駅弁ぱらだいす・神戸駅編「神戸長田名物 ぼっかけ牛飯どんとこい」 | コン美味食文化論

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いけずな京女が、コンビニエンスに現代ニッポンの食文化を探求中。食のクロスロードを縦横無尽に放浪してます。


ぼっかけ1


 成り行きで駅弁をご紹介する第2回目は、「神戸長田名物□ぼっかけ牛飯どんとこい」¥750です。


 「ぼっかけ」とは、牛すじとコンニャクを甘辛く煮込んだもので、「ぶっかける」が語源といわれています。
 長田ではお好み焼きの「すじ焼き」や「そば飯」に使われてきましたが、カレー、うどん、丼物にも登場するようになり、今や日本全国に大ブレイクの人気です。
 
 そのぼっかけが文字どおり「どんと」ご飯の上にのっかってます。すごい量だねこりゃ。
 この際、ヘルシーとか栄養バランスとかいう言葉はなしね。ここは「ご当地B級グルメを駅弁にした」というところがポイントですから。
 それに、ぼっかけの甘辛い「おつゆ」がしみたご飯っておいしいんですよ~(*^_^*)ウマウマ
 これに青ねぎの小口切りがのっかってるとなお良いのですが、駅弁なので無理か。

ぼっかけ2


 
 さて、ぼっかけはなぜに長田のB級グルメなのか?
 神戸といえば、神戸ビーフ(食ったことねえ)や三田牛、但馬牛、淡路牛といった、全国に名だたる特選牛肉が集まる場所。
 それだけに、牛肉そのものがかなり高価で、今も昔も一般庶民が滅多に入手できるものではありませんでした。
 しかし内蔵やすじ肉は別。正肉より味も栄養もあるこれらの部位を、日本人のお金持ちは食べません。
 一方、長田には在日コリアンの人たちが多く住んでいました。もともと朝鮮半島には、日本よりもずっと豊かな牛肉食の文化があります。
 誰にでも安く手に入る牛すじを使った庶民の味・ぼっかけは、日本とコリアンの食文化が融合して生まれたものなのです。
 牛すじのコリコリとこんにゃくのプリプリした食感がたまらない「ぼっかけ」。
 よくぞこんなおいしいものを考え出してくれたものだ、と、私は食文化というものの懐の広さに感謝するわけです。
 そしてこれを「どんと」駅弁にしてくれてありがとう!旨すぎっ!


〈淡路屋 神戸長田名物 ぼっかけ牛飯どんとこい〉
原材料:ご飯、ぼっかけ(牛筋、こんにゃく、味噌、その他)、大根煮、ししとう揚げ、付合せ、(その他小麦由来原材料を含む)、調味料(アミノ酸)、酸味料、凝固剤、着色料(カラメル、赤106)、酒せい、保存料(ソルビン酸K)、甘味料(ステビア)