケが980円。
なんか違和感があるな~。
普通ならカニクリームコロッケとのセットの方が高くて当然だと思うが・・・?
高級食材のカニに対して、たかがささみでしょ?
ということで迷いなくささみカツとカニクリーム膳で注文。
目の前のキッチンを眺められる特等席。
パン粉を付けフライヤーに投入される。
低温揚げのようだ。
パチパチと音をさせることもなく静かに油の海に沈んでいく。
数分後、高温の油に移し最後の仕上げだ。
いや、揚げてから更に寝かせているが、余熱を利用しているのだろう。
お皿に盛り付けて、目の前に運ばれてきた。
●ささみカツとカニクリーム膳(980円)
ほんのりとピンク色の肌が美しいささみカツとカニクリームコロッケ。
それではいただきます
キャベツはオリジナルの胡麻ドレで食す。
お代わりも自由だ。
味噌汁は印象が薄い。
その代わりごはんは美味い。
米も良いし炊き方も素晴らしい。
ささみカツはお薦めの塩で食べてみよう。
何だこの柔らかさ!
いや、「ふんわり」と言った方がより近い。
塩だけで食べると素材の旨さがストレートに伝わってくるが、これはささみカツの概念が変わる。
誰だ!、「たかがささみでしょう」なんてほざいたヤツは!!
ソースで食べても美味い。
おやっ?、ささみカツとカニクリームコロッケの間に何かいるぞ・・・?
茄子・・・
なんで、お前がいるんだ!?
サービスなのかイジメか不明だが、ソースとからしをたっぷり付けて口の中に放り込み、ごはんと一緒に涙ぐみながら食べ終えたぜ。
ご褒美のカニのクリコロにお箸入刀!
クリーミーなベシャメルソースにカニの存在もしっかり感じられる。
これぞ、ニッポンの定食だ。
ごはんのお代わりも勧められるが、そこは我慢しておこう。
美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【お店】
・神保町イマカツ
・東京都千代田区神田神保町2-48
・http://www.grasseeds.jp/imakatsu/