極地の氷床融解の海面上昇への寄与
http://www.agu.org/pubs/crossref/2011/2011GL046583.shtml
南極やグリーンランドの氷床の融解が加速しているのではないか、とする報告は多いのですが、(これ やこれ など)定量的評価となるとまだまデータのばらつきが大きいと思います。
この報告では、複数の手法を組み合わせることでより確度を増しています(2つの手法間で、氷の融解量の推定値の差は小さかった)。
たとえば、2006年に失われた氷の量は、グリーンランドと南極を合わせて475±158 Gt。これは海面を1.3±0.4mm押し上げた計算になります。
さらに、融解速度は加速を続けています。1年間に失われる氷の量は、グリーンランドでは21.9±1Gt、南極では14.5±2 Gtずつ増加し続けているとのことです(過去18年の平均)。
「温暖化が進むと負のフィードバック(降水量が増えて氷も増える、など)が氷の減少を打ち消すほど強く働き氷の減少は止まる」ということは、現状ではなさそうです。