こんばんは。
蒸しりんご店長のりんごです。
望妊の患者さんたちには
いろいろな質問をされますが
中でも胚移植に関する質問をされることが多いです。
質問というよりも、相談、つぶやき
というような感じで尋ねられます。
もちろん私は病院の主治医ではないので
明確な答えを出せるわけではありません。
その分野に関する勉強、知識と
それから、やはり病院には治療方針など
病院によって傾向、特徴があるので
私のもとに鍼灸治療に通われている方々から聞く
経験談やお話を元に
私の中にも情報が集まります。
本当に、患者様から教わることが多いですね。
話を胚移植に戻し
凍結胚がいくつかあるという
恵まれた状況において
どの胚を移植したら良いのか
なぜ、その胚を移植したのか
そういう質問をよく受けます。
胚移植に関しては、
初期胚が良いのか、胚盤胞が良いのか
新鮮胚が良いのか、凍結胚が良いのか
常に、検証されている状況です。
もちろん、女性の体の体の状況次第なので
一律な答えは出ないのですが。
以前、とある患者さんで
こういう例がありました。
その方は
胚盤胞が１つ、初期胚が２つ
凍結胚がある方でした。
胚移植を行う際は
やはり、妊娠率が高いであろうと予想される
胚から順に移植候補となっていきます。
ですので、この方の場合
胚盤胞を移植するだろうと思われたのですが
実際には３日目初期胚の移植でした。
結果だけを聞くと
なぜなのかな？と私も気になりました。
ご本人にお尋ねしたのですが
当人もまた、私の質問に対し
『そういえばそうですね？
なんでだろう〜？？
特に説明はなかったんですけど
何ででしょうね？？』
と、ご本人。
結果、その方は無事に陽性反応となり
陽性判定から心拍確認までの間の
鍼灸治療の際に
『やっぱり気になったので
胚盤胞移植でなかった理由を
判定の時に聞いてきました〜』と。
その理由は、こういうものでした。
『今回移植した初期胚（３日目）と
胚盤胞で凍結していた胚の
３日目の時の状態を比較したら
初期胚のほうが３日目の状態が
より良好だったため。』
ほおお。なるほどね。
その理由は聞いてみないとわからない。
どの胚が良好か。つよい子か。
つまり、着床しやすいか
いや、その先、出産まで至る子か。
母体ではなく体外という過酷な環境下で
胚盤胞まで成長したということで
強い子であろうけれど
やはり、『体外』という環境下よりも
母体、子宮内という本来の場所のほうが
胚にとってストレスは少ない。
ということは、胚盤胞になりうる強さを持つ子を
早い段階で、本来の環境に戻してあげると
より強い、つまり出産に至るこの確率は強い、
かもしれない。
この辺り
どの子（胚）が強い子なのかは、
やはり１００％確定することは難しく
ある程度の割合は推測の域で
推測を元に、臨床データを集められ
論文もでている状況だけど
最終的には個々人の体が違うということで
難しさは常にあるのだろう。
この患者さんは、現在も妊娠継続中。
元気な出産となるよう
常に私も陰ながら祈る日々です。
我が子を、と望む多くの方々が
胸に我が子を抱く日が
一日も早く実現しますように。
春の嵐の日に、しみじみ思う。
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