九州物産展(2 )鯨すえひろ | コン美味食文化論

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いけずな京女が、コンビニエンスに現代ニッポンの食文化を探求中。食のクロスロードを縦横無尽に放浪してます。

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 続いては、高島屋京都店より。

 鯨一頭、七浦うるおす
 私達とクジラとの食文化は、
 縄文時代からの長き歴史が育んできたものです。
 長崎・井上海産物「勇魚(いさな)」は、
 伝統ある鯨肉を
 丹念に加工し、販売致しております。
 どうぞ、高タンパク・低脂肪・低カロリーと三拍子揃ったヘルシーな鯨肉をご賞味下さい。

 と、さまざまな鯨加工品を薦められて選んだのが「鯨すえひろ」。
 すえひろとはゆで鯨のことで、「畝須(うねす)」と呼ばれる、鯨の下あごから腹部の上質な部分をボイルしたもの。
 薄くスライスしてあるので、そのままわさび醤油やポン酢でいただきます。
 ほんのりとした塩味と、シコシコした歯ざわりが持ち味。実に上品な“お肉”です。
 哺乳類ではあるけれど獣肉とは違い、ましてや魚肉とも異なる鯨肉を味わうたびに、「紛れもなくこれは、日本人の食文化である」と実感する私でありました。
 長崎と鯨の歴史は、冒頭で触れたように古代に遡り、弥生時代の壺に捕鯨の様子が描かれています。
 「鯨一頭、七浦うるおす」という言葉は、捕鯨が漁村の経済を支えていたことを表しています。
 また、鯨は同時に長崎の食や祭りといった「くらし」にも密着してきました。
 受け継がれてきた伝統や文化が、政治や利権や人種差別といった魑魅魍魎に断ち切られてしまわないよう、祈るばかりです。

〈井上海産物□鯨すえひろ〉
内容量:50g
原材料:鯨肉(南氷洋ミンク鯨)、食塩