僕は、よく僕の周りにいる連中にも言うのね。
「お前ら、真ん中通るな」って言うの。「2等賞はダメだぞ、1等賞になれ」。
それで1等賞はどうしても獲れないってはっきりわかったらもう辞めろって。ビりになれって。真ん中は疲れるよ。
でも、いいね、真ん中のほうが安定していて堅いっていや、堅いのかも分かんないね。敵も少ないし。中傷されることもないし。
ただ、僕は考えた。
僕の理論ね、「ゼロ」っていうのがあって、こっちがプラスの世界、で、こっちがマイナスの世界。これ、メモリがあるわけ。
1、2、3、4、マイナスの方も1、2、3、4、5のプラスをチャレンジしようと思ったら、絶対、マイナスの5が背中合わせにつきまとっているんだって言っても言い過ぎじゃないくらい、世の中はね。
ほいで、10を望もうと思ったら10の敵がいる。それで、俺は敵作るのは嫌だ、ゼロでいい。っていうとプラスもゼロだ。さてあなたはどっちがいいって。選択権は自分にあるんだから。
そったら俺、考えた。
そうだな、ガキの頃は人間として生きていても行動力も発言力もない。てことは何十年かな、男として発揮できるのは。
そしたら30年間くらいしかない。オジンになってたらもう隠居だしね。ホントに動けるのは30年くらいしかない。だったらやりましょうよ、ってことになるじゃん。
泣いても笑っても30年くらいしかないんだから、あとは死ぬだけよ、って話になったら、僕はプラスの10を取ろうと思った。
ほったらまあ、僕の理論あってたよ。まあ、マイナスの10が増えた、増えた。ぼっこぼっこいたよ。「宿った」っていう自信じゃないのね。
僕の言ってる自信は。いわゆる、せめてものそう思ってやってないとやってらんないよっていうことですわ。